SHISHAMO、10周年を経て実感した「なによりも力になっている」存在とは?

昨年でCDデビュー10周年を迎えたバンド・SHISHAMOの「ライブ」に注目する、J-WAVEの特別番組『J-WAVE SPECIAL LIVE SHISHAMO』が2月23 日(金・祝)にオンエア。

この番組は、2月16日に東京・ボートレースの発信拠点SIX WAKE ROPPONGIで公開収録された。SHISHAMOが「ライブ」をキーワードにしたトークを繰り広げ、アコースティックライブを披露した。その模様をテキストでお届けする。進行役はサッシャが務めた。

オンエアは3月1日(金)28時ごろまで、radikoで再生可能だ。

「だれもが躍動する」ボートレースの魅力を楽曲でも表現

公開収録には、宮崎朝子(Gt, Vo)、松岡彩(Ba)、吉川美冴貴(Dr)が揃って登場。トークの前には、この日のためにリハーサルを行ったというアコースティックライブを披露した。「自分を信じて突き進め」というメッセージを込めた疾走感あふれる新曲『最高速度』のアコースティックアレンジも初披露された。

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『最高速度』は、ボートレースのテレビCM「だれもが躍動する、スポーツ」のテーマソングとなっている。トークコーナーが始まると、サッシャは「『最高速度』はどんな過程を経て、完成しましたか?」と作詞作曲を行った宮崎に質問を投げかけた。

宮崎:CMのお話をいただいて、打ち合わせをする中で楽曲の構想が生まれました。それまでボートレースを見たことがなかったんですけど、競技の性質上、男女の性別、そして年齢さえもあまり関係ないことを知って衝撃を受けて。そこから、自らをカテゴライズせずに努力していくようなことを、楽曲に落とし込みたいと考えました。

スリーピースで活動している中で、私たち自身では“ガールズバンド”と言わないようにしています。そういう括りを作ることで、縛られることはよくないと思っていて。そんなことも踏まえ、これからも自由にやっていきたいという思いも歌詞に込めました。自分がだれなのかは自分で決める、どこにだって羽ばたいていけるということをコンセプトにしています。

吉川:私もボートレースを映像で見させていただいて、迫力を感じ、躍動という言葉がピッタリだと思いました。みんなで「早く見に行きたいね」って話をずっとしています。

松岡:私も生で見たことがないんですけど、この楽曲を作ったことをきっかけに「見に行きたい」と話をしていますし、SHISHAMOのお客さんにもボートレースに興味を持ってもらって、一緒に楽しんでいければと思います。

ボートレースの躍動感を見事に表現した『最高速度』。制作する上で気をつけたこと・苦労したことは?

宮崎:サウンド面は悩みながら作りました。3人のバンドサウンドを鳴らしたいという気持ちがありながら、CMで流れたときに、SHISHAMOらしいキラッとした部分を表現できたらと思っていました。イントロとサビのサウンドが極端になっていたり、そんな部分がこの曲のおもしろいところだと思います。

でも、苦労というよりは楽しんで作れました。楽しんだ分、ライブで演奏するのが結構しんどいというか(笑)、演奏するのが難しいんです。3人それぞれ難しいことをしているので、その分、魅せるという部分は強いんですけど、たくさん練習して、ライブの定番曲にしていきたいです。

お客さんの顔を見て、10周年が実感できた

SHISHAMOは4月10日、およそ3年ぶりのフルアルバム「SHISHAMO 8」をリリースする。同作を提げて、6月からはワンマンツアー「SHISHAMO ワンマンツアー2024初夏」の開催も決定している。

宮崎:うれしいです。アルバムをずっと作ってはいたんですけど、本当に完成するのか自信がなくて(笑)、ライブのたびにボソボソとファンの方に「アルバムができるかも」と話はしていました。今回、こうやって滑舌良くはっきりとアナウンスができて、よかったです。

松岡:今の時点でいいアルバムになったと確信しているので、早く皆さんにお届けしたいという気持ちですね。

吉川:発売がめちゃめちゃ楽しみです。3年ぶりのアルバムになるんですけど、今までこんなに間隔が空いたことがないので、本当に早く聴いてほしいですし、それを持ってワンマンツアーを回れることがとにかくうれしいです。

昨年はCDデビュー10周年イヤーの締めくくりとなるアリーナ公演を行った。11月に開催された神奈川・ぴあアリーナMM公演を収録したBlu-ray「SHISHAMO 10th Anniversary Final Live 『FINALE!!! -10YEARS THANK YOU-』」は、4月10日にニューアルバムと同時リリースされる。

宮崎:自分たちは10周年と聞いてもあまりピンとこなかったというか、それくらいここまで駆け抜けてきました。でもあのツアーで、お客さんの顔を見て、「おめでとう!」という声をいただくたびに「ここまでやってきたんだな」と思えました。すごく充実した10周年イヤーでした。

全国47都道府県でライブを行っているSHISHAMO。結成当初から精力的にライブ活動を行っているが、“ライブバンドになる”という自覚を持って結成したのだろうか。

宮崎:自分たちでは、特にそんな風には思っていなかったんです。けれど、知らぬ間に「ライブいっぱいやってんな〜」という感覚にはなっていました(笑)。

松岡:ライブをやると、1回ですごく成長するという感覚がありました。私は2014年からメンバーになりましたが、ライブを何回もやったからこそ、今があると思っています。

思わず涙したライブは?

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それぞれ印象に残っているライブを訊くと、松岡は「2014年10月4日 松岡加入後初ライブ in千葉LOOK」とフリップに記した。

松岡:加入後のあのライブは、忘れられません。みんなの前で初めて演奏した日で、本当にテンパリ過ぎて、開演前は緊張で号泣しちゃったんです。“泣き押し”で少し遅れてライブが始まり、しかも終わったあとも泣いたんです(笑)。

会場に集まってくれたSHISHAMOファンに受け入れてもらえるか、すごく心配でした。けれど、みんながあたたかく迎えてくれて、安心できた日でもありましたし、頑張っていけると確信ができました。うれしかったです。

宮崎は「2023年1月4日 三度目の日本武道館!!!」と発表した。

宮崎:10周年イヤーに突入してすぐの3度目の武道館公演だったんですけど、1度目とも2度目ともまったく違う感覚で当日を迎えました。そして、3人ともが同じ気持ちだったんです。楽屋でも変に緊張するわけじゃなく、「なんか、今日楽しみじゃない?」なんて話をしていました。

「楽しみ」と手放しで思える日だったのは、10周年をみんなが祝いにきてくれるという実感があったからかもしれません。ステージに立っているときも、その気持ちをずっと感じていたので、大きな愛を受け取った時間でした。あの公演は忘れられないです。

最後に吉川は「2016年1月4日 初めての日本武道館!!!」と発表した。

吉川:これは1週間前から、死ぬほど緊張していました。当日も気持ちが張り詰めていて、緊張し過ぎて、楽屋にいられなかったんです。パイプ椅子がめっちゃ積んでいるところにしゃがんで「もうダメだ〜」となっていました。

緊張し過ぎて、友だちに電話して「どうしよう……もう武道館のライブが始まってしまう……どうしたらいい?」と相談していました。とにかくガチガチのままステージに上がったんですけど、1曲目の『僕に彼女ができたんだ』を演奏したときに、今までの人生で浴びたことのない、大きさの歓声が客席から降ってきたんです。感動して鳥肌が立つことが初めてで、その感覚は今でも鮮明に覚えています。電話した友だちもしっかり観に来てくれていました(笑)。

ライブSEへの思い

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SHISHAMOのライブの幕開けを告げるSEといえばSAKEROCK『URAWA-City』。この曲への思い入れは?

宮崎:これがSEになったきっかけは、私がSAKEROCKが大好きだからです。インスト楽曲なので、登場シーンに使いやすいとも思ったし、大好きな曲なので、SEにさせてもらっています。今では、これを聴くと、ドキッとするというか、“ライブが始まる”と心が切り替わる、そんな曲になっています。

吉川:私はこの曲を聴くと、緊張しちゃいますね。松岡が加入した直後のツアーで1回、SEを変更したことがあったんですけど、それ以外はこの曲です。これを聴くと、いろんなライブが走馬灯のように巡ってきます。

松岡:私もやっぱり緊張しちゃいますけど、一方で「いくぞ!」っていうときに流れる曲でもあるので、心を奮い立たせてくれます。

宮崎:あるときからSEが流れると、お客さんが手拍子をしてくれるようになりました。それがすごく心強くて、手拍子の音が大きければ大きいほど、「今日は楽しい日になる気がする」とステージ袖で、3人で思ったりしています。

SHISHAMOの原動力は?

公開収録では会場に集まったファンからの質問に答える場面も。その中で「初対面だとなかなか自分らしさが出せません。職場の上司・先輩など仕事で関わる人とうまく接するポイントは?」という質問が読み上げられた。

宮崎:相手にリスペクトを持つことが大事だと思っています。例えば、ライブ公演は、自分たち3人だけではできないこと。いろんなスタッフの方がいるおかげで、今日もライブができているんです。そういう気持ちを常に持って、相手に接することを大切にしています。それとシンプルなんですけど、挨拶をしっかりするというのは、昔から心がけていることです。

最後にサッシャは「改めて10周年を超えたSHISHAMOの原動力とは?」と質問した。

宮崎:お客さんあってのSHISHAMOです。日本全国をまわるのが私たちは大好きなんですけど、その土地、その場所でSHISHAMOを好きな方がいないとそれは叶いません。みんながいろんなところで待ってくれているということが、なによりも力になっていると、10周年を終えて、改めて感じます。

会場の中には、以前のライブで松岡が投げたピックを偶然キャッチして、「お守り的な存在で今でも大切に持ち歩いている」と涙を流す女性客もいた。高倍率のなか当選したファンにとって、およそ1時間半の公開収録は忘れられない時間になったはずだ。

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(文=中山洋平)
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中川大輔・八木莉可子・乃木坂46 清宮レイらが“オニ語”を絶叫し躍動! 『鴨川ホルモー、ワンスモア』公開ゲネプロレポート

ニッポン放送と劇団「ヨーロッパ企画」上田誠のタッグでお贈りするエンタメ舞台シリーズ第4弾『鴨川ホルモー、ワンスモア』が4月12日(金)東京・サンシャイン劇場にて開幕。

公演前に初日前会見と公開ゲネプロ(通し稽古)が行われた。

本作は、第 170 回直木賞を受賞した万城目学のデビュー作にしてベストセラーとなった小説「鴨川ホルモー」とその外伝的続編 「ホルモー六景」を、“ワンスモア”とタイトルを新たに、京都を代表する劇団「ヨーロッパ企画」上田誠が総勢 18 名の豪華キャストで舞台化する、青春群像喜劇だ。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

舞台の幕が開くとステージ中央には、京都・鴨川の土手(可動式)が。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

二浪の末京都大学へ入学した安倍(中川大輔)が、菅原(岩崎う大)ら怪しい先輩たちから誘われた新歓コンパで早良(八木莉可子)への一目惚れをきっかけに、謎のサークル「京大青竜会」へ入部するところから物語は始まる。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

京大青竜会は、千年も昔から脈々と「ホルモー」のサークル。ホルモーとは、“オニ語”を叫び、鬼や式神を使役して戦う謎の競技。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

当初はホルモーに懐疑的だった安倍たちも、いつの間にか好奇心に負け、訓練に夢中で取り組む、そして京大青竜会のライバルである京都産業大学玄武組、龍谷大学フェニックス、立命館大学白虎隊との激しいバトルが展開されていくというストーリーだ。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

ゲネプロ前に行なわれた初日前記者会見にて、高村役の鳥越裕貴が「オニ語だけで会話できる」、楠木役の乃木坂46 清宮レイが「オニ語も身体に染み付いている」と語ったように、ステージの上下左右でキャストがオニ語を叫び、躍動し、縦横無尽に動き回るパワフルなバトルシーンは見応え抜群だ。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

さらに、安倍と早良との恋愛模様や、恋敵となる芦屋(佐藤寛太)の存在感、楠木をはじめ、男性ブランコが演じる三好兄弟や松永らサークルのメンバーたちとの関係性、そしてそれぞれに紐づくストーリーが、誰もが一度が味わったことがあるようないい意味での青臭さとともに表現されている。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

キャストのそれぞれが輝き、そして笑える瞬間が随所にある、まさに青春群像喜劇だった。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

初日前記者会見にて中川は「自分の黒歴史を乗り越えていくことが本作の主題のひとつになっている」と語った。「ホルモー」という奇想天外なトピックについ意識が向きがちだが、ストーリーの端々から醸し出されるのは、青さ、甘さ、酸っぱさ、どこか恥ずかしくなるようなほろ苦さ。まさにそれは誰しもが経験したあの青春の日々だ。

『鴨川ホルモー、ワンスモア』

観終わった頃には、きっとホルモーから離れるのが寂しくなってきているはずだ。

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