文化放送開局記念ウィーク特別番組 『知っていますか?ロービジョン~0と1の間Vol.2』3/29(水)午後7時00分~放送決定

2023年3月31日(金)で開局71年目を迎えるにあたり、文化放送は3月27日(月)より一週間を「文化放送開局記念ウィーク」として、様々な特別番組を放送する。

今回決定した特別番組は文化放送開局記念ウィーク特別番組『知っていますか?ロービジョン~0と1の間Vol.2』。3月29日(水)午後7時00分より放送するという。

当番組は、『知っていますか?ロービジョン~0と1の間』(2022年9月19日放送)の第二弾で、自らロービジョン者である文化放送社員が企画・制作を担当し、“健常者と盲目の間”であるロービジョン者の見え方や気持ちを広く理解してもらう番組をお届けします。今回もパーソナリティには、この番組の趣旨を深く理解しているサヘル・ローズを迎える。

番組では第一弾放送後、多くの視覚障碍関係者からの反響があった。そこで第二弾では、番組宛に届いたメッセージをもとに取材を重ね、ロービジョンの患者を支える様々なテクノロジーのその後の進化、患者支援の様々な動きなどを中心に取り上げていく。

<取材一覧>
①愛知淑徳大学健康医療科学部視覚科学専攻学科
今年1月に行った当番組のプロデューサーによる特別講義の内容や学生との質疑応答を紹介。将来視覚障碍者の医療を支える仕事にへの就職を希望する参加学生に、眼科の医療に携わりたい理由などについてインタビューし、若い学生たちの熱い思いを伝える。

②日本科学未来館が開発した視覚障碍者のためのナビゲーションシステム「AIスーツケース」初の路上実験
第一弾で紹介した、視覚障碍を持った研究者である日本科学未来館・館長の浅川智恵子氏が指揮をとり開発したナビゲーションシステム「AIスーツケース」。行き先のインプットにより視覚障碍者を目的地まで案内してくれる画期的なシステムで、現在では屋外でも稼働させることが可能になりました。今回は、道路上で行われた実証実験の模様を紹介するとともに、実験に携わった視覚障碍者の感想、今後に残された課題を紹介する。

③視覚障碍者のためのナビゲーションツール「アシラセ」開発者・千野歩氏
昨年10月に開催されたテクノロジーの進歩を競う「VISI ONE」で、最優秀賞に選ばれた株式会社ASHIRASEが開発した「アシラセ」。「アシラセ」は視覚障碍者が履く靴に振動する装置を取り付け、その振動によって視覚障碍者に歩く方向を指示するナビゲーションシステムで、番組では千野歩社長に商品化するまでの苦労や今後更に改善すべき課題などを聞く。

④眼科医療はどうあるべきなのか~井上眼科病院、若倉雅登名誉院長に聞く
「目の相談室」というシステムを作り上げ、眼科医・看護師・視能訓練士・ソーシャルワーカーなどがひとつのチームを組んで、患者一人一人の医療に取り組んでいる井上眼科病院・若倉雅登名誉院長に話を聞く。

現在、番組に対するメッセージを募集している。
メールアドレスは、lv@joqr.net

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自動車修理工場の女性社長が「自動販売機のハンバーガー」を開発

トラックなどのドライバーさんのなかには、昭和の頃は、よく幹線道路沿いにあった自動販売機のハンバーガーで、お腹を満たした経験がある方もいらっしゃることでしょう。じつは最近、令和版の「自動販売機のハンバーガー」がじわりじわりと増えているんです。今回は、この自動販売機のハンバーガーを手掛けている自動車修理工場の方のお話です。

ハンバーガー自販機と小林さん

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

東京・新宿から中央道の高速バス、または新幹線と飯田線の特急「伊那路」を乗り継いで、およそ4時間の長野県飯田市に「ガレージいじりや」という自動車修理工場があります。敷地内には、トヨタ・パプリカ、マツダ・シャンテをはじめ、昭和の車がズラリ。しかも、工場の前にある懐かしい自動販売機コーナーが目を引きます。

お店の代表・小林由季さんは、埼玉県出身の41歳。小さい頃、ちょうどミニ四駆が大人気だったこともあって、クルマに興味を持ちました。19歳でオートマチック車限定の運転免許を取ると、街を颯爽と駆け抜けていった、白い「マツダ・RX7」に心躍ります。

『カッコいい!あのクルマに乗りたい!!』

そう思った小林さんは、知り合いの自動車関係者に相談すると、軽くあしらわれました。「RX7? アンタ、あのクルマ、マニュアルだし、ロータリーエンジンって知ってるの? 乗りたいなら、自分で自動車が整備出来ないと、まず無理だよ」

愛車のマツダ・シャンテと小林さん

マニュアルもロータリーエンジンも、全くチンプンカンプンだった小林さんですが、乗りたい思いが高まって、マニュアルで免許を取り直し、自動車整備士を目指します。男社会の自動車修理工場で、厳しい試練を乗り越えて、見事、整備士資格を取得。縁あって信州に移り住むと、趣味で借りたガレージで、ノーマルタイヤからスタッドレスタイヤへの履き替えを請け負ったことをきっかけに、2010年、自ら自動車修理工場を立ち上げました。

やがて、工場のスタッフが昭和43年製・スバル360の修復を成し遂げたことから、小林さんも古い車に興味を持ち、旧車が続々持ち込まれて、車雑誌にも注目されます。あれよあれよと、旧車好きならまず知らない人はいない工場に成長。小林さんは雑誌連載企画で、旧車でレトロな自動販売機巡りをすることになりました。

ところが、ここで小林さんは大変なことが起きていたことに気付くんです。

『大きな道路沿いにたくさんあったハンバーガーやうどん・そばの自動販売機コーナーがどんどん無くなっている……』

24時間営業のコンビニエンスストアが増えた一方で、自動販売機は経年劣化、オーナーさんの高齢化も進んで、自動販売機コーナーは次々と姿を消していたんです。そんな折、小林さんはお祖父さまを亡くしたことで、小さい頃、自動販売機のハンバーガーをなかなか買ってもらえなかった記憶がよみがえりました。

『あの思い出の、自動販売機のハンバーガーを残したい。ならば、ハンバーガーを作っている食品メーカーを助けよう!』

自動販売機コーナー

そうひらめいた小林さんは、さっそく自動販売機用のハンバーガーを仕入れます。自動車工場の前に冷蔵機能付きの自動販売機と電子レンジを設置して販売を始めると、ちょうどコロナ禍と重なったことで、テイクアウトのニーズをつかんで大繁盛。各地のレトロ自動販売機で売れたハンバーガーのおよそ4倍を1台で売り上げました。

小林さんはもうイケイケドンドン、自動販売機を増やして各地で大人気となりますが、あまりの売れ行きにハンバーガーメーカーのほうが悲鳴を上げてしまいます。安定した納品が出来ないので、もう勘弁してくれませんか、と言われてしまったのです。代わる製造業者も無く、困り果てた小林さん、思い切りました。

『ハンバーガーを作ってくれる会社が無いなら、自分の会社で作ってしまおう!』

もちろん、小林さんは自動車整備士ではありますが、食品の知識は全くゼロ。体当たりで、様々な食品製造に関する許可や食品衛生を、片っ端から学んでいきます。食品部門の「いじりやフードサービス」も立ち上げ、ハンバーガーを作ってみましたが、パンはパサつき、肉の脂は溶け出し、レタスなどの生野菜は安全性の面で使えません。しかも、自動車修理工場と食品工場の二刀流で、睡眠時間3時間の日々が続きました。

ふんわりバンズのチーズバーガー

それでも試行錯誤を繰り返し、味やソースにもこだわったチーズバーガーに辿り着いて、安定した製造、出荷も出来るようになりました。今は、全国で39台の自動販売機が元気に稼働中。自動車修理工場生まれの自動販売機とハンバーガーは、各地域で話題になっています。

「気合と根性でやってきました」と笑う小林さんですが、やりたいことはいっぱいです。

「レストランもやってみたいですし、クルマのテーマパークがあっても面白いですよね。ハンバーガー片手にみんなに巡ってもらって。夢は大きく持てば、きっと叶います!」

「RX7に乗りたい」から始まった小林さんの夢、今はまだ、その途中です。

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