「SDGs」の検索数 1位は日本、2位にジンバブエ… 先進国は関心薄い?
世界的な取り組みで、日本でも多くの人や企業が熱心に取り組んでいるSDGs(持続可能な開発目標)は、じつは他の先進国はあまり関心がないようだ。どういうことか――。8月26日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)は、金曜コメンテーターで郵便学者の内藤陽介氏と寺島尚正アナウンサーがこのSDGsについて議論を展開した。
国連が持続可能でよりよい世界を目指す国際目標として掲げる「SDGs=Sustainable Development Goals」。「人類がこの地球で暮らし続けていくために2030年までに達成すべき目標」を示しており、その中には「貧困をなくそう」「質の高い教育をみんなに」「気候変動に具体的な対策を」「住み続けられる街づくり」など、17の目標がある。
日本ではメディアなどがSDGsの取り組みを頻繁に報じ、企業も積極的にPRするなど、広く浸透しており、過去5年間にGoogleで「SDGs」が検索された数を集計すると、国別で日本がランキング1位に。しかし、2位はジンバブエ、3位はウガンダと、他の先進国は上位にランクインしていない。アメリカは34位だった。
「SDGsという言葉は日本とジンバブエでしか流行っていなかったという皮肉。内藤さんこれいかがですか?」と、寺島アナがニュースを読み終えると内藤氏は次のように熱弁した。
「これは皮肉じゃなくて当然ですよ。日本ではSDGsは環境(対策)と言われていますが、違いますから。一番の課題は貧困と飢餓の撲滅です。だから途上国で貧困や飢餓、教育の課題があるところは当然このSDGsに関心があるのが当たり前なんです。特に貧困と飢餓は17の目標の中でもトップに掲げられています」(内藤氏)
確かにSDGsの17の目標では「貧困をなくそう」が一番上に、その下に「飢餓をゼロに」が掲げられていて、日本で多くの人に知られている「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」は7番目となっている。
内藤氏は続けて、「私は環境省の人に『日本のSDGsは環境に偏りすぎてないか? 貧困や飢餓に触れないのはおかしくないですか?』とインタビューしたことがあるんですけど、『そんなものはみんな知っているはず。我々は環境省だから環境以外のことをいう必要はない』というニュアンスのことを言われました」と話す。
SDGsの取り組みが企業のイメージ向上につながるという側面があるのは確か。「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」や「陸の豊かさも守ろう」といった環境問題は、企業が取り組みやすいのかもしれない。その半面、「やってます」感が先行。企業がSDGsに安易に便乗して、不適切な情報発信するような詐欺的な行為、「SDGsウォッシュ(washing=塗りつぶす)」も少なからず目についてきた。
内藤氏は「日本でやっているのはSDGs詐欺みたいなものなんですよ。騙されちゃいけません」と、厳しい口調で警鐘を鳴らした。