映画『カツベン!』で注目!英語、方言…様々な言語を操る活動弁士・麻生子八咫が登場

写真左からGuy Perryman、麻生子八咫、渡辺麻耶

Guy Perrymanが送る、InterFM897のEnglishプログラム『THE GUY PERRYMAN SHOW』。12月9日 ~ 15日の"映画『カツベン!』SPECIAL WEEK"にちなんで12月11日は、英語でも活弁を行う現役活弁士・麻生子八咫(あそう・こやた)さんをゲストに招き、活弁士の歴史や魅力、映画『カツベン!』の見どころなどを紐解きました。

10歳で活弁士としてデビュー、父のようになりたかった

渡辺麻耶(以下、渡辺):英語でも活弁という表現をされるそうなんですけれども、活弁士の方は、人はもちろんですけど犬であったりとか、いろんな音全てを表現するんですよね。

麻生子八咫(以下、麻生):そうなんです。そこが一番面白いところだと思います。弁士が基本的に台本を書いていくので、一本の同じフィルムでも弁士によって物語が変わっていくんです。

Guy:お父さん(麻生八咫)が有名な活弁士なわけだけど、子八咫さん自身はどうやって活弁士になったんですか?

麻生:父の活弁を2、3歳の頃からみていて、父のようになりたいと思って、10歳の時にはデビューしました。でも、恥ずかしがり屋ですごく静かな子だったので、大きな声を出すのもたいへんでした。

Guy:今も、昔のサイレント映画の作品を使って活弁をしているの?

麻生:昔の作品はもちろんですけれども、活弁のために生まれた作品もあるんです。私のために、って1億4千万かけて一本映画を撮ったっていう作品もあります。ぜひ古いもの新しいものいろいろ、楽しんでいただきたいと思います。

Guy:活弁をやっていて面白いなと感じることはなんですか?

麻生:やっぱりライブであること。観客を目の前にして、パフォーマンスをするので反応が直に返ってくる。アメリカで活弁をした時に、「すいすいすいすい」という表現が面白かったみたいで気に入ってくれて、みんなで「すいすいすいすい」って(笑)。

渡辺:日本ならではの表現は、海外のパフォーマンスで受けるんですね。

麻生:「ひょいひょい」とか「スタコラスタコラ」とか。

渡辺:ライブっていうとラジオも生放送なので、ミステイクを起こした時に、私たちはジョークにしたりお互いカバーできたりしますけど活弁士の方はどうしているんですか?

麻生:その場でジョークにするのが定番で。昔は弁士さんが即興で語るっていうのが美徳だと言われていた時代があったので、一度も映画を見ないで語るってことがあったんですね。そこに一人の大柄で強面(こわもて)の登場人物がいて、その方が「いかにも怖そうな、この男」ってナレーションをつけちゃう。でも後からそいつがすごくいい人だったことが判明して「と、見せかけてこいつ実はいい男なんですよ」っていうようなフォローをするってことがあったみたいです。

渡辺:へええ。面白い。スタジアムでも活動したことがあるってお話を聞いたんですけど、昔はマイクを使ってやってらっしゃらなかったということで。でも今はマイクを使っているんですね。

麻生:そうですね。小さい会場だったらマイクなしでやったりもしますが、2階席、3階席があるってなったときはやっぱりマイクが必要ですね。昔は高い声が良いってされてた時代があったりしたんですよ。高い声の方が通るので。マイクの発明によって様々な声色、声の表現ができるようになりました。

渡辺:幅が広がったんですね。でもすごく声がクリアですよね。

Guy:12月13日から、活動弁士をテーマにした映画『カツベン!』が公開されます。僕と麻耶さんは一足先に観させてもらったけど、すごく良かった!子八咫さんはこの作品をどう思いますか?

麻生:私が好きなシーンは、最初のシーンで子どもたちがどうしても活弁士のパフォーマンスを見たくて忍び込むシーンがあるんですけど、その後影響を受けて活弁の真似をするんですよね。まさに私がそういう状況だったので、すごく親近感を持ちました。

渡辺:私が今回活弁で面白いなと思ったのは、技術じゃなくて活弁士のハート、パッションが面白くするんだなっていうのが面白いし、ストーリーをオリジナルに変えて話すことで全然違う空気になるんだなって思いました。

麻生:その通りです。

渡辺:顔の表情がキャラクターによって変わるのが面白いですよね。日本語だけじゃなく英語と大分弁でも演じられるんですね。

麻生:各地に行けば各地の方言で活弁をやるというのを楽しみにしています。いろいろ勉強できるので。

Guy:すごいよね。台本は暗記しているの?

麻生:ほとんどは。でも活動弁士用に机があるんですが、そこに台本を置いて、見ながらやることもあります。

渡辺:ツイッターも盛り上がってますね。麻生さんの滑舌めちゃめちゃ良いですね!とかスピード感、エネルギーが溢れてますね!とか。

麻生:舞台上では活弁やりながら、走り回ってます(笑)。

THE GUY PERRYMAN SHOW
放送局:interfm
放送日時:毎週月曜~金曜 7時00分~12時00分
出演者:Guy Perryman、渡辺麻耶
番組ホームページ
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公式Instagram

ハッシュタグ:#gps897
メール:gps@interfm.jp

※該当回の聴取期間は終了しました。

全米各地で広がる“反トランプデモ” 脅かされる言論の自由から、Z世代は「抗議デモ離れ」の傾向に?

ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。

4月9日(水)のテーマは「アメリカZ世代が抗議デモに参加するのは危険すぎる? その深刻な理由とは」。全米で過熱する反トランプデモについて、ラボのメンバーが意見を交わしました。


※写真はイメージです



◆全米各地でおこなわれた“反トランプ”デモ

4月5日(現地時間)、トランプ政権に反対するデモが全米の1,500ヵ所で同時に開かれ、合計50万人を動員。発動したばかりの高い関税から、社会保障、教育まであらゆる問題への抗議を展開しました。

ニューヨークでおこなわれたデモを実際に取材したシェリーは、参加者について「高齢者の多さとは対照的に、若者の姿が極端に少なかった」とコメントします。気候変動問題デモやブラック・ライブズ・マター運動の中心がZ世代で構成されていたことを考えると、ギャップがあると言います。

ではなぜ、若者がデモを敬遠するようになったのでしょうか。実はそれには切実な理由があります。

メアリー:デモを見て私は間違っていなかったって思ったよ。関税の問題にしても社会保障にしても、トランプになったら絶対よくないことが起きると散々警告してきたのに、人々は耳を貸さず彼に投票したからね。

今起こっていることは正気の沙汰ではないよ。だから、人々が抗議するのはいいことだと思うけれど、ちょっと遅すぎるような気もする。

シェリー:遅すぎる?

メアリー:だって今さらどうするわけ? また彼を弾劾するの? 前回も弾劾したけど、結局彼はまた戻ってきたよね。つまり何の意味もなかったってことじゃない。

ケンジュ:最近やたらと抗議行動が多くない? 抗議が当たり前になりすぎているような気がするけど。

ミクア:しょっちゅう抗議運動しているよね。だから、コロナ禍の頃にブラック・ライブズ・マター運動を初めて見たときほど、もう感動しないんだ。それに、今起きていることは予想通りじゃない。だって彼がいい大統領になるなんて全く思っていなかったからね。

だから、抗議運動は多いけど私は参加したいと思わない。少なくともX(旧Twitter)で見る限り、多くの人がそう感じているように見える。「抗議運動には意味がないから行くな」って。

あと、トランプに投票したことを今さら後悔している人もいるわけでしょう?「自分は彼に反対して、彼ではない人に投票したのだから自分の役割はもう果たしている。それなのになぜ抗議しなければならないわけ?」みたいな意見も見かけるよ。せこい意見だと思うけれどね。

自分と同じ意見を持つ人がこれほど多いことがわかって安堵した反面、「今さら遅すぎるのでは」という意見も飛び出しました。これまで抗議運動を繰り返して、ようやくトランプ落選につなげたのに……という思いや、彼を当選させた人に対するいら立ち、「今さら手遅れだ」という無力感が、Z世代のデモ離れの理由の1つになっているのは間違いありません。

しかし、抗議運動自体は無駄ではない、むしろ必要だと言う意見もありました。

ノエ:トランプはクレイジーだ。彼を選ぶべきじゃなかった。間違っていると言い続けているうちに、もう何もする気がなくなってしまったような気がする。そして、トランプに投票した人たちに、自分が間違っていたと感じてほしいという気持ちもわかる。

でも、そんな単純なものではないんだ。というのも、私たちはみんな1つの大きなボートに乗っているわけだからね。今、そのボートが真っ二つになろうとしている。僕は溺れたくないし、子どもたちを溺れさせたくはない。でも今いったい何ができる? おそらく唯一できることは、抗議して「トランプはクレイジーだ」と言い続けることだと思う。何もしないでいるのが一番よくないよ。放っておいたら、アメリカはナチス・ドイツのようになってしまうからね。

メアリー:抗議行動は重要だと思う。例えば、ウィスコンシン州の最高裁判事選挙の件について知ってる? トランプ支持者が多いウィスコンシン州では、共和党候補が勝てるようにイーロン・マスクが多額の資金を寄付したんだ。

でもイーロン・マスクが嫌いだし、トランプ支持の共和党候補を当選させたくなかったから投票に行って、結果として民主党候補が勝ったんだ。だから、すべてが無駄というわけではないと言うべきじゃないかな。

今できることは抗議運動くらいしかないが、それすらやらなくなったら余計によくない結果を生むことになる。そして抗議運動によって、実際に投票結果が変わった現実があるのだから、地道な抗議運動にも意味があるという意見もありました。


(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab



◆“デモに参加したくてもできない” 脅かされる言論の自由

一方で、若い世代は諦めの気持ちからデモを放棄しているわけではありません。トランプ政権が推し進める移民の強制送還により、今デモに参加するのは危険だという認識が広がっており、“デモに参加したくてもできない”人々も生まれています。

シャンシャン:もう私たちは抗議運動さえできなくなっているんだよ。抗議運動に参加したことが学校にわかったら、学位が取り消される可能性があるからね。運が悪ければ、不法移民でなくても、市民であろうとグリーンカード永住権保持者であろうと、移民局のターゲットになる。

しかもそういう人が人里離れた場所に勾留されたり、行ったこともない第三国に強制送還されたりしているんだ。だから私はそんなデモには近づきたくないよ。自分の身を守りたいから。

抗議するのは本当に勇気のあることだと思うし、こんなことになって本当に悲しい。トランプがこれほどの力を行使しているのに、誰も彼を止められないんだ。こんなことはこれまで一度もなかった。

トランプ政権による移民の強制送還がますます激しさを増し、今そのターゲットは大学生に向けられています。そして、たとえアメリカ人であってもデモに参加したことで学位が取り消されるなど、言論の自由が脅かされている状況です。

「それでもデモに参加する若者たちは、みなマスクをつけて身元がわからないようにしています。これが今、アメリカの若者が置かれている現実なのです」と、シェリーは話題を締めくくりました。

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4月9日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月17日(木) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40~18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/

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