青葉市子が飼っていた、「飲まず食わずで死んでいく蛾」とは

J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。3月10日(日)のオンエアでは、アーティストの青葉市子さんがゲストとして登場。幼少期の話やアルバム制作について伺いました。


■思いっきり空振りする子ども時代

吉岡が青葉さんを知ったきっかけは、昨年ある撮影現場で青葉さんの曲が流れていたこと。緊張でキリキリした吉岡の心をリラックスさせてくれたそうです。

吉岡と同じ京都出身の青葉さん。子どもの頃はどんな子だったのでしょうか。

青葉:慎重な子どもだったので、数センチの座布団から降りるときも後ろ足から地面を確認するように降りるみたいな。家族は笑って見ているという(笑)。集まるたびに今も言われます。
吉岡:かわいい(笑)。
青葉:あと、思いっきり間違える子でした。休みの度に東京に行ってて、帰りは新幹線のホームまでいとこの家族が見送りに来てくれて。なるべく長くバイバイをしたくて、新幹線が進むのと逆の方向に歩いてバイバイしないといけないのに、進行方向に進んんじゃって一瞬で姿が消えるという(笑)。
吉岡:全力で空振りをする感じですね(笑)。


■歌手になるきっかけ

そんな青葉さんが音楽を作るようになったきっかけとは?

青葉:アルバム『qp』で2曲カバーをしている山田庵巳さんの歌があり、その方が私の師匠で、山田さんに会ったことがきっかけです。15歳のときに出会っていて、弾き語りされていることに気がついたのが17歳くらいのときでした。15歳で出会ったときは、山田さんはバンドをしていたんですが、内緒でしていた弾き語りの方に興味を持って、山田さんの音楽をコピーするようになりました。山田さんの曲はある程度断片的に弾けるようになり、聴いてもらううちに、「自分の曲も書いたらどう?」とアドバイスを受けて始めました。

この日はアルバム『qp』から『テリフリアメ』を生披露。

吉岡:生で聴くと違いますね。瑞々しいというか、詩人だと思います。言葉が直接的じゃないので、聴く人によって違う曲に変わる歌ばかりです。最近の言葉でいうと「エモい」感じです。
青葉:エモい……久しぶりに聞きました(笑)。


■美しい蛾、オオミズアオ

青葉さんはアルバム『qp』を制作しているときに、蛾を育てていたのだとか。一体、どんな蛾を飼っていたのでしょう。

青葉:オオミズアオという薄い翡翠色をした蛾を飼っていて、儚い命なんです。幼虫のときはたくさん葉っぱを食べるんですけど、成虫になったら口が退化して無くなるので、飲まず食わずでその姿になって、交配して終わるんです。すごく美しくて、その生き物からインスピレーションを受けてアルバムを作りました。
吉岡:それでアルバムのパッケージも薄い翡翠色なんですね。(オオミズアオの写真を見ながら)羽が透けて景色が見えます。綺麗です。
青葉:新潟に住んでいる蛾の博士に会いに行き、説明してもらいました。オオミズアオは月に影響される蛾で、満月や新月に現れやすいと博士が言っていました。
吉岡:不思議です。
青葉:不思議で美しい。苦手な人もいるかもしれないけど、こんな美しい蛾がいることも知ってもらえたら嬉しいです。


■12歳の女の子が描いた掛け軸

青葉さんのお部屋について伺ったところ、「大家さんが変な人」と答えます。

青葉:楽器不可なんですよ、おそらく。内見のときに楽器を持っていて、「すいません。楽器弾いています」と初めに伝えたら「じゃあ、何か弾いてみて」と言われたので、何もない部屋で新曲を披露したら「いいじゃん。住みなよ」と言ってくれました(笑)。

青葉さんが持ってきてくれた部屋の写真には、大きな絨毯、日本っぽいテイストの棚に鏡台に掛け軸などが見られます。

吉岡:龍の掛け軸……? もしかして龍お好きですか?
青葉:好きです。
吉岡:『qp』で、龍の歌詞が出てきますもんね。
青葉:『海辺の葬列』ですね。
吉岡:ちなみに、龍の絵はどなたが描いたのですか?
青葉:大事なお友達のくるみさんという、12歳の作品です。
吉岡:12歳!? どう出会ったんですか?
青葉: 演出家の飴屋法水さんのお子さんです。くるみちゃんが4歳のときから知ってるのかな……。ある日、七尾旅人さんのライブを観に行って、終電に乗ろうとみんなで歩いていたら、旅人さんが「まだ帰りたくない」と言い出して。そのとき原田郁子さんもいて、落ち着ける場所にいくことになったんです。近くに飴屋さんの家があり、5人くらいでお邪魔しました。そこで初めてくるみちゃんに会いました。まだ4歳で『ゲゲゲの鬼太郎』を観て「ゲゲゲのゲ」って言っていたんですけど、今は12歳になって掛け軸を描いてくれました。
吉岡:すごい! くるみさん素敵です。

青葉さんは、4月27日(土)は京都・スチールの森の『ボタとサーカス 2019』に、5月19日(土)には福岡・海の中道海浜公園の野外劇場で開催される『CIRCLE '19』に出演されます。詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。

【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時: 毎週日曜 18時−18時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/

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サンタの衣装はなぜ赤色? 靴下にプレゼントを入れるのはなぜ?「クリスマス」にまつわる疑問に迫る

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。12月3日(日)の放送は、クリスマスカード・切手収集家の木村正裕(きむら・まさひろ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、木村正裕さん、宇賀なつみ



◆もうすぐクリスマス…日本と海外では祝い方が全然違う?

小さい頃からクリスマス好きだった木村さんは、6歳頃からクリスマスに関して自ら勉強するように。なぜなら、昭和40年代当時というと「日本でクリスマスをお祝いする文化が家庭のなかに入ってくるタイミングだったんです」と木村さん。

「実家では小さなクリスマスツリーを出してパーティーをやっていて、私が進行表を書いて、自分で司会をやって、それでクリスマスパーティーみたいなものを企画したのが最初の記憶ですね」と振り返ります。

クリスマスカードにはさまざまな絵柄があり、そこにはクリスマスアイテムが描かれているものもあるなか、「日本で作られているクリスマスカードと、ヨーロッパやアメリカで作られているクリスマスカードは根本的に絵柄が違うんですね。私が持っているクリスマスカードで面白いものは豚がたくさん描いてあるもの。クリスマスカードで豚が出てくる頻度って実はすごく多いんですよ」と木村さんからは意外な言葉が。

これに小山が「なぜなんですか?」と興味を示すと、木村さんは「クリスマスのときに豚を食べる習慣がある国が多いんです」と回答。さらに、「もともとは、冬の間に食料が少なくなってきて、秋に豚をハムなどの保存食にして取っておいて、クリスマスの時期に大切な食料をバーンと出してみんなで無礼講で食べる、という背景があります」と説明します。

そうした背景がある国のクリスマスカードには「豚がたくさん出てきたり、かわいい女の子が豚を抱えてにっこり笑っていたりします。“その後、この豚はどうなるんだろう?”って考えてしまうようなものとかもあります(笑)」と木村さん。


木村さん所有のクリスマスカード「贈り物を持つクリスト・キントとブタ」(スウェーデン 1907年使用)



そのほかにも、「馬の足に履かせる馬蹄(ばてい)ですね。幸運の印なので(カードに)描かれていたり、そういったクリスマスのアイテムが描かれることは結構ありますね」とクリスマスカードにまつわる話が次々と飛び出します。

続いては、サンタクロースの話題に。小山が「サンタの衣装が赤いのは、コカ・コーラの広告だったっていうのはよく聞きますけど、あれは本当なんですか?」と質問すると、木村さんは「その要素も多少はあると思いますけれども……」としつつ「俗説ですね」と明言。

というのも、「その前にも赤い衣装のサンタクロースはいたので。そのなかでコカ・コーラが赤い衣装のサンタクロースに目をつけて、大々的に宣伝をしたのだと思います」と見解を示します。

木村さんいわく、赤色だけでなく、他の色を着たサンタも昔にはいたそうで「私が持っているクリスマスカードだと、緑色の格好をしたサンタクロースとか、灰色の膜みたいなものをかぶっているサンタクロースとか、いろいろなサンタクロースがいますね」と話します。

さらに小山が「(サンタが)煙突から入って靴下にプレゼントを入れるというのは、誰が?」と尋ねると、「もともとの物語の1つとしてあるのは、セイント・ニコラスという昔の聖人がいまして、いろいろな奇跡を起こす人と言われているんですけど。貧しい家庭に適齢期の娘さんたちがいて、その人たちの婚姻のためのお金が足りないというので、夜にそこの家を訪ねて、開けっぱなしの窓からポンと金貨を投げたら、吊るしてあった靴下の中に入ったという話が聖書外典という本に残っていまして、そこから話が来ているんですね。そして、北欧のほうでは小さな妖精の伝説もありまして。小さい妖精が煙突から入ってくるというのもサンタクロースのルーツの1つです」と真摯に答える木村さん。

一方、宇賀からは「よくアメリカやヨーロッパのドラマで、クリスマスカードを贈り合うシーンが出てきたりするじゃないですか。向こうのクリスマスカードって、日本でいう年賀状みたいな感じなんですか?」との質問が。

木村さんは「実はクリスマスというのが正式に終わるのは1月6日の公現祭と呼ばれる日なんですね。クリスマス当日から1月6日までがクリスマスの期間なので、年末年始も含まれるんですね。日本の場合はお正月にたくさんお祝いをしますが、どちらかというとヨーロッパのほうはクリスマスのお祝いをしてそれが1月6日まで続く……ということになるので、クリスマスカードで『Merry Christmas & A Happy New Year』と書いてあるものもあります」と話します。

さらには、「日本だとクリスマスが終わるとデパートの方たちが(装飾の撤去を)徹夜でやりますけど(笑)。クリスマスツリーを片付ける日が決まっている国もありますが、だいたいが1月6日くらいに片付ける感じですね」と海外との違いについて言及します。

それを聞き、「だから向こうは年が明けてもクリスマスツリーをしまわないんですね」と納得しきりの宇賀でした。


木村さん所有のクリスマスカード「子供たちにギフトを手渡しするサンタクロース」(英国 1913年使用))



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12月3日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2023年12月11日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/

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