台風15号で倒れたコスモスが奇跡的に回復!「コスモスまつり」

番組スタッフが取材した「聴いて思わずグッとくるGOODな話」を毎週お届けしている【10時のグッとストーリー】

2015年 花の丘ドワーフセンセーション

秋の花と言えば、代表的なのがコスモスです。「秋桜(あきざくら)」とも書きますが、いま、昭和記念公園では色とりどりのコスモスが観賞できる「コスモスまつり」が開催中です。

直前に日本列島を直撃した台風15号の影響で、コスモスにも大きな被害が出ましたが、開催日までに奇跡的に回復しました。その陰には何があったのか、一部始終を見守った広報担当の方にお話を伺いました。

昭和記念公園 イチョウ並木の様子

東京・立川市と昭島市にまたがり、東京ドームのおよそ40倍の広大な敷地を誇る、国営昭和記念公園。都会のなかにこれだけの緑があふれる空間は珍しく、都民の憩いの場になっています。一年を通じて季節の花が楽しめるのも魅力で、春は桜、チューリップ、夏はひまわり、そして秋の目玉は「コスモス」。

今年(2019年)は9月14日から「コスモスまつり」を開催。園内3ヵ所の花畑に、開花時期の違うコスモスを植え、10月27日までの期間中は、いつ来ても一面に咲いたコスモスが見られるようになっています。

休日は大勢の人でにぎわっていますが、開幕5日前の9月9日、超大型の台風15号が公園を直撃。70万本の黄色いキバナコスモスのほぼすべてが、強風で無残にも倒れてしまったのです。

昭和記念公園・企画グループ広報リーダー 米山武緒さん

「台風が過ぎた後に畑を見に行ったら、茎が倒れてしまって、花もほとんど散った状態でした。想像を上回る被害でしたね……」と語るのは、昭和記念公園・企画グループの広報リーダー、米山武緒さん・53歳。

「コスモスまつり」の開幕が迫るなか、花の世話をする「植物チーム」は、メンバー総出で花の上に乗っている木の枝などの障害物を取り除き、コスモスが持つ自然の回復力に賭けることにしました。

「コスモスは非常に生命力が強い花で、茎が倒れても、また太陽の方に向かって伸びようとする性質があるんです。まずは自力で起き上がるのを待とう、ということになりました」

倒れてしまったキバナコスモス

幸い、まだつぼみが残っているコスモスも多く、風よけなどを設置して様子を見ていたところ、まるでイベントに間に合わせるかのようにコスモスは再び起き上がり、新たな花を咲かせたのです。

「よくここまで回復してくれたと、本当にビックリしました。まるで大勢のお客さんたちに見てほしいという、強い意志があったかのような頑張り方で、私たちも勇気づけられました」

コスモスに元気をもらったと言う米山さん。実は、昭和記念公園の管理を請け負っている会社の1つ、プリンスホテルの社員で、これまで結婚式場のウェディングプランナーとして活躍。「米山さんに式を担当してもらって本当によかった」と言ってもらえることが、何よりの喜びでした。

ところが4月に大規模な人事異動があり、米山さんは突然、公園の広報を担当することになったのです。

秋らしい風景がとても美しい

「未知の職場を体験して、幅広い視野を養うのが目的ということでしたが、何せ植物にはまったく興味がなかった上に、広報の仕事も初めてで、最初は正直、戸惑いました」

まずは昭和記念公園のことをよく知ろうと、広い敷地をパトロールカーでくまなく走り、園内のすべての植物、施設を見て回った米山さん。管理担当のスタッフに植物についての基礎知識を教わり、また広報の仕事も一から覚えて行きました。

ときには地元のケーブルテレビ局の番組に出演して、いまが見ごろの花の紹介をすることも。先日、こんな嬉しいことがありました。

「お客様に『この前、テレビでお花の紹介をされていましたね。とてもわかりやすくて参考になりましたよ』と話し掛けられたんです。ああ、伝わったんだなと、すごく嬉しかったですね」

「新たなチャレンジもして行きたい」と語った米山さん

米山さんが昭和記念公園に来て、感銘を受けたことがあります。それは、園内のイベントなどを手伝ってくれる、70代~80代のボランティアの生き生きとした姿でした。

「いくつになっても自分の可能性を追求し続ける姿勢に心打たれました。私もまだ53歳、挑戦する姿勢を忘れなければ、もっといろいろなことができる。まだまだ覚えることが多い広報の仕事ですが、コスモスのように前向きに、新たなチャレンジもして行きたいですね」

2015年 花の丘ドワーフセンセーション

八木亜希子 LOVE&MELODY
FM93AM1242ニッポン放送 土曜 8:00-10:50

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東京五輪マラソン・競歩が札幌開催~そもそも東京でやることは“戦略的”に間違っていた

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月18日放送)に外交評論家・キヤノングローバル戦略研究所研究主幹の宮家邦彦が出演。東京オリンピックのマラソンと競歩の開催が札幌に決定したニュースについて解説した。

五輪マラソン札幌開催案 急転「政治決着」に反発も 2018年8月の北海道マラソンで札幌市街地を走るランナー=2018年8月26日 写真提供:共同通信社

東京オリンピックのマラソンと競歩、札幌での開催が決定

国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は17日、東京オリンピックのマラソンと競歩の会場について、IOC理事会と大会組織委員会は札幌市に移すことを決めたと述べた。札幌開催案の背景についてバッハ会長は、「日本の気温はここ数年で上昇している。選手を第一に考えなければならないし、札幌は東京よりも気温が5~6度低い。選手の健康にとって重要な一歩だ」と説明している。

飯田)これについて、さまざまなメールをいただいています。“あつこ”さん51歳、西東京市の方。「チケット問題と、東京オリンピックというネーミングが付いていることから、札幌でというのは少し反対です。東京でやらない東京オリンピックは、東京ドームでやる甲子園大会みたいなものではないですか」と。また、「チケットがとれなかったなかで、マラソンだけは見に行けると思っていたのに」という“暴飲暴食”さん。いろいろなご意見がありますけれども。

宮家)まず最近の7月は暑いですよ。しかもこの間、ドーハでも試合をやったのでしょう?

飯田)世界陸上がドーハで行われました。

ANOCの総会に臨む(左から)JOCの竹田恒和会長、IOCのバッハ会長、安倍首相ら=2018年11月28日午前、東京都内のホテル 写真提供:共同通信社

暑い東京でやるということは“戦略的”に間違っていた

宮家)ドーハはよく知っているけれど、ものすごく湿気が多くて、あんなところでマラソンをやるのはそもそもおかしいですよ。マラソンはもともと冬の12月、1月にやるものではないですか。私は東京オリンピックに関する限り、7月にマラソンを東京でやるというのは、戦略的に間違っていると思います。戦略的な間違いというものは、戦術的方法では直らないのです。東京でマラソンをやることが決まったら、では舗装をしましょう、水をまきましょうと、いろいろやったではないですか。しかし、それは全部戦術の問題でして、戦略的過ちは直らないのです。いちばんいい方法は戦略を変えることなのです。本来はあまり後知恵のようなことを言って、これまで努力をされた方々に失礼があってはいけないし、東京都はお金もかけたのかもしれません。しかし、やはり選手第一で、特にマラソンであれば、最初から東京以外のオプションを考えてもよかったのではないでしょうか。東京オリンピックと言いながら、神奈川でやったり千葉でやったりする競技もあるわけだから。

飯田)サーフィンとかね。

宮家)そこまでやるのだったら北海道ではなぜいけないのか、ということにもなりかねない。だから、今回の判断は戦略的に正しいと思います。しかし、努力された方やチケットをどうするかという問題も大変だし、北海道の方もびっくりでしょう。

飯田)受け入れる側もね。

宮家)大変だと思いますよ。しかし、私は戦略的には正しい方向に動いていると思います。

飯田)選手を第一にということを、バッハ会長も言っていますが。

東京2020大会1年前準備状況報告会が行われた。あいさつするIOCのトーマス・バッハ会長(右)。左は東京2020組織委員会の森喜朗会長=2019年7月24日、東京・丸の内の東京国際フォーラム  写真提供=産経新聞社

あとは開催時期の変更しかない

宮家)あんな暑いなかでやったら倒れますよ。ドーハのことを考えたら、やはり正しい判断だと思いますけれどね。

飯田)戦略の転換という意味で行くと、同じ時期にやるのなら場所を変えて涼しいところ、あるいはもっと涼しい時期にと。選択肢としてはそのどちらかになったけれども、なかなか秋口にという、かつての東京オリンピック(1964年)のようなことはもうできない。

宮家)あとは軽井沢などの高地でやるとか。しかし、それもコンディションが少し違うでしょう。いろいろ考えた末なのだろうけれど、私も東京ならば、観に行けるかと思っていましたが、駄目ですね。

飯田)これで北海道にお客さんが行って、あるいは全国を観光して帰るとか、そういうことがあるといいのですが。

宮家)いろいろ考えていただいて、専門家に知恵を出してもらうしかないですが、私は今回のIOCの判断は戦略的には正しい判断だと思います。

飯田)国際オリンピック委員会、日本陸連の専務理事は、チケットを売る、あるいは観客席の数を確保するということも考えると、札幌ドームを発着点として使わざるを得ないのではないかと言っているそうです。

飯田浩司のOK! Cozy up!
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