AIの登場で、これからの音楽はどうなる?細野晴臣×安部勇磨

音楽家<細野晴臣>が、古き良き音楽から、今まさに発信される新しい響きの音楽までを紹介。かつ、常に笑い!を忘れることなく伝える、独自のラジオプログラム「Daisy Holiday!」(毎週日曜 深夜1am - 1:30am)。

6月11日の放送ではゲストにNever young beachの安部勇磨さんをお招きしての音楽夜話。
5月17日にリリースしたEP『Surprisingly Alright』を聴きながら、ミックスの話や、コロナ禍が明けてからの話、アメリカでのコンサートの話などをたっぷりと語り合いました。

トークはコロナ禍を経た環境問題や世の中の動きに対する話へ。

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細野「これからの次の段階で世の中がどうなっていくかわかんないですけど、今はちょうど何かその狭間って感じですよね」

安部「そうですね。怖いんです、これからどうなってくるんだろうと、漠然と」

細野「同じだよ。なんか、虫食べろとかね」

安部「虫食べるくらいなら他になんかやることあるだろと。環境問題とかもそうですけど、大事な部分を無視して、ちょっと奇を衒ったようなやり方で。ポジティブな言い方をするけどそれってポジティブなのかという」

細野「AIなんてどうなの?」

安部「いや僕はもう全部正直わからなくて、興味が出るのはわかるんですけど、それを商業というかお金とかにまでしてしまったりとか。スタンダードな位置につけてしまうのは絶対に良くないなって僕は思ってしまうんですけどね。そういうことを言うのはもう古臭いっていうような雰囲気も感じてるので難しいなっていう。本来自分が生まれた意味とかってどんどん希薄になっていかないのかなって思ったりしますけど。自分と向き合うっていうことの逃げ方があまりに納得できないっていうか」

細野「いやあ、考え方がしっかりしてる」

安部「でもそういうこと言うと、最近世代によってパワハラだとか言われちゃうから。もう黙って1人で曲を作って、それでいいかなと思って。それで息抜きしてます」

細野「ミュージシャンでよかったね。なんだかんだ言って音楽を作ってれば、そこに気持ちが全部入るしね」

安部「細野さんはAIはどう思います?」

細野「YMOやってるころはパソコンっていって、電卓みたいな進化系で音楽ができるんだっていう驚きと喜びがあって。それは20世紀が終わるまでずっと続いてたな。でも今のAIは、何か違うんだよな」

安部「プラグインとかもすごくなりすぎてて、ギターでサックスの音が出せるとかそういうのもあって。ギター弾くと本当にサックスを吹いてる人がいるみたいになるとか。それやっちゃったら、サックス吹かなくていいってなっちゃう。そうすると結局職人さんが減ったりとかその楽器の命すらも削ることになるし。昔から続けて繋いでくれたいろんな歴史を、軽く見てしまうようになってしまうし」

細野「その通りだ。同感だよ。今の子供達が大きくなるのは、なんか心配だよね。ずっと喋ってくれるから聞いていよう」

安部「すいません、僕一人で喋っちゃって!」

細野「いいんだよ。だいたい同じ気持ちだから(笑)」

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世代を超えた共鳴をしながら、終始和やかなトークが繰り広げられたこの日の放送。
2人のトークの全編は、ぜひタイムフリーでお楽しみください。

Daisy Holiday!
放送局:interfm
放送日時:毎週土曜 25時00分~25時30分
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