「消費が増えるか、ちょっと疑問ですね」 どうなる消費税減税? 専門家の見方は
2026.10.05 up
10月5日(月) 寺島尚正アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『おはよう寺ちゃん』(文化放送・月曜日~金曜日 午前5時00分~9時00分)が放送。元日本銀行審議委員でエコノミストの安達誠司氏と、消費税減税について意見を交わした。
消費者としてはありがたいんですけど…
寺島 「9月の第二次高市改造内閣発足の後、初めてとなる臨時国会がきょう召集され、総理が所信表明演説に臨みます。政府が提出する飲食料品の消費税率を来年4月から2年間に限り、8%から1%に引き下げる関連法案をめぐり、与野党が論戦を繰り広げます。きょう、臨時国会の召集日。提出される21本の法案の中で目玉となるのが消費減税です。安達さん、物価高対策として飲食料品の消費減税、これはどうお考えですか?」
安達 「消費者としてはありがたいんですけど、物価高対策としてどれぐらいの効果があるかっていうのは、ワタシはかなり疑問だと思っています」
寺島 「そうですか」
安達 「位置づけとして当初は、給付付き税額控除を2年ぐらいかけて制度設計をしてやるので、そのつなぎでやりますっていう話だったと思うんですが」
寺島 「でした」
安達 「ただ、その給付はでも、やるんですよね。じゃあ、給付できんじゃんって話になるので、あんまり消費減税の位置づけはよく分かんなくなっていて、もうやると言っちゃったんで、もうやりますっていう話と、やっぱり支持率にはプラスに多分効くんでしょうということでやると思うので、政治的な目的にもう変わってしまうという感じがしています。なので、政府的にはやっぱりやりたいんでしょう、ということと、あと、値段は下がるのは下がると思うので、2年間とはいえ、それはありがたいんですが、ただ、それで消費が例えば増えるかと言われると、ちょっと疑問ですね」
寺島 「だって高市政権からしてみれば、これ公約ですからね」
安達 「そうです」
寺島 「だから、やらざるを得なかった。最初は8%をゼロにするって言ったけど、レジの問題とか色々あって、1%残して。で、その1%のところを給付でいくみたいな感じに、ちょっと変化しましたもんね。総理は衆議院、参議院の両院での所信表明演説で消費税減税に関して、家計に少しでもゆとりを生み出したいと狙いを説明しています。財源については、市場の信用を得られるよう国債に頼らず確保すると訴えています。国債に限らずに財源を確保するという、総理の姿勢、これは中には、税収の上振れで十分いけるというような話もありますが、安達さん、この辺りはどう見ていますか?」
安達 「これ、2年間限定なので上振れでなんとかなるかもしれないとは、可能性はあるような気がしますけど、ただ、税収の上振れって、結局、事前に分からないものなんですよね。なので家計の行動を考えた場合は、ちゃんと一時的な効果なのか、それとも永続的な効果なのか、ちゃんと見極めて消費をするので、2年限定というのもありますけれども、あと、いわゆる財源問題で、家計があんまり確実な財源じゃないなと思っちゃうと、やっぱり消費は控えてその分貯蓄に回すみたいなことにもなるので――貯蓄が増えるんで、まあそれはいいんですけど――多分、政府が考えている消費減税で食品の値段が下がったから、他のものに消費をして、今、割と――停滞とも言えないんですけども――冴えない消費が増えるというような効果はあまりないような気がします」
「『ノルウェイの森』にも登場させました」村上春樹が愛する『アカデミー賞』落選曲とは?
2026.10.24 up
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。9月27日(日)の放送は「村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~」をオンエア。今回の放送では、「アカデミー主題歌賞にノミネートされながら、惜しくも受賞を逃した名曲」を特集。受賞作の影に隠れながらも今なお世界中で愛され続ける1960年代の名曲を中心に、村上さんこだわりのアナログ盤音源でお届けしました。ヘンリー・マンシーニやバート・バカラックといった巨匠たちの楽曲をはじめ、賞の裏側にあるドラマや村上さん自身の思い出、さらには昨今話題の「AIと創作活動」についての貴重なトークまで、時代を超えて愛される音楽の魅力にあふれたひとときとなりました。
この記事では、中盤4曲について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
◆Chris Connor「Dear Heart」
1964年もまたもや、ヘンリー・マンシーニさんが涙を呑(の)みます。彼の『ディア・ハート』が、『メリー・ポピンズ』の主題歌「チム・チム・チェリー」に負けちゃったんです。ディズニー映画『メリー・ポピンズ』は映画として大ヒットしたので、好意的な票が集まったのでしょうが、僕の推しは『ディア・ハート』の方だったので、ちょっとがっかりしました。
『ディア・ハート』という映画自体は大したものじゃなくて、本国でもあまり評判にもならなかったし、日本では公開もされませんでした。そのせいで損をしたかもしれませんね。でも良い曲です。『ノルウェイの森』という僕の小説の中にも、この曲をちょこっと登場させたと記憶しています。
マンシーニの作るメロディーって、チャーミングで美しいんだけど、そこにはいつも仄(ほの)かな悲しみのようなものが含まれています。クリス・コナーがボサノヴァのリズムで落選曲『ディア・ハート』を歌います。
◆Astrud Gilberto「Love Theme From "The Sandpiper" (The Shadow Of Your Smile)」
◆Chris Montez「I Will Wait For You」
さて、1965年にはジョニー・マンデルが作った『いそしぎ』が受賞しました。まずは『いそしぎ』の主題曲「The Shadow of Your Smile」を聴いてください。歌うのはアストラッド・ジルベルトです。
「The Shadow of Your Smile」、これは文句ない名曲です。ケチの付けようはありません。しかしミシェル・ルグランが『シェルブールの雨傘』の主題歌「I Will Wait For You(あなたを待っている)」で落選したのは、やはり気の毒でした。とても素敵な曲なんですけどね。そしてまた映画としては、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンのカップルが共演した大甘のラブ・ロマンス『いそしぎ』よりは、『シェルブールの雨傘』の方がずっと上だとぼくは個人的に思いますが。
クリス・モンテスが歌います。ミシェル・ルグラン作曲の落選曲「I Will Wait For You」。
◆Rita Reys「Alfie」
1966年のアカデミー主題歌賞はジョン・バリーの作曲した『野生のエルザ』がとりました。「Born Free」、美しいメロディーですね。
でも賢い雌(めす)ライオンがこの受賞を背後からそっと支えているような気がしてなりません。エルザ、素敵でしたものね。
この年、エルザのおかげで受賞を逃したのは、バート・バカラックの名曲『アルフィー』でした。僕はこの『アルフィー』という映画が好きでした。小ぶりだけど味があってね。若き日のマイケル・ケインが調子のいい遊び人、アルフィーをとても魅力的に演じていました。オランダ人のジャズ歌手、リタ・ライスが落選曲「アルフィー」を歌います。
<番組概要>
番組名:村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~
放送日時:9月27日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/