「全日本に向けて作戦を変えます」國學院大學・前田康弘監督【出雲駅伝レース後取材】
2026.10.12 up
――今回のレースを終えての感想は?
「展開的になかなか厳しいですよね。それでも、うちはうちの力をしっかりと出せて、大会新記録も更新できました。もちろん課題はありましたので、中3週間ではありますが、全日本に向けても作戦を変えます。やはり対早稲田をもう少し意識しないと。早稲田に先手を取られて、工藤(慎作、4年)くんがアンカーにいれば、心理的にも有利に働いて、ピクニックランみたいになってしまう。前半で競りをかけてダメージを与えて、競り勝って、貯金を作っていかないと、三冠に向けて早稲田さんが全日本までは突っ走ると思います。そういう意味では、この6枚勝負では(早稲田が)やっぱり強いですね。8枚勝負も強いと思います。でも諦めずに、うちはうちらしくやって、日本一も1回しかとっていないので、(全日本に向けて)中3週でもう1回立て直したい。良かった部分と課題も出たので、そこは個々でも反省して、全日本でもう1回早稲田に挑んで、箱根も盛り上げられるように頑張ります」
――初の三大駅伝出走となった2区・鼻野木悠翔選手(2年)に関して
「よく頑張りました。向かい風はある意味うちにとって追い風だったと思います。岡田(開成、中央大学2年)くんが前に出たが、風で返されて行けなかったのが逆に良くて、そこの運がありました。2区までは完璧な展開。3区の辻原(輝、4年)の状態が良かったので、後半に伸びればもしかして勝ってくるかなと思ったんです。4区(野中恒享、4年)で差を広げられたら、これは勝ちパターンだなと思ったが、まさかの途中で失速。その原因は本人に聞かないとわからないので、何かトラブルがなければいいなという感じです」
――6区の髙石樹選手(2年)に関しては?
「(序盤追い上げたのは)もう行けと。とにかくお前らしく走ってほしい。絶対意地でも2番を確保するぞって言いました。『任せてください』と言ってくれて、その通り彼らしい走りをしてくれました。彼は駅伝走りができる。あそこから粘れるんですよ。山でも大事なことですが。髙石のいいところは出せたと思います。ただ、やっぱり最後(早稲田の)工藤(慎作、4年)くんにねじ伏せられて、個人記録も多分持っていかれていると思うので、そこが髙石の今後の課題かなと思います」
「『ノルウェイの森』にも登場させました」村上春樹が愛する『アカデミー賞』落選曲とは?
2026.10.24 up
作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。9月27日(日)の放送は「村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~」をオンエア。今回の放送では、「アカデミー主題歌賞にノミネートされながら、惜しくも受賞を逃した名曲」を特集。受賞作の影に隠れながらも今なお世界中で愛され続ける1960年代の名曲を中心に、村上さんこだわりのアナログ盤音源でお届けしました。ヘンリー・マンシーニやバート・バカラックといった巨匠たちの楽曲をはじめ、賞の裏側にあるドラマや村上さん自身の思い出、さらには昨今話題の「AIと創作活動」についての貴重なトークまで、時代を超えて愛される音楽の魅力にあふれたひとときとなりました。
この記事では、中盤4曲について語ったパートを紹介します。
「村上RADIO」
◆Chris Connor「Dear Heart」
1964年もまたもや、ヘンリー・マンシーニさんが涙を呑(の)みます。彼の『ディア・ハート』が、『メリー・ポピンズ』の主題歌「チム・チム・チェリー」に負けちゃったんです。ディズニー映画『メリー・ポピンズ』は映画として大ヒットしたので、好意的な票が集まったのでしょうが、僕の推しは『ディア・ハート』の方だったので、ちょっとがっかりしました。
『ディア・ハート』という映画自体は大したものじゃなくて、本国でもあまり評判にもならなかったし、日本では公開もされませんでした。そのせいで損をしたかもしれませんね。でも良い曲です。『ノルウェイの森』という僕の小説の中にも、この曲をちょこっと登場させたと記憶しています。
マンシーニの作るメロディーって、チャーミングで美しいんだけど、そこにはいつも仄(ほの)かな悲しみのようなものが含まれています。クリス・コナーがボサノヴァのリズムで落選曲『ディア・ハート』を歌います。
◆Astrud Gilberto「Love Theme From "The Sandpiper" (The Shadow Of Your Smile)」
◆Chris Montez「I Will Wait For You」
さて、1965年にはジョニー・マンデルが作った『いそしぎ』が受賞しました。まずは『いそしぎ』の主題曲「The Shadow of Your Smile」を聴いてください。歌うのはアストラッド・ジルベルトです。
「The Shadow of Your Smile」、これは文句ない名曲です。ケチの付けようはありません。しかしミシェル・ルグランが『シェルブールの雨傘』の主題歌「I Will Wait For You(あなたを待っている)」で落選したのは、やはり気の毒でした。とても素敵な曲なんですけどね。そしてまた映画としては、エリザベス・テイラーとリチャード・バートンのカップルが共演した大甘のラブ・ロマンス『いそしぎ』よりは、『シェルブールの雨傘』の方がずっと上だとぼくは個人的に思いますが。
クリス・モンテスが歌います。ミシェル・ルグラン作曲の落選曲「I Will Wait For You」。
◆Rita Reys「Alfie」
1966年のアカデミー主題歌賞はジョン・バリーの作曲した『野生のエルザ』がとりました。「Born Free」、美しいメロディーですね。
でも賢い雌(めす)ライオンがこの受賞を背後からそっと支えているような気がしてなりません。エルザ、素敵でしたものね。
この年、エルザのおかげで受賞を逃したのは、バート・バカラックの名曲『アルフィー』でした。僕はこの『アルフィー』という映画が好きでした。小ぶりだけど味があってね。若き日のマイケル・ケインが調子のいい遊び人、アルフィーをとても魅力的に演じていました。オランダ人のジャズ歌手、リタ・ライスが落選曲「アルフィー」を歌います。
<番組概要>
番組名:村上RADIO~くたばれ、アカデミー賞~
放送日時:9月27日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/