Sano ibuki、“ファンタジーから私小説へ”をテーマに…リアルな感情表現を追求した『BREATH』への思い

シンガーソングライターのSano ibukiが7月2日(金)、ニューアルバム『BREATH』の世界観や、収録曲『pinky swear』について語った。

Sanoが登場したのは、J-WAVEの放送中の新番組『PIA SONAR MUSIC FRIDAY』(ナビゲーター:桜井海音)のワンコーナー「SONAR TRAX」。この番組は月曜~木の22時~24時にオンエア中の『SONAR MUSIC』と連動したミュージックプログラム。俳優、モデル、インナージャーニーのドラムとして活躍する櫻井海音をナビゲートに、“今、聴くべき音楽”にフォーカスして、最新の楽曲や注目のライブイベントなど、番組独自の視点で最新の音楽情報をお届けしている。

ファンタジーから私小説へ。感情表現を追求

J-WAVEがおすすめする最新の楽曲「SONAR TRAX」は、J-WAVEの番組制作に関わる全てのスタッフがセレクトしたネクストヒットが期待される注目アーティストの楽曲。

「SONAR TRAX」のコーナーではJ-WAVE「SONAR TRAX」に選ばれた楽曲と共にそのアーティストを深掘り、アーティスト本人のインタビューをお届けする。

記念すべき第1回目のアーティストは、新曲『pinky swear』がJ-WAVE「SONAR TRAX」選出されたシンガーソングライターのSano ibukiにフォーカス。

Sano ibuki『pinky swear』Official Music Video

Sanoは2017年に本格的なライブ活動を開始。同年にタワーレコード新宿店限定でリリースされたシングル『魔法』が音楽ファンの間で大きな話題を集め、当時の「SONAR TRAX」にも選ばれた。その後、2018年に初の全国流通盤『EMBLEM』をリリース。2019年に発表したアルバム『STORY TELLER』でメジャーデビュー。

架空の物語の主人公像をつくりあげてから、そのキャラクターのストーリーを曲にする独特のスタイルとエモーショナルに歌い上げるボーカルで人気を集め、自身の誕生日でもある今年の7月7日(水)にニューアルバム『BREATH』をリリース。この作品に『pinky swear』が収録されている。

ニューアルバム『BREATH』は“ファンタジーから私小説へ”というテーマを掲げ、よりリアリティのある物語や感情表現を追求したという。

Sano:わりとファンタジー的なものをデビューアルバムの『STORY TELLER』や、ファーストE.P.の『SYMBOL』のときに描いたので、どこかでもうちょっとリアリティのあるものというか、現代的なものをテーマに曲を書いてみたいなって気持ちがありました。『STORY TELLER』とかをやりきって、物語をつくるってことをやり切ったので、自分というものをもう少し表現できるようなやり方がないかなと考えて、本当は自分をあふれ出すようなことはそんなに得意なほうではないんですけど、それを具現化できたら美しいものになるのかもしれないなってことで、いろいろと自分を表現しようと思い始めました。

架空の物語から自分の物語へ。Sanoにとって大きな転換点とも言えるアルバム『BREATH』。このタイトルにはどんな思いを込めたのだろうか。

Sano:もともとは全然違うタイトルを付けていて、そのタイトルも気に入っていたんです。一曲一曲をアルバムとして考えたものだったんですけど、今はどちらかというと一曲一曲を丁寧につくっていって、それがアルバムになるなんてことをあまり考えてないというか。ある種、この1、2年の自分を詰め込んだアルバムになったなと。あらためて見たときに、まさに今の自分を歌っているし、自分ってものを初めてちゃんと前に出していこうと思ったので、セルフタイトルみたいなかたちにしてもいいかなと思って『BREATH』って名前を付けました。

ミュージックビデオはラストシーンに注目

「SONAR TRAX」にも選ばれ、初めて自身でミュージックビデオの監督と編集を手掛けた新曲『pinky swear』について、Sanoはこう語る。

Sano:この曲はBメロからサビの心情みたいなものの切り替えがわかりやすくなった気がします。他の曲に比べてもあそこまで景色にちゃんと徹してAメロを書いてる瞬間って多くないので。そして、ミュージックビデオは初めてつくったんですけど、自分が監督をするミュージックビデオって最初に自分が思った景色をそのまま描いちゃうじゃないですか。でもそれだと曲の世界そのまま伝わってしまうから、どうにかこうにか答えがそのまま提示にならないように第三者的に曲を見るってことがすごく難しかったし、曲と一緒で美しい世界をどういうふうに描けばいいかなって考えながらミュージックビデオをつくって楽しかったですね。いろんな含みを持ったラストシーンになっているので、「このあと、どうなったのかな?」と想像しながら見てもらえたらすごく楽しめるんじゃないかなって思います。

Sanoのインタビューの全内容は7月9日(金)に、ぴあ公式アプリに掲載される。ぴあ公式アプリは音楽、映画、ステージ、アート、クラシックの作品情報や開催情報、ニュース、インタビュー、エッセイの連載などが掲載し、エンターテインメントとの偶然の出会いと発見ができるアプリだ。

Sano ibukiの最新情報は、公式サイトまたは、オフィシャルTwitterまで。
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のぞき・盗撮をどう防ぐ?災害発生時、避難所での性被害の実態と解決策

櫻井浩二インサイト ©RKBラジオ

梅雨末期に入り、今年も各地で豪雨災害が発生している。こうした大雨や地震によって、自宅にいることが困難な人たちのよりどころとなるのが「避難所」。だが、プライバシーが守られにくい状況から、のぞきや盗撮といった性犯罪が起こりやすい。被害の実態を調査している、静岡大学教授の池田恵子さんがRKBラジオの朝の情報番組『櫻井浩二インサイト』に出演し、具体的な対策について提言した。

櫻井浩二アナウンサー(以下、櫻井):避難所での性被害って、実際に結構あるんですか?

池田恵子教授(以下、池田):はい。私は「東日本大震災女性支援ネットワーク」という団体にかつて所属をしておりまして「災害復興時における女性と子供への暴力に関する調査」というのを行いました。そこからわかった性被害としては、

    ・ざこ寝状態の避難所で、わざわざ男性が女性の隣に寝に来る
    ・赤ちゃんに授乳しているのをずっと見られる
    ・更衣室が作られていない避難所での覗きや盗撮
    ・看護師が血圧を測っているときに胸を触られるなど、支援者に対するセクハラ
    ・避難所での強姦・強姦未遂

といった事例があります。また、避難所だけでなく、仮設住宅や在宅避難されていらっしゃる地区で、周りの方が避難してしまって、自分たちしか家にいない、というような場所でも、性暴力はかなりありました。

池田:同時に、調査をしてわかったことが「被害者の年齢の幅が非常に広い」ということです。未就学の子供から、60代まで幅広い方が被害に遭っているということがわかっています。子供も被害では、男の子も被害に遭ってるということがわかっています。

櫻井:避難所でこういうことが起こるっていうのは、性犯罪がしやすい環境だっていうことも言えるんでしょうか?

池田:いまは新型コロナなど感染症対策で、避難所の混雑をかなり緩和しなければならないという理解があるんですが、なかなかそうも言っていられないような大災害のときには、女性や子供の安全という視点が欠けたようなスペース活用を行ってしまっています。例えば「トイレを男女別にすることがない」とか「授乳室や男女別の更衣室を設置していない」とか。そういうことがしっかりと行われないと、やはり犯罪が起こりやすい環境ができてしまいます。

田中みずきアナウンサー:授乳だけじゃなく、普通に休んでるときだってそんなジロジロ見られたくないですよね、プライバシーがないような状況でも。

池田:こういったようなことがなぜその起こるのか、もう少し考えていくと、行政も、自主運営なさるような地域の代表の方も、男性が多いわけですね。女性が少ないので、女性専用の仮設トイレを置こうということがなかったり、授乳室も使い勝手の良いものがなかったりということが起きてしまいます。やはり、女性たちがどうやったら安心に暮らせるのかっていうことを発言しやすくする環境ってのは大事だと思います。

櫻井:避難所は男性の視点で作られているんですね。

池田:被災された方の支援を一生懸命にしてくださっている中で、どうしても余裕がなくて、その辺りまで意識が向かないっていうことがあるんでしょうね。

櫻井:いつ頃から「避難所での性被害」っていうのは確認されてるんですか?

池田:26年前の阪神淡路大震災でも、避難所での強姦事件があったということは報じられてはいます。しかし当時は、一部のメディアから「被害の証拠がない」「デマではないか」というふうに扱われてしまって、被害者を支援してきた人たちがバッシングを受けて、しばらく口を閉ざしてしまったということが起こってしまいました。「被災者が団結して頑張っているのに、こんな事件が被災地であったなんてことを、なんでわざわざ取り上げるのか」という風潮もあったというふうに聞いています。

池田:普段から性被害は訴えにくいものではありますが、それに加えて、災害時はみんなが余裕がないということもありますし「みんな大変だから」とか「命があっただけでもありがたく思いなさい」というふうに、被害を受けた人に忍耐を強いるような風潮まで加わってくるのが災害時ではないかなと思います。

櫻井:では、これからどのような対策をしていけばいいでしょう?

池田:まずは避難所の環境やレイアウトです。トイレは必ず男女別にするとか、避難所が開設されたらすぐに更衣室や、授乳室というものを設けていく。そういうことを女性の意見を聞いて行っていくということですね。それから避難所に限らず、巡回警備をしたり啓発のポスター貼ったりするなど、暴力は災害時でも許さないんだという活動も大事だろうと思います。

池田:また、普段から防災や災害対応を責任ある立場で女性も担っていくということも大事だと思います。行政でも災害ボランティアでも地域社会でも、避難所に限らず災害時のいろんな場面で代表者・責任者は男性ばかりということが多くて、意見を出し合ったり、いろいろ決める場に女性が少ないのが現状です。女性が責任ある立場で、災害への対応や被災者支援を担っていき、女性の声が反映されやすいという体制があると、このような問題も減っていくのではないかと思います。

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