『スウィングガールズ』の矢口史靖監督、最新作はコメディ・ミュージカル! 主人公は催眠術で…

J-WAVEで放送中の番組『RINREI CLASSY LIVING』(ナビゲーター:村治佳織)。8月17日(土)のオンエアでは、映画『ウォーターボーイズ』や『スウィングガールズ』などでお馴染みの映画監督・矢口史靖が登場。8月16日に公開された映画『ダンスウィズミー』について訊いた。


■最新作はコメディ・ミュージカル映画

奇想天外なアイデアと音楽で元気の出る映画を作り続けている矢口の最新作『ダンスウィズミー』は、なんとコメディ・ミュージカル。

ミュージカル映画の制作は初めてだそうだが、『スウィングガールズ』にはワンシーンだけミュージカルを入れ込む予定だったと言う。台本にも載せていたのだが、撮影直前になってプロデューサーに止められてしまったのだとか。

矢口:『スウィングガールズ』では楽器も芝居も未経験で、半分素人みたいな子たちを17人集めて練習をさせていたんです。そんな中、「さらにミュージカルをやろうとしたら両方がダメになってしまう」と止められ、泣く泣くミュージカルのシーンを諦めました。でも「いつかやってやるぞ」と思っていました。

ただ、なかなかミュージカル映画のアイデアが浮かばなかったという。

矢口:これまでのミュージカル映画って、もしかすると歌とダンスのシーンがなくても成立するのでは、という作品がほとんどでした。歌のシーンを外してしまっても、ストーリーは繋がっていく。つまり、「ある物語をミュージカル仕立てで描きました」っていう作品がほとんどだったけど、どうせ自分で作るのであれば、「ミュージカルじゃないと成立しないストーリーをやってみたい」とずっと思っていました。ただ、そのスイッチとなる部分がなかなか浮かばなくて、今回の映画ができあがるまでに時間がかかりました。


■これまでのミュージカル映画に違和感を覚えていた

矢口はミュージカル映画を好んでいたが、「なんか変だよな」と小骨が喉に引っかかるような違和感を持っていたという。

矢口:僕自身、さっきまでセリフを言って普通に過ごしていた人が急に歌と踊りを始め、歌が終わると普通に戻る。それを周りで見ていた人たちも、ときどき歌ったり踊ったりするけど、誰も「変だ」とは言わない。それっておかしくないですか? 実社会でそれをやったら不審者ですよ。
村治:すぐに止められちゃいますよね(笑)。
矢口:これまでのミュージカル映画はそういうことが暗黙の了解のようにずっと許されてきたけど、気がつくと変ですよね。

その違和感を乗り越えるアイデアが「催眠術」。『ダンスウィズミー』では、催眠術のせいで音楽が聞こえるたびに歌い踊り出すカラダになってしまったミュージカル嫌いの主人公・鈴木静香(三吉彩花)が登場する。

村治:映画の中で主人公の静香は、ミュージカルに対する不満を言ってましたね。
矢口:「ミュージカルなんてバカみたい」って主役が言ってましたね。
村治:それなのに、催眠術にかかっているから、街なかでも音楽が聞こえると体が動いてしまい、その瞬間はミュージカル嫌いではなく、音楽に没入して楽しくなってしまうんですよね。
矢口:催眠術にかかってますかからね(笑)。


■現実と地続きの映画を

これまで多くの映画を作り出してきた矢口は、どのような想いで映画を制作しているのだろうか。

矢口:僕はあまりファンタジー系ではなく、どちらかというとパニック系の映画を観ていました。サメが襲ってくるとか、ビルが火事になるとか、地震が起きるとか。現実と地続きで「もしかしたら自分に降りかかってくるんじゃないか」という映画がずっと好きだったので、映画館が夢の世界というより、現実と地続きのシミュレーターのような気分でした。なので、観客と全く切り離されたヒーローやヒロイン、とんでもない世界の話ではなくて、「もしかしたら、この主人公はあなたかもしれない」という映画の作り方をしています。
村治:登場人物の名前にしても、『ダンスウィズミー』だと主人公を「鈴木」にするなど、よくある名前が登場しますよね。衣装でも、私たちが真似できるような服だったり。
矢口:より現実味を出すために、観客に近い主人公にしています。

「この主人公は私かも!?」、そんな親近感を持てることが矢口の映画の魅力かもしれない。矢口が初めて挑戦したコメディ・ミュージカル映画『ダンスウィズミー』、ぜひ劇場でチェックしてみてほしい。
 

 


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【番組情報】
番組名:『RINREI CLASSY LIVING』
放送日時:土曜 20時−20時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/classyliving/

 

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