「『もう普通の生活を送るのは難しい』と…」東京国際大学・久保遼人は大病を乗り越え箱根路へ 【102回箱根駅伝】

左:久保遼人(3年)、右は弟・茉潤(1年)。兄・遼人は4区、弟・茉潤は10区にエントリーされている

高速レースが予想される第102回箱根駅伝。その前半戦で“台風の目”となりそうなのが東京国際大学だ。

12月29日に発表された区間エントリーでは、2区に区間記録保持者である“史上最速の留学生”リチャード・エティーリ(3年)を配置。その前後をキャプテンの菅野裕二郎(4年)、成長著しい小柴裕士郎(2年)が固める布陣が見込まれている。さらに5区には1年生の荒谷俊輔が登録されており、そうした流れの中で重要な役割を担うのが4区だ。

その4区に名を連ねるのが久保遼人(3年)。今季の成長株として、中村勇太監督代行も「秋以降の練習は一つもこぼさず、すべて上のグループでパーフェクトにこなした」と太鼓判を押す存在である。

久保は今季、5月の全日本大学駅伝関東選考会で大学初の公式戦を経験すると、10月の出雲駅伝で学生三大駅伝デビューを果たした。さらに10月19日の長井マラソン(ハーフ)ではペース走で出走し、1時間03分18秒と自己ベストを更新。着実にステップを踏んできた。

箱根駅伝との縁は、これまで決して順調ではなかった。1年時はチームが本大会に出場できず、2年時の前回大会は直前の故障でエントリーを逃した。1年時には3区走路員として沿道に立ち、大牟田高校の先輩・太田蒼生(青山学院大)が颯爽と駆け抜ける姿を目にした。2年時は9区を走った菅野の付き添いをしながら、「自分もこの場所で走りたい」という思いを強くしたという。

秋シーズンの成長について、久保はこう振り返る。
「出雲が終わってから、気持ちを入れ直しました。ここ3年間、思うように記録が出なかった分、今年はどこかで結果を残そうって思ってやってきて、それ自体が自信につながっていると思います」

さらに、今季は弟・茉潤が入学。「負けられないなっていう気持ちはあります」。上級生として、そして兄としての自覚も、久保を一段と強くしている。

ここまでを見ると、順風満帆な学生競技生活に映るかもしれない。しかし、久保には競技人生を揺るがす大病を患った過去がある。

高校3年の秋。県駅伝に向けたポイント練習後、突然の異変に襲われた。

「練習後に頭が痛くなって、その日は追い込む練習だったので酸欠かなと思っていたんです。でも次の日もずっと痛くて。さすがに病院に行こうということで、検査するところまでは覚えているんですが、そこで気を失ったみたいで……。気付いた時には大学病院にいました」

診断は、大動脈瘤の破裂。命に関わる大病だった。翌日、緊急手術が行われた。

「手術後、医者は自分には『しっかり治る』と言ってくれていたんですけど、親には『もう普通の生活を送るのは難しくなるだろう』と言っていたらしいです。『長くリハビリしても、少し歩けるくらいだろう』って」

手術は無事に終わったものの、不安は消えなかった。
「最初のリハビリは、簡単な計算ができるか、文字が読めるか、そういうところからでした。この先どうなるんだろうって思っていました」

それでも、回復は奇跡的とも言える速さで進んだ。「意外と、1か月半くらいで走れるようになりました」と、久保は笑う。

「ここまで走れるようになるとは思っていなかったので、今こうして箱根駅伝を走れるかもしれないところまで来られているのは、本当によかったなと思っています」

大病を患ってから、およそ3年。兄弟そろって箱根駅伝を迎える今の心境はどんなものだろうか。

現時点で、弟・茉潤は10区にエントリーされている。兄弟で襷をつなぐ“兄弟襷リレー”は今回はお預けとなったが、兄がつないだ紺青色の襷を、弟がフィニッシュへと運ぶ――。東京国際大学の物語は、そんなドラマも抱えながら箱根路へと向かっていく。

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髙橋洋一の特別企画も毎日放送「政治経済 秋の中間点検!あのニュースどうなってるの!?ウィーク」

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◇番組概要

ニッポン放送『垣花正 あなたとハッピー!』
■放送日時:毎週月曜~木曜 午前8時~11時
■パーソナリティ:垣花正
■コメンテーター:
10月19日(月)髙橋洋一(数量政策学者)
10月20日(火)森永康平(経済アナリスト)、須田慎一郎(ジャーナリスト)
10月21日(水)須田慎一郎(ジャーナリスト)、青山和弘(政治ジャーナリスト)
10月22日(木)中瀬ゆかり(新潮社出版部執行役員)、三上洋( ITジャーナリスト)
■アシスタント:那須恵理子(月・水) 熊谷実帆(火・木)
■番組メールアドレス:happy@1242.com
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