30代以上には懐かしい!?「レンズ付フィルム」の今
TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』月~木曜日の11時から放送中!
10月6日(木)放送後記
デジタルカメラやスマートフォンが登場する前、写真はフィルムで撮影し、現像していました。その中でも素人でも手軽に撮れるカメラとして使われていたのが『写ルンです』などに代表される「レンズ付きフィルム」です。

デジカメやスマホが主流になっている今、使う機会は余りないのではないか…と思ったらまだまだ現役で使われていました。

それは番組の構成作家・稲原さんが香川県高松に旅行したときのこと。修学旅行で金刀比羅宮を訪れていた男子中学生達に写真撮影を頼まれた際、渡されたのが「レンズ付きフィルム」でした。
その珍しさから「デジカメじゃないんだ?」と聞いてみると「学校から渡されたんです」と男子中学生。稲原さんも久しぶりにファインダーを覗いてシャッターを押したそうです。デジカメやスマホの携帯が禁止されている学校などでは今も使われたりするんですね。
実際のところ「レンズ付きフィルム」と取り巻く状況はどうなっているのか。写真の現像やカメラ・デジカメの販売などを行っている「カメラのキタムラ」の広報担当、佐藤さんに教えていただきました。

Q:インスタントカメラ、今売れているのでしょうか?
佐藤:売れています!「お一人様〇個まで」の状態です。5・6年前からフィルムの人気が再燃し、当初は流行に敏感な都心部が中心でしたが現在ではエリアに関係なく売れています。買っている世代は10代~20代の若い世代が中心ですね。
Q:僕たちの世代は価格自体も安かったですが今は?
佐藤:10年以上前は数百円で販売されていましたが、現在では2,000円近い価格になっています。昔と比べてフィルム需要が減り、生産ラインが縮小したことに加え、原材料費の高騰により販売価格はかなり上昇しました。
Q:佐藤さんは、インスタントカメラの魅力はなんだと思いますか?
佐藤:フィルムの写真には、スマホやデジカメで撮影した画像とは違うやわらかさというか質感というか、デジタルにはないレトロな雰囲気が表現できるところだと思います。そういった風合いのある写真が、新しい写真表現として若い方を中心に広がり、インスタグラムなどのSNSでアップされています。またレンズ付きフィルムは撮影も簡単で、気軽にフィルム写真を楽しめるところが魅力ですね。
実際、様々な家電量販店を見に行っても、現在は購入数に制限がかけられていました。価格も1,800円弱と、駅の売店でも自動販売機でも買えた時代を知っていると大分高い印象です。

蓮見アナも久しぶりに「レンズ付きフィルム」を使ってみました。撮影可能な枚数は27枚、撮った写真はその場で確認できない。こんなハラハラ感のもと撮影された写真を現像してみたところ……

写し出されていたのは真っ暗な写真。自動補正で明るさを調整してくれるスマホと違い、室内で撮影する場合はフラッシュが必須のようです。フラッシュを使えばこの通りレトロな仕上がりに。

「カメラのキタムラ」ではフィルム現像かスマホ転送(もしくはCD)での受け取りが可能でした。また渋谷店など、店内に現像機があるお店の場合は、最短1時間でフィルムの現像・プリントをしてくれます。現像機が無い場合は日数がかかるそうなので、急ぎの方はお店に確認してみるといいでしょう。実際に利用している若い世代はフィルム現像+スマホ転送での利用が多いとのことでした。
性能も昔と変わっていないという「レンズ付きフィルム」で久しぶりに写真を撮ってみてはいかがでしょうか。