笑福亭鉄瓶、新型コロナ感染を振り返る「なったらアカン、絶対」

右から、新型コロナの経験を語った笑福亭鉄瓶、ゲスト はっぴちゃん。、アシスタント 松本美香

ラジオ大阪(OBC)が毎週月~木曜夜6時から放送する『hanashikaの時間。』。新型コロナウイルス感染のため、番組を3週にわたり休演した月曜担当パーソナリティ 笑福亭鉄瓶が、5月10日の放送で復帰しました。

「無事帰還!」と、アシスタント 松本美香が手をたたいて迎えると、鉄瓶は「ただ今戻ってまいりました。みなさんには本当にご心配ご迷惑をお掛けして…」と頭を下げ、「絶対(コロナに)なったらアカンよ。絶対」と真剣な声で訴えました。発熱から4日間、体温が39.5°を下回らず、「(処方された)解熱剤も効かへん。2日目に『これはヤバイな。ひょっとしたらオレ、アカンかも』と思った。『スポーツ新聞くらい載るんかな。死んだのにも関わらず「鶴瓶の弟子!」って、師匠(の名前)の方が大きいんかな』って考えた」と笑いを取りながらも、死が頭をよぎるほどに追い詰められた心境を明かしました。

そして「コロナになったときに本当に怖いのは…」と、大阪府の保健所の切迫した状況を挙げ、「誤解の無いように。そこでお勤めなさってる皆さんは一生懸命やられてる。手が足らなさすぎる」と業務に従事する職員らに配慮しつつ、PCR検査の結果連絡の遅さや、療養中の過ごし方の説明・感染に関する聞き取りがなかなかされなかったこと、そして、明らかな濃厚接触者である家族のPCR検査にまつわる紆余曲折を話しました。

松本から「よく話に聞く、においがわからなくなるとか、息苦しさは?」と症状について聞かれると、「ありました」と答え、発熱後コーヒーの香りは分かったが、味がせず白湯のように感じたこと、「高熱中は水の中に入っているみたい」に呼吸が苦しかったことを明かしました。それを聞き、改めて「若くて体力があってよかった」と言う松本に、「えらい目に遭いますから。外食も飲みに行くこともなかった、まさか自分がですよ」と、無症状者からも感染が広がるといわれる新型コロナの恐ろしさを語りました。

最後に、「政治家の皆さん、ほんとにお願いします」と保健所の切迫状況を繰り返し訴え、「一番説明を聞きたい人からの連絡がない。せめてそれが機能するように戻していかないと。病床がなかったとしても指示をすぐに出せる状況にならないといけないんじゃないかと。(そうしなければ)ご年配の方の一人暮らしなんてどうしようもない。(保健所や医療機関で)働いてる人は必死だからそれをバックアップしていかないと」と自身の思いを述べるとともに、「コロナになったという風評被害」についても言及し、家族や特に子どもたちについて案じました。

hanashikaの時間。
放送局:OBCラジオ大阪
放送日時:毎週月曜~木曜 18時00分~19時45分
出演者:(月)笑福亭鉄瓶、松本美香、(火)桂小春團治、小川恵理子、(水)笑福亭晃瓶、近藤綾香、(木)笑福亭鶴二、内海英華
番組ホームページ
公式Twitter

※該当回の聴取期間は終了しました。

コロナでアルコール依存が深刻化

新型コロナでは様々な影響が出ていますが、中でも「アルコール依存症」が深刻化していて問題になっています。5月12日(水)TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で取材報告しました。

コロナで深刻化する「アルコール依存症」。詳しいお話しをアルコールなど依存問題の予防に取り組むNPO法人「ASK」の代表、今成知美さんに伺いました。

★アルコール依存が深刻化

「ASK」代表 今成知美さん
やっぱりコロナでステイホームとか、それからリモートワークになったっていうような形で歯止めが利きにくい。例えば終電だから飲むのを切り上げて帰らなくちゃとか、翌朝仕事だから、このあたりでやめとこうとか、そういうのがないので、歯止めが利かずにずっと飲んじゃう。深酒になって翌日二日酔いで仕事してるんだけれども、自分1人だからいいやみたいな。もともと結構お酒飲めた人たちが飲酒量が増えてしまった。あとは、アルコール依存症になっていた方、そして一生懸命断酒して回復してた人たちが、孤立してしまうことによって、また飲み始めてしまった、そういう話は良く聞きます。

こちらの団体の電話相談では、依存傾向のある方の状況が「深刻化」がみえるそうです。

例えば「リモートワークをきっかけに、家で10日連続で深酒してしまい、自分でも異常だと感じる、病院に行くべきでしょうか?」という相談があったり、「3週間仕事がなく、不安で朝から飲んでしまう」また「依存から抜け出すためお酒を断っていた人が、仕事がなくなり、またお酒に手を出してしまった」そんな相談が寄せられているそうです。

アルコール依存症というと「意志が弱いダメな人」と見られがちですが、依存症になってしまったら、これは「自分の意思では抜け出せない病気」です。適切な治療や、孤立を避け、人と繋がる自助グループへの参加が必要ですが、実は、そうした対応も、コロナで難しくなっているという状況があるそうです。再び今成さんのお話です。

★自助グループもオンライン化

「ASK」代表 今成知美さんさん
依存症って「孤立する」っていうのが一番まずいんですね。その中で、このステイホームの状況、それからコロナでソーシャルディスタンスとかね、そういうのって本当に孤立を招くような状況っていうのはすごくいっぱいありますよね。その中で命綱というふうにも言える、同じようにアルコール依存症に苦しんだ人たちが回復していくために繋がって、週に何度か会っていろんな話をする相手の話を聞く形の「自助グループ」というのがあるんですね。そのミーティングが開けないっていう状況がかなりずっと続いていますね。これがアルコール依存症の人たちの再発にすごく影響してると思います。

これまでの依存症回復へのアプローチである「自助グループ」=同じ環境の人が話し合い、助けあうミーティングも開けない。結局、依存症になりやすく、回復しにくい、コロナによって、そんな状況になっていました。

対策としてASKでは、オンラインミーティングの環境を作り、それによって繋がりを回復し始めている人たちも出ています。これによって、今まで遠方で参加できなかったひとや、高齢で足を運べなかった人たちも参加できるなどのメリットも見つかっていますが、ただ、対面のミーティングで生まれる参加者同士の対話や共感に勝るものではなく、課題も残っているそうです。

コロナで深刻化するアルコール依存ですが、一方で、今のお酒のトレンドも影響しているという指摘もありました。国立精神神経医療研究センター松本俊彦先生のお話です。

★ストロング問題

国立精神神経医療研究センター松本俊彦先生さん
ストロング系のアルコール飲料、比較的アルコール度数の高い飲み物、しかも飲みやすくて甘い味付けのものですかね。それをかなり早いペースで飲んでしまう。気づいたときには結構な量を飲んでいて、足腰が立たなくなってしまう、自分を傷つける行動をしてしまう人がいたり、粗暴な行為をしてしまったりする。精神科の診察室の中ではそのようなことが非常に多発しております。何よりも安いんですよね。特に350mlの缶だったりすると、変な話、同じ分量の水よりも安くスーパーなんかで売られてる場合も見かけることもございました。そうすると多分たくさん買い込んで速いピッチで飲む。安くて手っ取り早く酔うというか。インターネットなんかで調べてみると「飲む福祉」とか「貧民の麻薬」なんていうふうなキーワードが、ネット上でこのストロング系のアルコール飲料に関して出てきてるほどですね。

安い、そして甘くて飲みやすい、でもアルコールはビールの倍くらい「強い」という「ストロング系」のお酒が流行したことで、あっという間に深酒、依存症にまでなってしまう。海外ではアルコール度数が高いものには高い税金をかける所もあり、松本さんは「国の対策も必要」だと指摘。一方で飲む側も、こうした「ストロング系」は合法だけど危険なものだという認識を持つべきだと指摘していました。

Facebook

ページトップへ