【水谷加奈の劇場型恋愛体質】満車です。けんもほろろ!?
2026.09.04 up
文化放送メールマガジン(毎週金曜日配信)にて連載中のコラム「水谷加奈の劇場型恋愛体質」。
アナウンス部長・水谷アナが、日々の生活で感じたことを心のままに綴っていく。
―9月4日(金)配信分―
オープンしたての某レストランをネット予約。【駐車場使用の有無】という欄があったので、
「車(1台)で伺います。よろしくお願いします」
と添えてメールを送ったところ、先方から「承りました」という旨の返信がありました。
当日、一応確認の電話を入れたのです。
「●時に伺う予約をしている水谷ですが、駐車場はお店の前にあるのでしょうか?どこに停めても大丈夫ですか?」
するときっちりした男性の声。
「確認いたしますので少々お待ちください」
15秒後くらいにあいかわらず落ち着いたトーンで
「本日駐車場はいっぱいです。ご利用いただけません」
「え。予約の際に利用する旨をお伝えしてありますが?」
「満車だということはメールでお知らせしてございます」
「メール?届いていないと思いますが…」
「お伝えしております。本日は満車です。近隣の駐車場をご利用ください」
取り付く島がない。けんもほろろ。冷たい応対。近隣に他の駐車場があるのかどうかの案内もなく…。
そこでメールが来ているかどうか改めて確認してみました。受信にもゴミ箱にも迷惑メールにもそれらしきものは見当たりません。
いずれにしてもあの対応はあまりに一方的で失礼だと思い、場合によってはアグレッシブに意見するくらいの強気な態度で現地へ。
店の前にハザードを出して車を止め、エントランスに向かっていくと…。(つづく)
「『ノルウェイの森』にも登場させました」村上春樹が愛する『アカデミー賞』落選曲とは?
2026.10.24 up
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。9月27日(日)の放送は「村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~」をオンエア。今回の放送では、「アカデミー主題歌賞にノミネートされながら、惜しくも受賞を逃した名曲」を特集。受賞作の影に隠れながらも今なお世界中で愛され続ける1960年代の名曲を中心に、村上さんこだわりのアナログ盤音源でお届けしました。ヘンリー・マンシーニやバート・バカラックといった巨匠たちの楽曲をはじめ、賞の裏側にあるドラマや村上さん自身の思い出、さらには昨今話題の「AIと創作活動」についての貴重なトークまで、時代を超えて愛される音楽の魅力にあふれたひとときとなりました。
この記事では、中盤4曲について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
◆Chris Connor「Dear Heart」
1964年もまたもや、ヘンリー・マンシーニさんが涙を呑(の)みます。彼の『ディア・ハート』が、『メリー・ポピンズ』の主題歌「チム・チム・チェリー」に負けちゃったんです。ディズニー映画『メリー・ポピンズ』は映画として大ヒットしたので、好意的な票が集まったのでしょうが、僕の推しは『ディア・ハート』の方だったので、ちょっとがっかりしました。
『ディア・ハート』という映画自体は大したものじゃなくて、本国でもあまり評判にもならなかったし、日本では公開もされませんでした。そのせいで損をしたかもしれませんね。でも良い曲です。『ノルウェイの森』という僕の小説の中にも、この曲をちょこっと登場させたと記憶しています。
マンシーニの作るメロディーって、チャーミングで美しいんだけど、そこにはいつも仄(ほの)かな悲しみのようなものが含まれています。クリス・コナーがボサノヴァのリズムで落選曲『ディア・ハート』を歌います。
◆Astrud Gilberto「Love Theme From "The Sandpiper" (The Shadow Of Your Smile)」
◆Chris Montez「I Will Wait For You」
さて、1965年にはジョニー・マンデルが作った『いそしぎ』が受賞しました。まずは『いそしぎ』の主題曲「The Shadow of Your Smile」を聴いてください。歌うのはアストラッド・ジルベルトです。
「The Shadow of Your Smile」、これは文句ない名曲です。ケチの付けようはありません。しかしミシェル・ルグランが『シェルブールの雨傘』の主題歌「I Will Wait For You(あなたを待っている)」で落選したのは、やはり気の毒でした。とても素敵な曲なんですけどね。そしてまた映画としては、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンのカップルが共演した大甘のラブ・ロマンス『いそしぎ』よりは、『シェルブールの雨傘』の方がずっと上だとぼくは個人的に思いますが。
クリス・モンテスが歌います。ミシェル・ルグラン作曲の落選曲「I Will Wait For You」。
◆Rita Reys「Alfie」
1966年のアカデミー主題歌賞はジョン・バリーの作曲した『野生のエルザ』がとりました。「Born Free」、美しいメロディーですね。
でも賢い雌(めす)ライオンがこの受賞を背後からそっと支えているような気がしてなりません。エルザ、素敵でしたものね。
この年、エルザのおかげで受賞を逃したのは、バート・バカラックの名曲『アルフィー』でした。僕はこの『アルフィー』という映画が好きでした。小ぶりだけど味があってね。若き日のマイケル・ケインが調子のいい遊び人、アルフィーをとても魅力的に演じていました。オランダ人のジャズ歌手、リタ・ライスが落選曲「アルフィー」を歌います。
<番組概要>
番組名:村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~
放送日時:9月27日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/