【西武】渡邉勇太朗投手インタビュー 不安な気持ちに向き合うことができるようになった要因とは?


3月5日のライオンズエクスプレスでは、前日に引き続き埼玉西武ライオンズの渡邉勇太朗投手にインタビューした模様を放送した。不安な気持ちに向き合うことができるようになった要因を語ってもらった。

――昨年ロッテにずっと勝てませんでした。昨年の8月29日(対ロッテ17回戦)に対ロッテ16連敗を止めましたが、ああいうチーム状況の中で、しかもZOZOマリンスタジアムで投げる気持ちはどうだったのですか?
渡邉「連敗が続いているときは結構好きというか、チーム的にはよくないのですが、優勝をするチームでも2連敗、3連敗するときはあるので、連敗を止めなきゃいけない立場にいるのは結構嫌いじゃないです。おれが連敗を止めてやるという感じで燃えるタイプなので、結構好きです」

――非常に堂々としたマウンドさばきだったように見えました。俺がやってやるという気持ちがあったのですね?
渡邉「その試合でふいに芽生えたので、それがよかったかもしれないです」

――シーズンの中頃に話を伺ったときに「ストレートも変化球も自分の思ったところにボールがいっている」と話していたことがありました。やはりそれはバロメーターになるのでしょうか?
渡邉「細かいコントロールがあるタイプではないので、いかに自分の強い真っすぐを投げられるかだと思います。強い真っすぐを投げていれば多少甘くてもあまり打たれないということは去年わかりました。オフに菊池雄星さんにお話を聞いて、『甘めの真っすぐでどんどんファウルを取って、変化球でこっちが優位に進められるタイプのピッチャーだから』と言ってもらって、そこでより自信になりました。そういう感じで攻めていけたらなと思います」

――豊田清投手チーフコーチに昨シーズン渡邉投手の伸びたポイントを訊くと、「試合前の気持ちの作り方。緊張してどうしようかと不安になる気持ちに彼は向き合うことができるようになっている」とおっしゃっていました。渡邉投手はどう考えますか?
渡邉「それも結構豊田さんに言われていて、昨シーズン自分で向き合えたのは大きかったかもしれないです」

――マウンドに行く際に緊張する、恐怖も感じる。それはある意味当たり前という感覚ですか?
渡邉「そうですね。昨シーズンふと思ったのですが、予告先発が出るじゃないですか。それをぱっと見たときに、プロ野球900人ぐらい選手がいる中で、予告先発されるのは1日に12人しかいないわけじゃないですか。そこにいる自分はめちゃくちゃ幸せだなと思うようなって、この緊張感を味わえるのは本当に幸せだなと思うようになってからは変な緊張はなくなりました。嫌な緊張はなくなって、そこからにプラスにいろいろ物事を捉えられるようになりました」

※インタビュアー:文化放送・長谷川太アナウンサー

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「金利のある世界」本格化 消費が冷え込むなか利上げを続けるのはなぜ?

3月18日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と番組パーソナリティーの寺島尚正アナウンサーが、日本銀行の「金利のある世界」の本格化について意見を交わした。

なぜ消費が冷え込む政策をとるのか不思議

日本銀行がマイナス金利政策など大規模な金融緩和策の終了を決めてから、3月19日で1年になる。昨年7月と今年1月には追加利上げを決め、政策金利は0.5%程度。「金利のある世界」の本格化を受け、銀行は預金の確保と貸し出しの拡大にまい進するが、一部の企業では利払い負担の増加が経営の重しとなっている。

日銀は昨年3月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策を解除して政策金利である短期金利の誘導目標を0~0.1%程度に引き上げることや、長期金利を低く抑え込む長短金利操作を撤廃することを決めた。

日銀の利上げ以降、銀行は預金金利の引き上げに動いている。マイナス金利政策の解除前に年0.001%だった三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行のメガバンク3行の普通預金金利は、今月には200倍の年0.2%に上昇した。

(寺島アナ)「大規模の金融緩和終了から一年です。この一年振り返って、田中さんいかがでしょうか?」

(田中氏)「なんのために利上げの姿勢を変えないのかな?と、本当に疑問に思います。たとえば去年の経済状況はマイナス成長ですよね?その原因は消費が上向かないこと。政府や財界などもこぞって“賃上げ”を社会的なムーブメントにしますが……。賃金が上がったと見えている月もありますが、大体はボーナスの影響ですよ。たしかに連合傘下の組合の賃金は報道もあって目覚ましいのが分かるんですが、その他の中小企業や連合傘下にないような企業の数の方が圧倒的に多いですから、そこら辺の賃上げはそんなに多くはない」

田中氏は賃上げの現状と、若い世代の消費伸び悩みを指摘。

(田中氏)「しかも世代によっての賃金の上げ幅も全然違うわけですよ。働き盛りと同時に、教育費だとか色々な固定費がかかる中高年の賃金はあまり伸びていない。一方で若い世代は、賃金は伸びていますけど消費が冷え込んでいるんです。なぜかというと先行きが不安だから。寺島さんや僕たちが若いときに、たとえば年金のことって心配したことあります?」

(寺島アナ)「ないですよ」

(田中氏)「今の若い人たちは、20代でも10代でも年金の心配をするくらい将来の経済負担を気にかけているわけです。その人たちに、いま賃金が上がったからといって消費が過熱するかというと全然そんなことないですよね。“将来、増税や社会保障の増負担が増えるんじゃないか?”という不安が重しになって消費が復活しないなかで利上げをしてしまう。利上げをしたら耐久消費財、電気製品だとか車や家を買うときのローンの金利も上がっているわけですから、やっぱ消費は冷え込みますよね。そんななかで、なおさら消費が冷え込む政策をなぜとるのか?不思議ですよね」

田中氏は金利上昇とお米の物価上昇を比較する。

(田中氏)「今はお米の値段が物価上昇を引っ張っています。でもお米って日本で穫れるものなので金利って関係ないんですよ。金利上げてお米がいっぱい穫れたらMr.マリックも真っ青ですよ。だからなんのために金利を上げるのか分からない。ちなみに誤解する人がいるといけないから一応言いますけど、備蓄米を放出すればお米の価格は下がります。だけどその需要の先食いをしてしまうので、またお米不足は遅かれ早かれ復活するんです。“金利のある世界”もそれと似ていますね。先行きをあんまり考えないで、やがて“需要の逆襲”というコストプッシュ型の物価上昇が収まったときに、ハッと気づくとお金がないので消費できない、という経済がまた戻ってくる可能性があるのが今の植田日銀の本当のリスクですよ。それに注意してほしいと思いますけどね」

銀行では、メガバンクなどの都市銀行と地方銀行との間で、貸出金利に差がついた。

貸出金利の上昇による利払い負担の増加は、借り入れが多く、経営体力の弱い企業を圧迫する可能性がある。帝国データバンクは今年1月、借入金利が0.25%上昇すると、1社当たりの支払利息が年68万円増え、経常利益を平均で2.1%押し下げるとの試算を発表した。調査対象の約9万6000社の約1.8%にあたる約1700社で、経常利益が黒字から赤字に転落する可能性があるという。

(寺島アナ)「“金利のある世界が格差を生んでいる”と読売新聞は指摘していますね」

(田中氏)「“金利のある世界”って言っていますけど、“利上げ”つまり“緊縮政策”が企業にダメージを与えているってことですよね?ただでさえトランプ2.0で景気が減速する可能性があるなかで“利上げのスタンスを変えない”って言ったら、やっぱ企業経営の先行きも真っ暗になって倒産や廃業とかがいっぱい出ない方が不思議ですよ。だから徐々に顕在化していくんじゃないですか?ちなみにこういった状況、実はリーマンショックのときも規模は違いますけどあったんです。“原油高は円安政策のせいだから利上げしろ”というスタンスで臨んでいって、結局日本はリーマンショックに直面したときに発祥元の欧米よりも深刻な影響を受けて、デフレ経済がさらにデフレになっちゃったんです。今回もそれと似ていますね」

 

〈出典〉
「金利のある世界」大規模緩和終了1年で本格化…預金金利が上昇、利払い負担は増加 | 読売新聞

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