迷走する「Go Toキャンペーン」~修復するためには何が必要か

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月21日放送)にジャーナリストの有本香が出演。混乱が続く政府のGo Toキャンペーンについて解説した。

【新型コロナ】旅行代理店のGo To トラベルキャンペーンを知らせる張り紙=2020年7月20日、東京都渋谷区 ©産経新聞社

Go Toキャンペーンの東京発着のキャンセル料補償へ

政府は、22日からスタートする観光支援事業「Go To トラベル」の対象から除外した東京都発着の旅行について、キャンセル料を補償する方針を固めた。

飯田)補償を認める範囲や支給方法を、国土交通省が調整して、21日に赤羽大臣が会見をする予定ということです。

政治 Go To トラベル、東京発着除外へ 記者団に応じる赤羽一嘉国交相、西村康稔経済再生担当相=2020年7月16日午後、首相官邸 ©産経新聞社

最初にアドバルーンを上げて、その後から「やはりダメ」はダメなやり方

有本)比較の対象がおかしいかも知れませんが、新型コロナウイルスが最初に入って来たときには、危機管理、防疫ということがありました。そのような危機管理のときは、最初に大きく打ち上げて、だんだん縮めて行く。網を大きくかけて、どんどん小さくして行くということは有効なのですが、このようなキャンペーンやプロモーションというのは、最初に大きくアドバルーンを上げておいて、その後から「やはりこれもダメ、あれもダメ」となることがいちばんダメなやり方です。

飯田)みんな期待してしまいます。

有本)これは旅行業界だけではないのだけれども、この秋以降、企業はさらに厳しくなるわけです。そうすると、巷の景気もどんどん悪くなって行く可能性があります。そのときに、何が大事かというと、気持ちを必要以上に萎ませないということです。もちろん、仕事やビジネスを失う人もいますが、そこそこ普通に生きていますよ、という人がいるではないですか。このようなキャンペーンをしてしまうと、その人たちのマインドも縮小してしまうことになります。

感染の抑え込みに成功した台湾との違い~すべての感染者を追うことができている台湾

有本)私はどうしてこうなってしまうのかをいろいろ考えているのですが、最初の危機管理の段階から、方針や哲学が見えないことが問題だと思います。どういうことかと言いますと、台湾はいま、皆さん国内旅行をしています。

飯田)もうすでに。

有本)完全に抑え込んでいるからです。

飯田)コロナを。

有本)抑え込むことができた要因として、中国人を入れていなかったということがあります。

飯田)いち早く止めました。

有本)それと、幸か不幸か、去年(2019年)から中国が台湾への旅行者を、意地悪で止めていたということがあります。これが功を奏したのですが、そういうこととは別に、すべての感染者を追えているということが、いちばんのポイントです。感染経路がほぼすべてわかっているということです。今後も、また出たら、同じように徹底して追いかけて潰して行くということができるけれども、日本の場合、「フワッと収まって来たな」という感じでしかありませんでした。感染経路を徹底して追うかというと、そういうわけでもない。これが問題なのです。ですから、先ほど(21日)発表になっていましたが、8月1日から大規模イベントで5000人という上限制限を緩和するのを、やはり、また見直すと言っています。こういうことも悪手です。

飯田)広がると思っていたものが、広がらない。

東京・渋谷のスクランブル交差点をマスク姿で行き交う人たち。大型ビジョンには、東京都で新型コロナウイルスの新規感染者が290人報告されたニュースが流れた=2020年7月18日午後 ©共同通信社

COCOAを改善し、感染者を追えるシステムを早くつくるべき

有本)1つの対策としては、東京ドームが「東京ドームアラート」というものをやります。東京ドームのような大規模施設であると、自分たちで開発したアプリなどでやるのでしょうけれども、これに近い選択肢をもっと増やすべきだと思います。国が発表したCOCOAがあまり使われていません。使い勝手の点で問題があります。これを改善し、アプリで感染者を追えるという状況をつくる。個人情報をできるだけプロテクトしながら、スマートフォンや携帯などですべて追いかけられるようにする。これらを徹底するということが大事だと思います。そうすれば、国内の人の移動を徐々に広げて行くことができますし、旅行も大勢で大騒ぎすることがなければ勧めることもできます。密を避けること、唾液が飛ぶような状況を避ければいいというポイントを抑えて、なおかつ、どのように動いたかということを追うことができるインフラを、1日でも早くつくるべきだと思います。

飯田)すべてがいま、中途半端な状態で留まってしまった。

有本)中途半端な状況で、さまざまな業界からいろいろなことを言われると、気持ちだけ焦って発表してしまい、後から「あれもやめた、これもやめた」というのはダメだと思います。

ユニクロ研究家が語る 世界一のコスパの秘密と、見落としがちな“スゴい”商品

カリスマファッションバイヤーでユニクロ研究家のMBが、7月20日(月)放送のニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」内のコーナー「ゲストとハッピー!」に生出演し、ユニクロのすごさの秘密について語った。

かつて、「安価で服を買える店」というイメージのあったユニクロ。そのせいか、「あまりオシャレじゃない」といった印象を持つ人も少なくない。ところが、「ヒートテック」や「エアリズム」などが登場して人気を集め、高級素材のカシミアを扱うなど、「ユニクロ=高品質なのに低価格」という印象に変わった人も多いのではないだろうか。

MB:ユニクロのコスパは世界一と言っていいと思います。僕は服をデザインすることもあるんですが、縫製工場だったり生地屋さんと話をするときに、「いま一番頑張っているブランドはどこですか?」て聞くと、大体ユニクロの名前が挙がるんです。

垣花:具体的にどういうところがすごいんでしょうか?

MB:最近、ユニクロが「カシミヤ」「超長綿」っていうハイブランドが使うような高級素材を使ったりしてるんですが、高級素材って耐久性が低かったりするんです。そのせいで「最近、ユニクロ品質悪くなった」って勘違いされちゃうケースが出るぐらい、高品質のものを使っているんです。

垣花:確かに、ユニクロってハイブランドが使っている素材を、低価格で提供しているイメージがありますね。

MB:ユニクロのデニムパンツは「カイハラ」という海外のハイブランドにも卸している素材メーカーなんです。以前、「カイハラ」の会長がテレビのインタビューで、「2,000円のユニクロのデニムと、ハイブランドのデニムの質が変わらない」って答えていたんですよね。それぐらい高品質のデニムを使っているんです。

垣花:なんで高品質な物を低価格で提供できるんでしょうか?

MB:例えば、ファストファッションといわれるZARAとかは、その時に売れる商品を販売するので、3週間ぐらいで企画から店頭に並ぶんです。逆に、ユニクロは商品開発に1年ぐらいかけていて、長い製造期間を経て、10年スパンで売れるものを作っているんです。生産数量が多くなると単価が低くなる。そうすることで、ユニクロは世界で誰にもマネができないぐらい、高品質・低価格の商品を販売できるんです。

垣花:そんな、MBさんが考える「これはスゴイ」っていうユニクロのアイテムってありますか?

MB:いっぱいありすぎて、どれを言っていいか迷いますね(笑)あんまり皆さんが気がついてないもので言うと、1500円ぐらいの「折り畳み傘」ですね。

垣花:傘ですか?

MB:柄の部分を軸にして、傘がくるくると回るようになっているんですけど、コレが風の力を上手に逃してくれるので、傘がひっくり返ることがない。コロンブスの卵的な発想の商品ですね。

低価格で高品質な商品を提供し、かつてのブランドイメージを大きく覆したユニクロ。最後にMBは、ユニクロ製品を着こなすための秘訣について「シャツ、スラックス、革靴など、大人っぽいアイテムを1点入れるとカジュアルになりすぎずに、ユニクロのアイテムが輝くと思います」と、アドバイスを送った。

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