桐野夏生が代理母ビジネスを描く最新作『燕は戻ってこない』ロシア、ウクライナとの関係は?

3月17日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)には、小説家の桐野夏生さんが登場。新刊『燕は戻ってこない』(集英社)の紹介や、ロシアのウクライナ侵攻への意見などを語った。

桐野さんが会長を務める日本ペンクラブは、ロシアのウクライナ侵攻に反対する声明を発表したばかり。
これは日本文芸家協会(林真理子理事長)、日本推理作家協会(京極夏彦代表理事)との共同声明でもある。

桐野夏生「小説や詩を書いたり、ジャーナリストやエディターとして出版に携わったりする方たちが、みんなで声明を出していくような団体は、いつの時代にも必要なんじゃないかと思うんですよね。私たちの存在意義もあると思うんですけど。今回はアピールできてよかったと思います」

そして話題は、新刊『燕は戻ってこない』(集英社)へ。

大竹まこと「今回の作品は、ウクライナとちょっと関係がありますよね」
桐野「そうですね、たまたまなんですけれども。この本にも書いてありますけど、代理母出産ってロシアとウクライナで多いんです」

連日ニュースでは、代理母によって出産された子どもたちが、情勢ゆえに迎えに来てもらえないことが報じられている。
本作は日本を舞台に、困窮した女性が秘密裏に代理母を引き受ける。

桐野「日本では代理母出産はできないと法律で定められているので、主人公の場合は法律をかいくぐってやってるわけですけれども、『もしかしたらそういう方もいらっしゃるかもしれない』という気持ちで書いています」

桐野さんは、若い女性の貧困問題について語る。近年、自殺率も上昇傾向にある。

小島慶子「女性の貧困ってずっとある問題で、ニュース記事にもなるんですけど、社会の中で見えなくいところがある。桐野さんは一貫して、それを『OUT』『グロテスク』『路上のX』など小説という形で時代ごとに書かれています。(中略)桐野さんの小説って、読んでいると怒りを持って描かれているという感じがします」
桐野「時代を変遷すると、もっと良い方向に行くんじゃないかと思って暮らしていたんですけれど、意外や意外、どんどん悪くなるような。経済的なシステムみたいなものが、女の人にものすごく不利にできていて、改善されないどころか悪化しています」

桐野さんは「小説は困っている人や苦しんでいる人も描く芸術なので、そういう女の人に目がいってしまうんです」と語った。

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橋本大二郎さんが憂慮する原発問題とウクライナ情勢。その解決策は?

『私にNGはございません』でおなじみのご意見番・橋本大二郎さんが、3月17日放送の「くにまるジャパン極」(文化放送)に出演。前日の16日午後11時36分頃に福島・宮城などで起こった震度6強の地震を受けての東日本大震災と原発のお話、そしてウクライナ情勢について、今月も『忖度無しのトーク』を展開した。

野村邦丸アナ「昨日の大きな地震があった時、大二郎さんはどうされていました?」

橋本氏「ケーブルテレビで中国の時代劇ドラマを観ていたんです、女房と。最初は『地震だね?』と僕が言ったら女房は気付いてなかったんですが、だんだん揺れが長引いて、最後にユラユラっという横揺れの凄いのが来ました」

邦丸「東日本大震災に関するニュースを先週の11日の金曜日にお伝えして、まだ1週間も経たないところで、これだけ大きな地震が起きたということで、本当に福島、宮城、岩手にお住まいの方々はどんな気持ちだったんだろうと思いますが」

橋本「そうですよね。昨日の地震は、震源の深さが60kmなんですよね。東日本大震災を調べたら24kmで、浅かったと。だからあれだけの大津波になった。昨日の地震も7.4のマグニチュードですから、浅かったらもっと大きな津波の危険性があったことを思うと、本当に皆さん心配だろうと思うんですよ。その中で特に思ったのは、昨日もあの地震で福島第一原発の使用済み核燃料の貯蔵のところで電源が切れちゃったと。で、しばらく冷却しなきゃいけないのが出来なかったと。使用済み核燃料だから炉心と違ってしばらく停まってても大きな影響はないわけですが、11年前に全電源が停まって原子炉の爆発を起こしていながら、未だ電源が停まった原因がわからないと言うのが、非常に恐ろしく思ったんです」

橋本氏はさらにこんな問題を指摘した。

橋本「しかも、福島第一原発の廃炉の手続きがまったく進んでないんですよね。炉心が融けてデブリと呼ばれる塊が出来ているわけですが、そこにどうやって近付いてどうやって取り外して、どこに捨てるか何も決まっていないと。何も決まらなくても十数兆円ものお金が後始末のためにかかっている。今後何十兆円かかっていくかわからない。それで例えあそこを更地にしたとして、誰が使うの?と言うことを考えると経済的に成り立たない仕組みになってるんじゃないかなと、そういう疑問をこの11年間の間に自分は持って、安全性の話よりも経済性の話で原子力発電所について、もう一度考えたらいいんじゃないかな」

続いて、ウクライナのゼレンスキー大統領が16日にオンラインを通じてアメリカ議会で演説し、ウクライナ上空の飛行禁止区域の設定や戦闘機の提供をアメリカに求めたというニュースについて。

邦丸「一時期アメリカの一番新しい戦闘機F16をポーランドに供与する、ポーランドは今使っているロシアのミグ29をウクライナに供与するという話でまとまりそうだなーと思ったら、そうじゃないんですね?」

橋本「そうじゃないんですねえ。それはウクライナの上空に飛行機を飛ばさないという話と同じで、アメリカなどから見れば、ほとんど戦闘行為にアメリカやNATOが加わるということになって、ロシアがそれに反発した時に第三次世界大戦になると。それは避けたいと言う理由でここまで来てるわけです。だけど、どこかで何かの妥協もしていかなければいけない時に来てるんじゃないかなと。ここまでの流れを見ればウクライナが善玉、ロシアが悪玉。それはもう間違いないですね。だけど悪玉をただ懲らしめてやるぞと言ってるだけで解決するかと言うとなかなかそうならない。『最悪のこと』を避けるために何か悪玉と妥協すると言う道があるんじゃないかなと」

邦丸「国連の限界は確かに皆さんお考えになっているかと思うんですけど、最終的にアメリカが仲介に乗り出すと言うことはあり得るんですか?」

橋本「それはあり得ると思いますよ。オーストリアという国が第二次世界大戦の後ね、ナチスに占領されていたわけですが、ナチスを追い出して、ソビエトが傀儡政権的なものを作り、西欧側がその政権を認めて、なおかつ中立国にしてNATOに入らないと言う形をとって今日があるわけです。その形はどうか?と言うアイデアが出て来て、それに対してウクライナは、もっと強い保証が無いとオーストリアのような形になるのは怖いと今言ってる段階です。だけどそう言う過去の歴史の中で出てきたアイデアをどうやって今の時代のウクライナとロシアにあてはめるか、冷静であれば議論できますが、プーチンさんが冷静じゃないので、そう言う絶対権力者を前にどうやって落としどころをつけるのかと。アメリカには当然仲介する力はあると思いますが、アメリカが手をこまねいているとロシアに影響力の強い中国が出て来て漁夫の利的なことを得る可能性もあるので、そうさせてはならじとアメリカや日本がどうしていくかと言うことですね」

「くにまるジャパン極」での橋本大二郎さんのご出演は今回が最後となるが、4月からスタートする「くにまる食堂」にも引き続き毎月ご登場いただけるとのことなので、これからもどうぞお楽しみに!

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