東京新聞の望月衣塑子記者が生出演! 『大竹まこと ゴールデンラジオ!』

本日12日の『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送午後1時~3時30分)に、首相官邸で菅義偉官房長官との会見バトルを展開している、東京新聞の望月衣塑子記者が生出演しました。


◆9回の抗議について

望月衣塑子記者(以下、望月)「我が社への抗議文が1つと、同様の文書で、『度重なる問題行為をやってきた。当該記者は度々事実誤認(事実と違うこと)を聞いてきた。当該記者クラブの皆様におきましてはこの問題意識を共有していただきたい』という文書が会社だけでなく記者クラブにも投げられていたんです。単純に私への委縮効果だけでなく他の記者への委縮も狙っているのかなと。これは知る権利とか報道の自由という意味ではまさにそれを侵害する行為を文書という形に残る形で官邸が出してきたのは今までにはなかったことなんじゃないかなと。」


◆大竹まこと「どういうバックアップがあって記者として続けていられるんですか」

望月「『聞き方は気をつけろよ』と言われることはあるんですが、自分が取材する中で疑問に感じたことは淡々と政府に質問をぶつけるということは会社としてはやるべきだという理解と応援ですね。特に記者クラブの元で記者が委縮していると言われている中では。読者の反応にも助けられています。多くの読者がこういうトラブルがニュースとして出てくると、一斉に会社や記者クラブに応援のメッセージを投げてくれるんです。そうすると『望月さんを助けてあげてください』とか、『新聞一部とりますから守ってあげてください』なども(笑)もちろん『いつまでしつこく聞いてるんだ』と1割くらいはあるんですが、大方は『聞くべきことは、記者は権力側に聞かなくてはいけないんだ』と、会社の私を含めて記者も教えられて。私たちを支えてくれているのは政府ではなく読者、国民の声ですから。」


◆壇蜜「毎回のように官房長官と対峙されているんですよね。官房長官のことは好きですか?」

望月「あはは。本当は差したく(指名したく)ないと思うんですよね。今も2問という制限は加えられているんですが、嫌な質問だと思っている、攻撃的な質問だなと思っていると思いますが、差す(指名する)という意味ではしっかりと官房長官としての任務を果たそうとしているなと思います。......対話の仕方ですよね。最近抗議をしてまた変わりましたけど、『あなたに答える必要はない』とか『ここは質問に答える場じゃない』とかほかの記者にはなかなか言わないようなことを、私に対する思いがあるんでしょうけど、ポロッポロッと出てきてしまう。本当は淡々と一つひとつに答えてもらいたいなと思います」
壇蜜「個人的には好き?」
望月「そう......ですね(笑)」
大竹「指してくれるということではね。ただちゃんと答えてくれてないんじゃないかなってね」
望月「そうですね。思うときはありますね。答えていただけているところもありますが」

大竹まこと ゴールデンラジオ!
放送局:文化放送
放送日時:毎週月曜~金曜 13時00分~15時30分
出演者:大竹まこと、壇蜜(水曜パートナー)
番組ホームページ
公式X

※該当回の聴取期間は終了しました。

亡き夫からバトン受け継ぎ叶えた夢「EVのハーレー」

桜から新緑の季節、ツーリングにはたまらないシーズンがやってきました。なかでも、バイク好きの方にとっての憧れといえば、「ハーレーダビッドソン」! 人生で一度は乗ってみたいと思う方もいることでしょう。

今回は、この「ハーレー」のEV(電動)化に成功した、あるご夫婦のお話です。

上野悠子さん

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

栃木県宇都宮市の郊外に、「ハイフィールド」というバイクのカスタムショップがあります。代表の上野悠子さんは、1978年生まれの46歳。2018年に結ばれたご主人の誠さんが開いたお店を受け継ぎました。

アメリカンカルチャーが好きだった誠さんは、「ハーレー」を取り扱うお店に勤めた後、20年ほど前に独立して、27歳のときに「ハイフィールド」を開きました。“カッコいいバイク”にこだわって、一時は海外での事業展開も進め、東南アジアと日本を行ったり来たりしながら、こんな夢を語っていました。

「アジアの国々を見ていると、日本のバイクも、今に電気の時代が来る。タバコだって、煙をもくもく上げて吸っていたのが、すっかり電子タバコになっただろう。きっと、同じことがガソリンエンジンでも起こるから、ハーレーをEV化したいんだ!」

しかし、まちの小さなバイク屋さんには、技術もお金もありません。誠さんは、サポートしてくれるパートナーを探して、全国を走り回りました。

そして、横浜の自動車技術会社と繋がり、経済産業省の補助金の存在を知ります。ちょうどお店も移転して、『さあ、これから』という時に誠さんは体の不調を訴えました。

バイクのカスタムショップ「ハイフィールド」

「じつはずっと胃がムカムカするんだ。東南アジアで辛いものばかり食べていたからかな」

大きな病院で告げられた病名は「胃がん」、それもステージ4でした。

「ステージ4だって、3年生きた人もいるというじゃないか。俺の体、あと3年持ってくれ。そうすれば絶対、ハーレーをEVにできる!」

誠さんはそう言って、つらい抗がん剤治療を受けながら、仕事を続けました。2022年8月には、経済産業省に補助金の申請を行って、資金調達に望みをかけます。

でも、その年の11月、誠さんは病状が急変、力尽きました。まだ43歳の若さでした。

誠さんの葬儀が終わると、奥様の悠子さんは、ご縁のあった方々を一人ひとり訪ねました。行く先々で誠さんが愛され、ハーレーのEV化に強い意欲を持っていたことを知ります。

そんな悠子さんのもとへ、経済産業省から「補助金採択」の知らせが届きました。事情を知った事務局の方からは辞退を勧められましたが、悠子さんは迷いませんでした。

上野悠子さん

「彼がずっとやりたかったハーレーのEV化、やれるところまでやってみます!」

思い切って一歩を踏み出した悠子さんですが、実はバイクの免許も持っていなければ、車体の仕組みも知りませんでした。まず『バイクに乗る人の気持ちを知ろう』と教習所へ通って、普通二輪の免許を取ります。バイクの仕組みについても、お店のスタッフの方に1から教えてもらいました。

ただ、肝心のEV化した「ハーレー」の設計図は、誠さんの頭の中にしかありませんでした。悠子さんは、改めて取引のあった人を訪ねて、誠さんとどんなことを話したのか、手掛かりを求めて、少しずつ聞き取り調査を進めて、概要を把握していきます。すると、エンジンをモーターに置き換えることで話が進んでいたことが分かってきました。

とはいえ、単純にエンジンをモーターに置き換えてしまうと、排気管やギア操作など、バイクが好きな皆さんのこだわりの多くが失われてしまいます。デザイン、配置、安全性、操作性、重量など、試作を繰り返すたび、空にいる誠さんに「これでいいの?」と問いかけますが……、もちろん、返事はありません。

『そうか、彼はこの決断、決定を、毎日毎日1人で繰り返していたんだ』

いつしかそう思えるようになった悠子さんは、苦しい気持ちが、次第に誠さんへのより強い尊敬の気持ちに変わっていきました。

EV化したハーレー(画像提供:株式会社チームハイフィールド)

そして数々の苦労を乗り越えて、2024年2月、ついにEV化した「ハーレー」が完成。長年、誠さんと仕事をしてきたスタッフも「これは面白い」と太鼓判を押してくれました。

面白い理由、それはズバリ「音」です。EV化であのエンジンの爆音は無くなり、ほぼベルトとタイヤの音だけが響き渡ります。実際に走らせると、鳥の鳴き声や街の音が耳に入ってきて、とても楽しいという。そんなスタッフの方の言葉に自信を持った悠子さんは、こう話してくれました。

「静かなハーレーなんて……、とおっしゃる方は少なくありません。でも、いつか爆音を鳴らして、排気を撒きながら走ることがカッコ悪くなるかもしれない。その時の選択肢の一つとして、必要とされる日が来ると信じています」

大きな音と共に、自分だけの世界を楽しむツーリングから、風や音を感じて、周りの世界と繋がる楽しさも秘めたツーリングへ。上野誠さん・悠子さんが夫婦でつないで生まれた「EVのハーレー」は、もしかしたら、次の時代の“カッコいいバイク”になるかもしれません。

radikoのタイムフリーを聴く

Facebook

ページトップへ