フォトジャーナリスト・安田菜津紀がパレスチナ情勢を解説「どれだけ凄惨なことが起こるか目に見えてる」

イスラエルのガラント国防相は5月7日、パレスチナ自治区ガザの戦闘休止と人質解放を巡るイスラム組織ハマスとの間接交渉が失敗すれば「作戦をさらに進める」と発言した。ハマスの休戦案受け入れ後、初めての間接交渉がエジプトで開かれるのを前に、ガザ最南部ラファへの本格的な侵攻を示唆してハマスに圧力をかけた。

5月8日放送の「くにまる食堂」(文化放送)は、ガザで取材したこともあるフォトジャーナリストでメディアNPO Dialogue for People副代表の安田菜津紀さんがこのニュースを解説した。

安田菜津紀「ガザは南北に長く伸びる場所です。すべての地域でインフラが整っていたわけではないので、北部のガザ市という所に人口が集中していました。10月7日にハマスの攻撃があり、それに対する“報復”としてイスラエルの侵攻が始まって以来、イスラエル側としては“命だけ助かりたければガザの北部から南部に避難しろ”と一方的に通告してきたわけです」

野村邦丸「それが今回の問題になっているラファですよね」

安田「非常に人口の密集したガザ市から多くの人たちが、生活のすべてを捨てざるを得ない状況でラファに避難している。そのラファに対して地上侵攻がなされれば、どれだけ凄惨なことが起こるか目に見えてるわけです。昨日(7日)、出ているニュースの中では、すでに断片的な地上侵攻は進んでいて、エジプト側に通じる検問所がイスラエル側に押さえられた」

邦丸「そうなると、どうなるのですか?」

安田「そうなると、物資が入ってこなくなるわけです。補給路が断たれ、食料が入ってこない。水も十分にない。けが人もいるわけですけど、医薬品も十分にない。凄まじい事態になってしまっているということなんです」

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日中韓の首脳会談が今月末、4年半ぶりに開催。中国の海洋進出に歯止めも。

5月8日(水)の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、水曜コメンテーター・経済アナリストの森永康平氏と番組パーソナリティの寺島尚正アナウンサーが、今月末にソウルで日中韓の首脳会談が開催されるというニュースについて意見を交わした。

日本・中国・韓国の3カ国は5月26・27日にソウルで首脳会談を開く最終調整に入った。2019年12月に中国で開催して以来4年半ぶりとなる。経済協力や安全保障などを議題とし、成果文書のとりまとめを目指す。
岸田総理と中国の李強(リー・チャン)首相、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が出席。日本の外務省によると日中、日韓の首脳会談もそれぞれ調整を進めている。
日中韓首脳会談は年1回の持ち回り開催が原則だったが、日中関係の悪化や、新型コロナウイルスの感染拡大で途絶えていた。岸田総理と尹韓国大統領の間で関係改善に道筋をつけたのに加えて、地域の安定に3カ国の協力が欠かせないという理由で再開する。

寺島尚正アナ「4年半ぶりの日中韓の首脳会談ですが、森永さん、これはどうご覧になりますか?」

森永康平「場を持てるということ自体はいいと思うんですけども、ただ怖いのは、どれぐらい対等に話を進めていけるのかということで、場が持てないっていうのは最悪なケースかも知れないんですが、ただ一方で怖いのは場を持つことによって、対話が起こりますよね。その中で例えば中国が、海洋進出であったりとか色んなことを主張してきて、結果的にそこでちょっと引き下がってしまったりすると、それが対話を持ったが故に既成事実化してしまうっていう怖さも実はあるんですよね。だからそれをやらないためにはむしろ喋んない方が良かったぐらいのことが結論としては出て来てしまう可能性もあるので、それを日韓がどこまでちゃんと押し返して、むしろ日韓側にとって都合のいい既成事実を作ることが出来るかどうかというところが大事だと思いますね」

寺島「まあこれ、具体的には中国は中国で、同じ発言でも取り方が違って、中国国内に優位な報道の仕方をするなんてことは当たり前ですもんね」

森永「よくやってますからね」

寺島「開催できなかった4年半の間に、中国は南・東シナ海での海洋進出を進め、軍事力も増強しました。日韓両国は日中韓サミットの機会に、中国側に問題提起する見通しです。中国側は、日本韓国とアメリカの安全保障面での連携強化を、対中国包囲網とみなして警戒をしています。また北朝鮮の核ミサイル開発を巡っては、中国と懸念を共有するとしています。
安全保障を巡っては、中国との間にはかなり溝がありますからねえ」

森永「こりゃもう、実は日韓とかそういう話じゃなくて、今記事にもあった通り、中国から出て来ている海洋進出ってのはもう、東南アジアの方にも行ってるわけですから、中国の進出に対する脅威という話であれば、いずれは日中韓だけじゃなくてASEAN諸国も交えて話を大きくしていかないと、なかなか中国の横暴な海洋進出に歯止めをかけることは出来ないと思いますね」

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