「金利のある世界」本格化 消費が冷え込むなか利上げを続けるのはなぜ?

3月18日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、日本銀行の「金利のある世界」の本格化について意見を交わした。

なぜ消費が冷え込む政策をとるのか不思議

日本銀行がマイナス金利政策など大規模な金融緩和策の終了を決めてから、3月19日で1年になる。昨年7月と今年1月には追加利上げを決め、政策金利は0.5%程度。「金利のある世界」の本格化を受け、銀行は預金の確保と貸し出しの拡大にまい進するが、一部の企業では利払い負担の増加が経営の重しとなっている。

日銀は昨年3月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除して政策金利である短期金利の誘導目標を0~0.1%程度に引き上げることや、長期金利を低く抑え込む長短金利操作を撤廃することを決めた。

日銀の利上げ以降、銀行は預金金利の引き上げに動いている。マイナス金利政策の解除前に年0.001%だった三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行の普通預金金利は、今月には200倍の年0.2%に上昇した。

(寺島アナ)「大規模の金融緩和終了から一年です。この一年振り返って、田中さんいかがでしょうか?」

(田中氏)「なんのために利上げの姿勢を変えないのかな?と、本当に疑問に思います。たとえば去年の経済状況はマイナス成長ですよね?その原因は消費が上向かないこと。政府や財界などもこぞって“賃上げ”を社会的なムーブメントにしますが……。賃金が上がったと見えている月もありますが、大体はボーナスの影響ですよ。たしかに連合傘下の組合の賃金は報道もあって目覚ましいのが分かるんですが、その他の中小企業や連合傘下にないような企業の数の方が圧倒的に多いですから、そこら辺の賃上げはそんなに多くはない」

田中氏は賃上げの現状と、若い世代の消費伸び悩みを指摘。

(田中氏)「しかも世代によっての賃金の上げ幅も全然違うわけですよ。働き盛りと同時に、教育費だとか色々な固定費がかかる中高年の賃金はあまり伸びていない。一方で若い世代は、賃金は伸びていますけど消費が冷え込んでいるんです。なぜかというと先行きが不安だから。寺島さんや僕たちが若いときに、たとえば年金のことって心配したことあります?」

(寺島アナ)「ないですよ」

(田中氏)「今の若い人たちは、20代でも10代でも年金の心配をするくらい将来の経済負担を気にかけているわけです。その人たちに、いま賃金が上がったからといって消費が過熱するかというと全然そんなことないですよね。“将来、増税や社会保障の増負担が増えるんじゃないか?”という不安が重しになって消費が復活しないなかで利上げをしてしまう。利上げをしたら耐久消費財、電気製品だとか車や家を買うときのローンの金利も上がっているわけですから、やっぱ消費は冷え込みますよね。そんななかで、なおさら消費が冷え込む政策をなぜとるのか?不思議ですよね」

田中氏は金利上昇とお米の物価上昇を比較する。

(田中氏)「今はお米の値段が物価上昇を引っ張っています。でもお米って日本で穫れるものなので金利って関係ないんですよ。金利上げてお米がいっぱい穫れたらMr.マリックも真っ青ですよ。だからなんのために金利を上げるのか分からない。ちなみに誤解する人がいるといけないから一応言いますけど、備蓄米を放出すればお米の価格は下がります。だけどその需要の先食いをしてしまうので、またお米不足は遅かれ早かれ復活するんです。“金利のある世界”もそれと似ていますね。先行きをあんまり考えないで、やがて“需要の逆襲”というコストプッシュ型の物価上昇が収まったときに、ハッと気づくとお金がないので消費できない、という経済がまた戻ってくる可能性があるのが今の植田日銀の本当のリスクですよ。それに注意してほしいと思いますけどね」

銀行では、メガバンクなどの都市銀行と地方銀行との間で、貸出金利に差がついた。

貸出金利の上昇による利払い負担の増加は、借り入れが多く、経営体力の弱い企業を圧迫する可能性がある。帝国データバンクは今年1月、借入金利が0.25%上昇すると、1社当たりの支払利息が年68万円増え、経常利益を平均で2.1%押し下げるとの試算を発表した。調査対象の約9万6000社の約1.8%にあたる約1700社で、経常利益が黒字から赤字に転落する可能性があるという。

(寺島アナ)「“金利のある世界が格差を生んでいる”と読売新聞は指摘していますね」

(田中氏)「“金利のある世界”って言っていますけど、“利上げ”つまり“緊縮政策”が企業にダメージを与えているってことですよね?ただでさえトランプ2.0で景気が減速する可能性があるなかで“利上げのスタンスを変えない”って言ったら、やっぱ企業経営の先行きも真っ暗になって倒産や廃業とかがいっぱい出ない方が不思議ですよ。だから徐々に顕在化していくんじゃないですか?ちなみにこういった状況、実はリーマンショックのときも規模は違いますけどあったんです。“原油高は円安政策のせいだから利上げしろ”というスタンスで臨んでいって、結局日本はリーマンショックに直面したときに発祥元の欧米よりも深刻な影響を受けて、デフレ経済がさらにデフレになっちゃったんです。今回もそれと似ていますね」

 

〈出典〉
「金利のある世界」大規模緩和終了1年で本格化…預金金利が上昇、利払い負担は増加 | 読売新聞

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SUPER EIGHT・安田章大 病に倒れ芸能界引退を考えたことも…活動を続ける理由は「僕を通して、病気のことをみんなに知ってもらえるから」

きゃりーぱみゅぱみゅがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「CHINTAI presents きゃりーぱみゅぱみゅ Chapter #0 ~Touch Your Heart~」(毎週日曜12:30~12:55)。この番組では、きゃりーが自身の趣味や興味のあることについて語ったり、いま輝いているゲストをお迎えしたりしながら、さまざまなエピソードを1冊の本に見立て、紐解いていきます。

今回の放送では、SUPER EIGHTの安田章大(やすだ・しょうた)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


安田章大さん



★闘病を経て、いまなお第一線で活動する理由とは?

まず、安田さんに語ってもらったのは、芸能界入りのきっかけについて。そもそも「芸能界に興味がなかった」という安田さん。ところが、嵐の相葉雅紀さんのファンだった姉が勝手に安田さんの履歴書を書き、オーディションに応募していたことがきっかけだったと言います。

それは安田さんがバレーボール部に所属していた中学1年生のときのこと。部活を終えて帰宅すると、テーブルに1次審査に合格したという返信封筒が置いてあったそう。姉から事情を聞いた安田さんでしたが、「それでも(芸能界に)興味がなかった」と当時の胸中を回顧。

そんな安田さんの気持ちをオーディションへと向かわせたのは、その一部始終を見ていた母親が放った一言でした。「『あんたみたいなもんはどうせ受からへんから、(2次審査を受けなくても)ええんちゃう?』って言われて、“カチーン!”となって“頑張ろう”みたいな(笑)。そこからです」と振り返ります。

安田さんは、2017年に脳腫瘍の一種である髄膜腫を患い、開頭手術を受けました。その後、いろいろと考えるなかで1度は芸能界から退こうと気持ちが傾いたものの、「ファンの皆さんが居てくれている場にずっと居たいと思ったし、同じようなご病気をされている方々や闘病中の方々、もしくは、その時期を乗り越えて前向きに生きられている方々が、(自身の活動を通して)“より前向きになれるような言葉を届けたい”って思ったから(芸能界に)残ったんです。それが一番の理由で、僕を通して病気のことや闘病での経験をみんなに知ってもらえるし、勇気を届けられるかなと思った」と、いまなお活動を続けるに至った経緯を語ってくれました。

ここできゃりーから、「安田さんの考え方とかやさしさに溢れている感じって、どこからきているんですか?」との質問が。これに安田さんは「親やと思う」と即答。

というのも、今でも両親は仲が良く、小さい頃から家庭円満な環境で育ててくれたことも大きく影響しているようで、「お母さんから『あんたが考えていることや思っていることって、ほとんどが間違っていることやと思うよ』って子どもの頃からずっと教えてくれていて。昔から『1段飛ばしの意味は何もない』って言われていたり、お父さんからは『何も言わずに静かに耐えろ』っていう考え方とか、『自分が無理してでも自分の決めたことはやり切る』っていうようなことはいつも言ってはった」と、自身を形成した両親からの大切な言葉も話してくれました。

★Chapter#0 Library★

ゲストが背中を押された作品を紹介してもらうコーナーで、安田さんがセレクトしたのは、書籍「喜びから人生を生きる! 臨死体験が教えてくれたこと」(著:アニータ・ムアジャーニさん 訳:奥野節子さん / ナチュラルスピリット)です。本書は、末期がんにむしばまれていたアニータさんが、臨死体験をしたあと奇跡的に治癒を遂げた自身の体験を綴った実話です。

安田さんは「僕は臨死は経験していないんだけれども、(髄膜腫を患ったときに医師から)『手術をせんかったら死んでいたよ』って言われていて、その1年2ヵ月後に浴槽でてんかんが起きて溺れてしまって……その後、たまたま引き上げてもらえたから生きているんですが、3度目のこのボーナスライフを生きているなかで、自分の人生を俯瞰で見返すと“面白いな”と思って。この方の本は、背中を押される人が多いかなと思います」とおすすめしていました。



また、フリートークでは、安田さんから「お話ししながら思ったことをそのまま聞くけど、悩むことってある?」と質問を投げかける場面も。すると、きゃりーは「いま人生で一番環境の変化を感じていて、(去年)出産してその間に産休を取っていたんですが、“ライブ復帰”ってどういうイメージなのかが自分のなかで見えていなくて。やってみないと分からないことがまだまだたくさんあったり。あとは、我が子といる時間は楽しくて幸せだけれども、(その反面)きゃりーぱみゅぱみゅの花はそこでストップしちゃっているみたいな……ソロでやっていたので、活動をストップすることへの“恐怖”みたいなものがずっとあった」と胸中を吐露。

ところが、「“こんな不安に思わなくてもよかったんだな”って思うことはたくさんあって。いざ出産をしてみたら、たくさんのファンの方が待っていてくれたり、応援してくれている声がInstagramとかXで(ダイレクトに)届くので、それがめちゃくちゃ励みになりました」ときゃりー。

その言葉に、「それはうれしいなぁ」と安田さんはうなずき、SUPER EIGHTのメンバー、そして何より応援してくれるファンへの感謝なども語りつつ、「ファンの皆さんは、(活動をストップしたことで、なかには離れてしまう人もいて)絶対数が変わっている可能性はあるけど、必ず待ってくれている人、いつまでも“ライブ待っていたよ!”っていう人はいっぱいおるなっていうのは、俺の実感として経験しているから。きゃりーちゃんが、(出産を経て初の)ステージに立つときをすごくワクワクされている方が多いんやろうな、と思う」と話していました。

2週に渡る安田さんとのトークを振り返り、きゃりーは「(安田さんとのスタジオでは)本当に朗らかな空気が流れていて、たくさん話を聞いてくださるので、“もっと聞いて!”と思ってしまう自分がいていっぱいしゃべっちゃった(苦笑)。それがちょっと反省点でもありました」と苦笑いしつつ、「でも、安田さんと話したことで、私もビジョンが見えたというか、“(今後は)こういうふうにしていきたいな”みたいにより明確になった気がしました。ありがとうございました」と感謝の気持ちを述べていました。



今後の安田さんですが、新宿梁⼭泊第79回公演 唐⼗郎初期作品連続上演『愛の乞⾷』『アリババ』に出演が決定。2025年6月14日(土)から7月6日(日)まで、新宿 花園神社境内 特設紫テントにて。詳細は公式サイトでご確認ください。

<番組概要>
番組名:CHINTAI presents きゃりーぱみゅぱみゅ Chapter #0 ~Touch Your Heart~
放送日時:毎週日曜 12:30~12:55
パーソナリティ:きゃりーぱみゅぱみゅ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/heart/

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