吉崎達彦氏「緊張高まるウクライナ情勢~プーチンは現状をエンジョイ!?」

連日緊張が高まっているウクライナ情勢。岸田総理はこの程、ロシア軍がウクライナに侵攻した場合の制裁案について初めて具体的に明言した。これを受けてエコノミストの吉崎達彦氏は2月15日の「くにまるジャパン極」(文化放送)で、ロシアのウクライナ侵攻の可能性や、プーチン大統領の思惑などについて解説した。

野村邦丸アナ「一触即発がいつあるか読めない中で、株価がニューヨーク・東京ともガクッと下がっていますし、一方ガーンと上がったのが原油ですよね。世界中に緊迫・緊張状態が影響を与えているわけですが、『いや~ロシアはやんないでしょ』って見方をする方もいれば、『逆にウクライナが手を出すんじゃないか』とか、あくまでも推測でわからないですが、吉崎さんいかがですか?」

吉崎氏「いやいや、この話をしていくと『プーチンさんの頭の中が覗けないからわからない』っていう、どんな専門家も結局最後はそこになっちゃうんですよね。で、前回2014年にクリミア併合をやっちゃった時には、どうもプーチンさんは最後3人ぐらいの人と相談して決めている。だからもしやるとしたら本当に数人だけで決めちゃうし、おそらくまだ決めてないと思うんですよね。で、そうやって時間が経ってまわりがジリジリしている状態を多分に彼はエンジョイしているんじゃないかって気はしますけどね」

邦丸「今吉崎さんがおっしゃった大事な言葉で『エンジョイしているんじゃないか、プーチンさんは』。今プーチンさんの意向一つで、ロシア以外の国々っていうのはみんな震撼しているわけですよね?」

吉崎「私エンジョイしているなと思うのはこの間フランスのマクロン大統領がロシアに行った時に、長いテーブルの端っこに座らせて、それをまた写真に撮らせているわけです。それはPCR検査をマクロン大統領が拒否したと、『俺のDNAをロシアに知られたくはないんだ』といったら、『じゃあおまえ心配だから』と言って長テーブルの端っこと端っこで話をするという、首脳会談にしては不思議な画が撮れちゃったわけですが、あれは何かある種のユーモア感覚だと思うんですよ。ただ一方で、フランスの方から聞こえてくるのは、『どうも今回会ったプーチン大統領は今までの人と全然違う、別物だ』という話が流れていて、ひょっとしたら、おかしくなっているんじゃないかっていう」

邦丸「えっ!?正常じゃないの?」

吉崎「なんかこう、ボケちゃったんじゃないか?っていう考えも成り立つわけですよね。もちろんそれが演技だという可能性も有り得るので、そうすると最後は頭の中を覗けないという話になって、堂々巡りになるわけですが。一方でワシントン筋では2月の16日みたいな情報がしきりに出てきてますが、私はまたその予測は外れるんじゃないかと。で、一番私が考えるありそうな結論は、今ベラルーシでロシア軍とベラルーシ軍が共同演習をやっていて、これが2月20日までなんです。それってちょうど北京オリンピックの閉会式じゃないですか。その時に『はい、演習終わり!』ってそのままスーッと退いて行って、『ロシア軍が侵入するなんて誰が言ってたんだ?』ってプーチンさんが言ってそれで終わりと。これが一番綺麗かなと」

邦丸「各国の首脳はお互いに内なる事情を抱えていて、その辺で温度差も出てくるし、プーチンさんからすると『おまえら足並み乱れてんな~』って高笑いしているような気がするんですけどね」

吉崎「私も別に軍事の事をそんなにわかっているつもりはないんですけど、今集まっている10万とか13万とかの軍隊で、ウクライナ全土の占領は無理ですよね。首都のキエフを落とすことぐらいは多分出来るんでしょうけど、無茶苦茶広い国ですから、アメリカのイラク戦争の時のことを考えても占領は無理ですよね。だから、本当に国境を破ってって、そんなことやるのかな?」

吉崎氏も大きな疑問符を投げかける現在の情勢。プーチン大統領がエンジョイしている時期はそう長く無いだろうと語るが、可能な限り平和的な解決を望みたいところである。

 

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「まん防」感染抑制への影響は? 沖縄解除方針で「統計的な結果を見せてほしい」

2月15日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では沖縄県の「まん延防止等重点措置」を延長しない方針が話題に上がり、火曜コメンテーターで上武大学教授の田中秀臣氏と、寺島尚正アナウンサーが意見を交わした。

政府は、新型コロナウイルス対策として、沖縄県に2月20日までの期限で適用している、まん延防止等重点措置を延長しない方針を発表し、週内に判断するとしている。オミクロン株の感染拡大による第6波で、1月9日から沖縄県など3県に、まん延防止等重点措置がとられているが、解除されるのはこれが初めてとなる。沖縄県の新規感染者数は減少傾向が続いており、13日時点で前週比0.87倍だった。沖縄県は明日16日、対策本部会議を開き、解除要請の可否を協議する方針だ。

自身も感染経験のある田中氏は、「この段階であれば合理性あると思うんですが、そもそも重点措置が感染抑制にどれくらい効果があるのか。私が新型コロナに感染する前から言っていることですが、経済に対する悪影響ははっきりしていますよね、まん防であれ緊急事態宣言であれ。ところが感染抑止に関してはどうもよくわからないと。ですので専門家の人たちのはっきりとした統計的な結果を見せてほしいと思うのですが、なんとなく雰囲気で措置をとったり解除したりしている感じは拭えません。そういうものが政治に対する不信にもつながるのではと思います」(田中氏)

「わからないから何でもやってみるというのもわかりますが、田中さんがおっしゃるように経済には多大なる影響を与えるわけですから、それとのバランスを考えた時にどうなんだとなりますよね」(寺島アナ)

「すでに新規感染者数の増加スピードは、まん延防止対策をとる前からどこも下がっていたので、どこまで加速したのか、あるいはしなかったのかがよくわからない。雰囲気だけでまん防がとられていますね。行政の言い訳みたいなところがあるんじゃないかという気がしますね」(田中氏)

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