【ラジオな人】熊本のお昼に”福”を届ける RKKラジオ(熊本放送)の癒しボイス・塚原まきこさんに直撃!
災害時の情報は、ラジオからすぐに
――2016年の熊本地震のときは、どうされていましたか?
地震直後からRKKに来ていました。あのときはワイド番組を担当しているパーソナリティが、朝と午後と夕方から震災特番を担当して。私は午前中を担当して、生活情報を届けたり音楽をかけたりしていました。無我夢中だったからか、記憶が曖昧なところが多いのですが。ただ、そのときから熊本の状況をすごく気にしてくださって、「熊本地震がきっかけでRKKラジオを聴いています」という方もいらっしゃいますね。

――災害特番で気をつけた点は?
「何が起きているか」をとにかく分かりやすく伝えることです。そして、できるだけリスナーさんに寄り添って、元気になってもらえる曲をいっぱいかけました。あとは「今の状況をとにかく教えてください」と言い続けました。
それと、東日本大震災のとき「女川さいがいエフエム」(※9)を立ち上げた方々の中に、東京時代にお世話になった方がいたので、いろいろアドバイスを頂きました。こういうときに、みんながつながるってすごいなぁと思いました。
――実は坂本咲子さんや大橋俊夫さん、女川さいがいエフエムを立ち上げた方々には、私もお世話になっていて。みんなラジオが好きで、困ったときに助けてくれますよね。
そうなんです。共通の知り合いがたくさんいてビックリだなぁ。これなら枠を超えて、いろいろやれそうですね。
――そのときは私を伝書鳩として使ってください(笑)。また地震のときに話は戻るのですが、前震と本震は両方とも夜中に起きましたよね?
本震は土曜日の午前1時半頃、金曜日から日が替わってすぐでしたね。県北はそんなに被害がありませんでしたが、(上益城郡)益城町や(阿蘇郡)西原村などは被害が大きくて……東日本大震災の報道は観て、聴いていましたが、経験してみないと分からないことがたくさんありましたね。
電気はわりと復旧が早かったのですが、私の家も含め、水とガスがなかなか復旧しなくて。私自身、「今日もまだ水が出ない」という毎日の中で、ラジオからの情報を必要としている人たちがいて。大変なときでも、いつもの時間にいつもの声がする日常がラジオにあることは、すごく大事だと感じましたね。

――熊本地震を経験して、ご自身の中で変わった点はありますか?
ラジオをいつも傍においてほしいと、強く思うようになりました。「地震でも台風でも、新しい情報があったらすぐにラジオからお伝えします。だから、ラジオを傍に置いてください」って。リスナーさん以外にこの声を届けるのは難しいですが、言うか言わないかでは全然違うと思うんです。もっとラジオが、生活の中に入っていけばいいですよね。
――そのために、具体的に取り組んでいることはありますか?
SNSです。ラジオを聴いていない方でも「ツイッター見てます」とか、「インスタ見てます」とか「Facebook見てます」っていう方はいらっしゃって、その中で1人でも、「ラジオを聴いてみようかな」と思ってもらえればいいなと思います。昔は聴いていたけど最近は聴いていない、という方も多いですから。
ラジコを使えば、スマートフォンで聴けるのもありがたいですね。私はテレビもラジオも両方出演するのですが、ラジオが自分のライフスタイルの中にあるので、ラジオ好きな方がもっと増えたらいいな、と思います。
番組10周年でもいつも通り
――さて、「福ミミらじお」も4月で10周年を迎えますが、今後のご予定は?
いつも通りだと思います。いつも通りに皆さんのところに音楽が届いて、笑顔になってもらえれば、それが一番いいと思うので。「福ミミ」の「福」がハッピーなので、それがお耳に届いてくれたら、もうそれが一番ですね。特別な何かがなくてごめんなさい(笑)。
でも、音楽をもっと深く掘っていきたいですね。あとはミュージシャンの方々のつながりがあるので、生演奏など、アーティストの方とのコラボができたらうれしいですね。スタジオライブとか。
――ありがとうございました。これからも、素敵な声と音楽、楽しみにしております。
出演者プロフィール
塚原 まきこ(つかはら まきこ)
熊本県出身。学生時代から地元のテレビ・ラジオで活動していた。1997年に活動拠点を東京に移す。2002年4月に熊本へ帰郷。以後、ラジオ、テレビ、イベントの司会など、幅広いジャンルで活躍している。

番組概要
『塚原まきこの福ミミらじお』
2009年4月にスタートした音楽番組。月~金曜のお昼に放送中。地元のエンタメ情報やゲストとのトークを楽しみつつ、塚原まきこが選びに選び抜いた曲が楽しめる。
- 塚原まきこの福ミミらじお
- 放送局:RKKラジオ
- 放送日時:毎週月曜~金曜 12時30分~13時55分
- 出演者:塚原まきこ
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公式YouTube
※放送情報は変更となる場合があります。
【脚注】
(※9)東日本大震災を受け、2011年4月~2016年3月まで、宮城県牡鹿郡女川町にあった臨時災害放送局
この記事を書いた人

豊田 拓臣(とよだ・たくみ)
1979年埼玉県生まれ。放送文化研究家。
全国各地の放送局へ取材に行き、放送が世の中に与える影響を考察、検証している。専門はラジオ。著書に『ラジオのすごい人たち~今こそ聴きたい34人のパーソナリティ』(2012年、アスペクト)がある。
一般社団法人 日本放送作家協会 理事
特定非営利活動法人 放送批評懇談会 正会員
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