地震発生時も避難を必要としない“地区内残留地区”に指定…東京都千代田区がおこなう「在宅避難」に向けた防災への取り組みを紹介

手島千尋アナウンサーがパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「防災 FRONT LINE」(毎週土曜 8:25~8:30)。今回の放送では、千代田区災害対策・危機管理課 課長の山下淳一(やました・じゅんいち)さんに、千代田区がおこなっている「地域防災の取り組み」について伺いました。


※写真はイメージです



東京都千代田区の特徴として、8割以上の世帯がアパートやマンションに住んでいます。また、昼間の人口が多いことから、地震などの災害が発生したときは、最大で約60万人の帰宅困難者が発生すると言われており、3日間は会社や大学などに留まることが求められています。

一方、地震発生時に延焼火災が少ない地域と想定されており、区内全域が避難を必要としない“地区内残留地区”に指定されています。つまり、千代田区在住の方たちに災害発生後の避難生活で求められることは“在宅避難”です。

山下さんは「自宅での避難に備えていただくために、自宅をきちんと耐震工事していただいたり、家具類の転倒防止対策をおこなってください。あとは水や食料、携帯トイレなどの備蓄物資をしっかり揃えましょう」と呼びかけます。

さらに、避難所の役割についても言及し、「“在宅避難する区民の方をどうやって支えるか”という考え方に立ち返り、避難所が生活の拠点ではなく“物資の供給、情報発信の拠点である”ということを中心に、地域全体の災害対策を支える場所として避難所を作り上げていきたいと考えております」と力を込めます。

また、4月からは千代田区民の心強い味方として、千代田区総合防災情報システムを活用した防災ポータルサイトと防災アプリの提供が始まります。「災害時に区役所に入る情報を集約・整理したものをWebサイトやスマホのアプリで一括管理できます。リアルタイムで発信していますので、災害時に必要な情報が即時に手に入るというのが特徴です」と山下さん。

続けて、「例えば、大雨のときの避難指示であったり“どこの避難所が空いているか”“物資がどこにあるか”といった情報もどんどん発信できます。災害時は情報がないことが一番の問題だと思いますので、さまざまな情報発信をおこなっていくことで、区民の皆さまの不安感を取り除いたり、実際にお困りになっていることの解消につながるかなと思います」と自信をのぞかせます。

災害情報は速報性が何よりも大事ですし、情報がまとまっているところも大きなポイントです。千代田区にお住いの方は、4月に提供開始予定の防災ポータルサイトと防災アプリをぜひチェックしてみてください。

<番組概要>
番組名:防災 FRONT LINE
放送日時:毎週土曜 8:25~8:30
パーソナリティ:手島千尋
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/bousai/
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日本が“デジタル先進国”になるための活路とは?三菱マテリアル株式会社CIOが言及「“IT+人”の組み合わせになると“世界ナンバーワン”」

笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00~20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。3月15日(土)の放送は、前回に引き続き、三菱マテリアル株式会社 CIO システム戦略部長の板野則弘(いたの・のりひろ)さんをゲストに迎え、お届けしました。


(左から)板野則弘さん、笹川友里



岡山県倉敷市生まれの板野さん。1989年に三菱化成(現:三菱ケミカル)株式会社に入社。1996年にアメリカ・シリコンバレー駐在を経験し、以降は情報システム部にて日本の化学業界におけるeビジネスの推進を担います。2021年に三菱マテリアル株式会社CIOに就任し、2024年より三菱マテリアルITソリューションズ代表取締役社長を兼任しています。

◆日本におけるDXで大事なことは?

今回は、笹川が「日本がデジタル先進国になっていくためにはどのように進めていくのがいいと思いますか?」と尋ねると、板野さんは「DXの目的って2つあると思います。1つは“効率化・自動化をもたらすデジタル化”。これが圧倒的に多いですし(デジタル化することで)業務は劇的に変化するので、ここは徹底的にやらないといけない」と話します。

一方、2つ目には“可視化”と挙げ、「ここが日本のお家芸になるのではないかと思うのですが、DXとITの違いは何かというと“いかに新しいものを創造するか”だと思っています。アナログ時代に“気付きの種”が我々の前にいっぱい転がっていましたが、徹底的にデジタル化を推進することで、それが一気に可視化されて、それを見た一人ひとりの想像力を発揮させるのがDXだと思うのです。この一人ひとりは誰かというと全従業員で、つまり、誰でもチャンスがあるのです。これができる人が何人いるかが会社の競争力に大きな影響を与えると思います」と持論を展開。

さらに、OECD(経済協力開発機構)によると、日本人の社会人能力の高さは世界でもトップクラスであることを引き合いにし、「ITだけだと(世界から)遅れているように見えますが、“IT+人”の組み合わせになると世界ナンバーワンになる。ここが日本の一つの活路だと思います」と声を大にします。

また、日本は先進国のなかで生産性が低いと言われていますが、職種別に見ると製造業はそれほど悪くないと言い、「製造業がなぜ頑張れているかというと、テクノロジーと人とがうまく組み合わさっているから。日本人はITやデジタルの使い方がうまいんですよ」と強調します。

◆日本が目指すべきところは?

続いて、今後の私たちのライフスタイルについて聞いてみると「まず大前提として、“すべてのテクノロジーは人々を幸せにするもの”というスタンスは絶対に崩してはいけない」と板野さん。

そのうえで、「これまで、新しいテクノロジーが実装されるたびに業務の効率化が飛躍的に上がっていきましたが、そのぶん1人あたりの仕事量が増えたので、従業員の感覚として“仕事が楽になった”と言う人はほとんどいないと思います。今後はテクノロジーの上手な活用で仕事を早く済ませて、自分の時間や家族の時間を創出することを目指す。“ワーク・ライフ・バランス”ではなく、“ワーク・イン・ライフ”で本物のウェルビーイングを実践できたら一番いいと思っています」と語ります。

そして最後に、板野さんがイメージする“近未来の風景”を尋ねてみると、「今、我々が試されていることが1つあると思うのです。それは、地球環境を守りながら“あのときからビジネスが始まったよね”と言われるかどうか。私はここに日本が果たすべきポイントがあると思っています」と言及。

そこで、日本では縄文時代にあたる約1万3,000年前を例に挙げ、「大陸では世界文明が生まれて農耕牧畜を始めていた一方で、縄文人たちは弥生時代までの間ずっと狩猟採集を延々と続けました。その結果、縄文人たちはすべての恵みは自然から来るもの、共存共栄するものと考えていた。つまり、リスペクトの対象が“自然”なのです。そして今、地球温暖化対策やSDGs、カーボンニュートラルが叫ばれていますが、これは日本人にしてみれば、言われてやるものではなく、むしろ我々が率先してやるべきことなのです。圧倒的な進化を遂げるデジタルの世界と約1万年前から刻まれた日本人の自然を敬い、共存共栄を目指す姿勢を図る姿勢との融合に私は期待しています」と話していました。

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3月15日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年3月23日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00~20:30
パーソナリティ:笹川友里

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