中国が高市バッシングを続けるのは習主席への忖度?

高市総理の存立危機事態答弁以降、日中関係が冷え込んでいる。11月25日「長野智子アップデート(文化放送)」では、株式会社溜池通信の代表取締役・吉崎達彦がこの問題について語った。
吉崎「元々中国側は慎重だったんですよ。10月21日、高市内閣発足の時、習近平国家主席からの祝電はなかった。石破さん、岸田さんの時には出したのにもかかわらず、高市さんへの祝電は李強さんからにした。その次にクアラルンプールであったASEAN関連会議で李強さん来てたんだけど、ここでも何もしていない。10月31日、韓国の慶州で行われたAPECで高市さんは習近平さんに会った。習近平さんのとっても渋い顔が印象に残る30分の会談でしたけど、この時、中国側は迷ったと思うんですよね。高市さんとの会談を受けるか、受けないか、結局受けたんだけど、高市さんは台湾の代表とも会ったし、11月7日には存立危機事態発言が出てきて中国側は失敗だったなと思ったのではないでしょうか。そこで何が起きたかというと、中国外交部の面目が丸つぶれになったわけです。そうすると薛剣駐大阪総領事のSNS発言とか日本への渡航注意喚起とか、わぁ~っと出てくるわけです」
長野「外交部が自分たちの保身のために激しくメッセージを出すわけですか」
吉崎「忖度ですよね。旧敵国条項まで持ち出すのはいかがなものかとは思いますけど…。では海外のメディアではどんな記事が出ているのか、高市さん寄りの意見を言ってるのがウォールストリートジャーナル。『中国は高市発言への自分たちの怒りが日本国内の反高市勢力の活性化に繋がることを期待している』『中国との関係を持つ企業が雇用の中心となっている議員さんとか、観光が強い議員さんとか、そういうところに圧力をかければ強力なメッセージを高市さんに伝えてくれるかもしれない。ただ高市さんはマーガレット・サッチャーを手本だとしているから、鉄の女サッチャーと同様にタフで機知に富んだ鉄の女であることを期待したい』と応援みたいな記事が伝えられているんですね」
同じ積極財政でも「狙いが違う」。サナエノミクスとアベノミクス
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月15日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。高市早苗首相の掲げる経済政策「サナエノミクス」に現在について、城内実大臣へのインタビュー経験も踏まえて解説した。
常井健一「リフレ政策のリフレはリレーションの略で。簡単に言うとデフレから脱却するために金融緩和などによって需要を刺激して物価を適度に上げよう、という政策です。いわゆるリフレ派が主導した安倍晋三政権のアベノミクスでは、日銀による異次元の金融緩和が大きな柱でした。ところが現在、物価高が国民の生活を圧迫しています。日銀も金融政策を変えて金利は上がっている。そんな中、これまで安倍政権の継承を訴えてきた高市早苗政権の閣僚が、相次いでリフレ政策を否定していると」
長野智子「うん」
常井「特に城内実大臣は生前の安倍さんが高市陣営に送り込んだ参謀で。いまや自民党内に150人以上いる積極財政派のラスボスと目されています。実際、安倍さんに近かったリフレ派のブレーンたちを継承して7月の骨太の方針や成長戦略を策定してきた。当然、発言の真意に注目されているわけです」
長野「アメリカのベッセント財務長官が、リフレ生活はもう限界だ、やめるべきだ、と言いました。それに反応しているんですか?」
常井「まさにそれを(東洋経済オンラインの取材で)城内大臣に直撃して。『政権のスタンスはまったく変わっていない』と否定されました。強調していたのがサナエノミクスとアベノミクスの違いです。大きな違いは経済環境にあると。デフレ脱却のために大規模な金融緩和を続けたアベノミクスとは違って、いまは物価も金利も上がっています。政府としては『いつまでも異次元緩和を前提に経済政策を考える時代ではない』と言ってきたんです」
長野「なるほどね。だけどアベノミクスと同じ『積極財政』という言葉を掲げている」
常井「そうなんです。城内さん、『リフレ政策の局面は終わったが責任ある積極財政は続ける』と。アベノミクスは金融緩和によって需要を刺激することが柱でした。だけど今度のサナエノミクスは供給力だ、国内でモノやサービスをつくる力を強化するために官民で投資するんだ、と。同じ積極財政でもサナエノミクスとアベノミクスでは狙いが違う、ということですね。もう1つ、『米中の対立やパンデミックも経済環境を大きく変えた』と言っていて。東洋経済オンラインに掲載した発言を一部、ご紹介します」
長野「はい」
常井「『かつての小泉(純一郎)・竹中(平蔵)時代に象徴されるような新自由主義的な市場原理だけにゆだねる発想では、今日(こんにち)の経済安全保障や巨額の先行投資を必要とする分野に充分は対応できない、という現実がある』と。日本企業はひと昔前にコスト重視で、海外に製造拠点を移しましたね。あれが現在は地政学的に大きなリスクになっている、と指摘した。城内さんは『市場原理だけに任せる時代は終わった』と言い切っていて」
長野「ほう」
常井「こうした考え方は反・小泉という、大臣自身の独特な政治人生や色濃く反映されているな、という印象を持ちましたね。いまから21年前です。2005年の郵政選挙で当時、城内さんは1年生議員でした。郵政民営化に反対して、自民党の公認を得られず。無所属で戦った。そのとき小泉首相が送り込んだ刺客が、当時、財務官僚だった片山さつきさんですね」
長野「そうだったか」
常井「城内さん、片山さんに748票差で負ける。それから4年間、リュックサック1つで天竜川を上流から下流にくだるように選挙区をくまなく歩いた。今度は片山さんに7万票差で勝った。片山さんは静岡から追い出されて、参議院の全国比例に鞍替えしたんです」
放送では城内大臣と片山大臣の因縁、サナエノミクスのさらなる詳細などについても常井が語った。