ミュージカル『ボディガード』来日公演!主演Wキャストのそれぞれの魅力

日本屈指のプロモーター、クリエイティブマンとInterFM897がタッグを組んでお送りする音楽情報プログラム『SONIC RADIO』(DJ: Shaula)。あの!Whitney Houston, Kevin Costnerが出演した映画『ボディガード』がミュージカル化して日本に上陸。そこで9月23日は、ミュージカル『ボディガード』来日公演にフォーカスしました。ゲストは本場、イギリスでの公演を観劇された読売新聞東京本社文化部の清川仁さん。
異なる魅力でどちらも見逃せない!2人の主演女優
Shaula:今夜(9/23)は渋谷の東急シアターオーブで開催されているミュージカル、『ボディガード』来日公演にフォーカスしています。ゲストは読売新聞文化部記者の清川仁さんです。
清川仁(以下、清川):よろしくお願いします。
Shaula:『ボディガード』に詳しいということで。なぜ詳しいんですか?
清川:6月中旬にイギリスへ行って、本場で観てきました。
Shaula:『ボディガード』といえば元は映画じゃないですか。Whitney HoustonとKevin Costner。正直この映画が出た時、すごいことになったんですよ、アメリカは。これが今ミュージカルになって戻ってきているということで。ちなみに清川さんは映画が公開された時に観ましたか?
清川:ええ。日本でも誰もが観なきゃいけないようなヒットでした。
Shaula:なんか映画の影響ってありましたか?
清川:映画を観てなくても、『ボディガード』っていう名前が出たら、「エンダーーー!」でしょ?ってなるくらいには。
Shaula:ああ。いまだに「エンダーーーーー!」ですもんね。
清川:インパクト強いですもんね。
Shaula:このミュージカル『ボディガード』、主演のRachel Marron(レイチェル・マローン)役が今回ダブルキャストなんですよね。Alexandra Burke(アレクサンドラ・バーク)さんとJennlee Shallow(ジェンリー・シャロウ)さんの二人が主演入れ替わりという形でやっているという。これは、清川さんは2人とも観てきたんですか?
清川:観ました。マチネ・ソワレっていういわゆる昼夜公演なんですけど、昼間はJennlee Shallow、夜はAlexandra Burkeって感じで。
Shaula:1日で2本見たんですか!?こういうダブル主演ってミュージカルだとよくあるんですか?
清川:ええ。しょっちゅうあります。
Shaula:どうでした?2人の差ってありましたか?
清川:ありました。2人ともWhitneyを目指さないといけないと思うんですけど、アプローチが違いました。Alexandraは、そもそもイギリスでは大スターで彼女の個性があるので、Whitneyを真似るんじゃなく彼女の個性を出していく感じで。ボディガードに守ってもらう立場だけど彼女自身もすごくたくましいようなキャラクターを演じていたし、歌唱力も言うまでもなくパワフルでしたし。Jennleeは、カンパニーに入ったのが今年で、カンパニーの中では遠慮がちだったのかもしれないですけどすごく素質がある人で。いいなって思ったのはスレンダーで足が長い。なので映画の日本版だとWhitneyがハイレグで水着を着ているジャケットがあるんですけど、あれを彷彿とさせるようなスタイルで。それでいて声のパワーもあって。インタビューで、なんでそんなに細いのに声のパワーが出せるのって聞いたら、生まれつきだよって言われましたけど(笑)、演技だけじゃなくて、それに対する観客の反応もすごいんですよ。日本だとミュージカルってちょっとお高いものとか敷居が高くて構えてしまうと思うんですけど、イギリスは演劇の国でミュージカルも身近なものなので、観客のノリがすごい。親しみやすいというか、日常の行動のような感じで劇場へ足を運んでるみたいなんですね。なのでパフォーマンスに対して拍手喝采で。印象的だったのは、Jennlee Shallowが出た昼公演、あまりにもJennleeに対する歓声がすごくて、彼女が泣いちゃったんですよ。
Shaula:そこまで歓声があるってことは、よっぽど彼女のパフォーマンスが人の心を動かしたってことですよね。
清川:あとはお酒の力もあるかもしれないですけどね(笑)。
Shaula:ハハハ(笑)。主演のAlexandra Burkeの母親が、Whitneyのコーラスを歌ってたっていう話を聞いたんですけど。
清川:母親がもともと歌手だったんですよ。そのおかげでAlexandraも小さい頃にWhitneyに楽屋で会ったことがあるようで。なのでWhitneyの歌を歌うっていうのは、親子二世代の願望だったと思うんですよ。
Shaula:すごい話ですね。
清川:感動しますよね。
ミュージカルであり、映画であり、コンサートでもある『ボディガード』
Shaula:今回の『ボディガード』全編英語となっているんですが、ステージの左右にスクリーンが設置されているんですよね。そこで日本語字幕が流れるということで、わかりやすいですよね。
清川:そうですね。もともとストーリーはわかりやすいものなので、日本語が出るっていうのはすごくいいことですし、歌詞も字幕が出るじゃないですか。このミュージカルでは映画では使われていないWhitneyの既存曲を挿入しているので、そういう工夫を読み取るために歌詞があるっていうのはすごくいいことだと思いました。
Shaula:今回イギリスで舞台を見たときにこのミュージカルの演出家のThea Sharrock(テア・シャーロック)さんにお会いしたんですよね。彼女とどういうお話ができましたか?
清川:彼女も40代くらいの若い演出家でした。どんな風に演出したかって話なんですけど、パズルのように劇中に曲を当てはめていくっていう。それまで映画に関係なかったWhitneyの曲を当てはめていくのがすごく難しかったって言ってましたね。上演してからも試行錯誤があったみたいで。世界で10ヶ国以上、400万人以上を動員しているんですけど、彼女が言うにはどこで上演しても同じところで笑いが起きるし、静まり返るシーンでは静かになるみたいで。言語と文化を超えて演出の意図が伝わっていると感じて演出の成功を実感しているって言っていました。
Shaula:Whitney役の話はしてきましたけど、Kevin Costner役も気になるところじゃないですか。フランス人なんですよね?
清川:Benoit Marechal(ブノワ・マレシャル)という人なんですけど。
Shaula:彼はどうでした?
清川:イケメンなんですよね。もともとモデルだった方で。インテリなんです。経営工学で修士まで行った人なので。歌も上手いんですけど、劇中でちゃんと歌うことはなくて。カラオケ屋で歌うシーンがあるんですけど、完ぺきなボディガードが実は音痴だったっていうお笑いのシーンなのでわざと下手に歌っているんですよね。
Shaula:私思うんですけど、歌が上手い人がわざと下手に歌うって不可能だと思うんですよ。
清川:天然の下手な人よりはずっと上手いですよね(笑)。でも一生懸命たどたどしく歌ってましたね。あと、彼はすごく研究熱心なんですよ。アメリカのシークレットサービスとかボディガードの養成所とか、あとはイスラエルのモサドを取材したらしくて。そこまで本格的にボディガード訓練しなきゃいけないの?って聞いたんですけど、そういうのが舞台で滲(にじ)み出てくるって言ってて。本当に舞台上は完ぺきでした。
Shaula:すごいですねえ。舞台上でAlexandraとBenoitだったり、JennleeとBenoitだったりのケミストリーってありました?
清川:Alexandraは筋骨隆々って感じなんですけど、お姫様抱っこのシーンでもBenoitは、余裕でスッっとやっていて。生で見るとすごいなって思いました。動きも自然でかっこいいですし。
Shaula:スキルがめちゃくちゃ高い人たちが集まってるおかげで、こんな素晴らしい舞台が出来上がってるわけですもんね。改めてこのミュージカルの見所など教えていただけますか?
清川:ミュージカルですけど、原作が映画なので、映画としても楽しめる。舞台転換にも映画らしさが表れていて面白いんですよ。すごく映像っぽい演出が多くて。もう1つはミュージカルであり映画でありコンサートでもあるんですよね。コンサートに芝居がくっついているって捉え方でも十分楽しめるっていう。あとは客席の盛り上がりが舞台にも伝わる相互作用っていうのは普通のミュージカルでは起こりえないんですよね。いろんな要素を楽しめる、すごく欲張りな作品だと思います。
- SONIC RADIO
- 放送局:interfm
- 放送日時:毎週月曜 20時00分~21時00分
- 出演者:Shaula
-
番組ホームページ
メール:sonic@interfm.jp
ハッシュタグ:#SR897
※該当回の聴取期間は終了しました。