宮沢和史が語る、沖縄民謡と「遊郭」の関係。賛否はあるけれど…

J-WAVEで放送中の番組『MESSAGE FROM UTAKATA』(ナビゲーター:宮沢和史)。宮沢和史が、沖縄の魅力や自ら収集した貴重な沖縄の島唄を、毎週紹介する番組です。1月30日(水)のオンエアでは、かつて沖縄に存在した遊郭にまつわる民謡について紹介しました。


■沖縄民謡を発展させた遊郭の存在

沖縄本島の民謡は、街の芝居、歌謡ショーなど、さまざまなカタチで村々に広まっていきました。戦後はアメリカ軍の有線放送が、北部の地域に民謡を広める役割を果たしたことも。また、那覇の3つの遊郭で沖縄民謡をお座敷芸として、女性たちが演奏していました。琉歌をたしなむことは、知識と教養のあることとされ、芸を競いあう中で洗練され、ユーモアや色気や色恋ものの替え歌などが沖縄民謡を発展させました。

宮沢:遊郭に関しては「女性蔑視ではないか」などの意見もありますが、それは時代によって変わるわけで、沖縄の遊郭は琉球の頃からあったわけです。那覇大空襲で燃えつきてしまい、そこで歴史が終わるわけですが、長い歴史がありました。そこで芸が磨かれたということです。

番組では、そんな遊郭について歌った沖縄民謡を紹介。大城貴幸さんの『花笠節〜安里屋節』です。「彼はまだ若いんですけど、沖縄県立芸術大学卒業で非常に腕もいいし歌もうまいし知識もある。中国の楽器や西洋の楽器を演奏する方とコラボレーションができるところがすばらしい」と大絶賛。

宮沢:これは遊女と士族の、結ばれてはいけない恋の物語です。「あなたと私は忍びあわなければいけない仲。花笠をつくり顔を隠して会いに来ているけれど、梅の香りがする。それで私は落ち着いていられない。手紙が来ても枕を並べて語り合わなければ私の気持ちは落ち着かない」といった恋の歌です。


■遊郭の男女の恋、女性同士の腕の競い合いから名曲が生まれた

遊郭と沖縄民謡の関係と、それについての論争に対して、宮沢は改めて語りました。

宮沢:時代によって遊郭に賛否はありますが、遊郭の中の男女の恋や、女性同士の腕の競い合いとかから沖縄の芸能が洗練されていき、後世に残る名曲をたくさん生んだという事実は、認識しなければいけないと思います。沖縄の「辻」という地名が今でもありますが、そこでは「辻じゅり馬祭り」というのがあるんです。ジュリとは遊女のことですが、ジュリたちが胸に木でできた馬をつけて鈴を持って踊るんですけど。それが一時期「公娼制度を認めることになるからやめたほうがいいんじゃないか」と、やらなくなったんです。でも復活して、もちろん踊られている方は舞踊をやっている方で遊女ではないです。もう遊郭はないですが、形を残そうと。「そういうことがあった」ということさえも蓋をする、というのは僕はいけないと思うんです。そこは割り切って、“伝統”を残していくということは僕は正しいことだなと思います。

さらに番組では、國吉眞博さんの『吉屋物語』をお届けしました。この曲は、農村の貧しい家が子どもを身売りするという昔の悲しい出来事や、実際に身売りした吉屋チルーという女性の一生を歌った曲です。

宮沢:男性は糸満に売られて、女性は遊郭に身売りして遊女になっていく。沖縄の遊女は不特定多数の人と出会うのではなく、少数の人と契約するんです。1年間、置屋の女将に面倒をみてもらう。そして、農村にいる親が、自分を身売りしたときに受け取ったお金を、自ら返済していく。中には、ひとりの男性にしか仕えないということもありました。そこが僕らが知っている遊郭とは違う制度だなと思います。

現代に受け継がれる沖縄民謡の名曲と宮沢の解説を通して、歴史について改めて考えさせられるオンエアとなりました。

次回2月6日(水)の『MESSAGE FROM UTAKATA』は、宮沢が収集した沖縄、宮古、八重山の民謡のなかから「三線早弾き名人」を特集します。お楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『MESSAGE FROM UTAKATA』
放送日時:水曜 26時−26時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/utakata/

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