御本尊を拝めるのは12年に一度!福岡県小郡市「かえる寺」の御開帳

スナッピー蒲池みなみ(右)と前田愛美

福岡県小郡市には「かえる寺」という愛称で親しまれ、観光名所にもなっている寺院があります。RKBラジオのキャスタードライバー・スナッピーが、この「かえる寺」で12年に一度という御本尊の御開帳の様子を取材し、4月7日の『#さえのわっふる』でリポートしました。(報告・スナッピー蒲池みなみ)

声楽を専攻・福娘も務めた新人スナッピー

初めまして! スナッピー蒲池みなみです。4月1日のデビューからあっという間の毎日で、気づくと2週目に突入していました。今年2月に大阪から1人で引っ越してきて、知らない土地、人ばかりでしたが、色々な人に出会って少しずつ慣れてきました。

私は大阪で生まれ育ち、8年間声楽を専攻してきました。4年間、大阪府箕面市にある勝尾寺の福娘(現・勝娘)をしていたので、今回、福岡県内にあるお寺に取材で伺うことができて、とても嬉しかったです! これから皆さんよろしくお願いします。

12年に一度の御本尊御開帳

4月7日(月曜日)、如意輪寺(小郡市)で行われている「御本尊の御開帳」をリポートしました。

如意輪寺は奈良時代、西暦729年に行基によって建立されました。御本尊の如意輪観音像は「12年に一度の巳年」だけ御開帳されるのですが、それが今年、2025年。この貴重な機会に、観音様を拝んできました。

観音様は顔が1つ、手が6本の一面六臂(いちめんろっぴ)、日本で唯一、立像の観音様です。朗らかな顔で見守ってくださっていました。観音様から五色の紐が参道まで伸びていて、その紐を持って観音様と直接繋がることもできます。

長い年月を経ているのにもかかわらず、顔は目鼻立ちがくっきりしていて、凛としたたたずまいでした。

※観音様の様子は残念ながら撮影不可なので、その姿は、ぜひ足を運んで確認してみてください。

1万点を超えるカエルたちが迎える寺

如意輪寺は「かえる寺」という別名もあって、境内はさまざまなカエルの像であふれていました。その数、1万点を超えるそうです。

こちらは「初代蛙殿」。前の住職が中国から持ち帰ったそうです。これをきっかけに参拝者からいただいたり、寺で購入したりして増えたそうです。

私が気になったのが「かえる寺でへび年に御開帳」の理由。カエルにとって蛇といえば天敵のはず。住職にお伺いすると、蛇は関係ないそうです。ホッとして、かわいいカエル達にも癒されました。

参拝者の中には外国の方もいて、境内には韓国語の案内もありました。

貴重な「ご本尊の御開帳」は4月17日まで。これを逃すと次に見られるチャンスは12年後の2037年です。

#さえのわっふる
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 13時00分~17時00分
出演者:武田早絵、光ママ
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※放送情報は変更となる場合があります。

大阪から東京まで56日間の“長距離ハイキング”、忘れられないおにぎりの味

先日、大阪・関西万博が開幕しました。今回は、東京と大阪を結ぶ「東海自然歩道」のお話です。

東海自然歩道の起点(東京・高尾山)(写真提供:トレイルブレイズ ハイキング研究所)

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

日本初の長距離自然歩道「東海自然歩道」を知っていますか? 郊外の自然を守るグリーンベルトとして、自然や歴史文化に親しみ、健康と安らぎを楽しむ場として、1969年(昭和44年)に当時の厚生省が構想を立ち上げました。東京の起点・高尾山から、神奈川、山梨、静岡、愛知、岐阜、三重、滋賀、奈良、京都、そして大阪の起点・箕面まで、11都府県を結ぶ自然歩道が開通したのは、1974年(昭和49年)のことでした。

東海自然歩道のルート。赤色は主線、黄色は複線(資料提供:トレイルブレイズ ハイキング研究所)

自然と人を結ぶ「トレイル文化」を日本に根付かせようと活動しているのが「一般社団法人 トレイルブレイズ ハイキング研究所」、通称「トレ研」。所長で長距離ハイカーでもある長谷川晋さんにお話を伺いました。

「私たちはアメリカのトレイル文化を実際に歩き、体験し、学んできました。そこから着想を得て、日本の自然や地域性を楽しめる“長距離ハイキング”を広めたいと、2020年にこの組織を立ち上げました。歩く文化が根付き、育っていくことを目標に、活動を続けています」

昨年と今年、「トレ研」主催のイベント『つなぐ東海自然歩道』が、名古屋と大阪で開催され、会場には180人を超えるトレイルファンが集まりました。そのイベントに登壇し、実際に「東海自然歩道」を歩いたハイカーの山中二郎さんをご紹介します。

左:富士山を望み富士山を巡る、右:秋を感じながら三重県を歩く(写真提供:トレイルブレイズ ハイキング研究所)

愛知県在住の山中さんは42歳。神社やお寺、文化財の建築・修理に携わる宮大工として活躍されています。山中さんは、大学を卒業後、会社に就職しましたが、子どもの頃から手先が器用で、物づくりが好きだったことから、いつか靴職人や革細工など手仕事に関わる仕事をしたいと考えていました。

「そんなに物づくりが好きなら、宮大工になれや」と声をかけてくれたのは、宮大工をしていた山中さんの兄でした。26歳のとき、山中さんは滋賀県の工務店に転職しますが、宮大工の修行は時代によって建築の工法が異なるため、覚えることが多く、扱う道具も多く、いろいろと苦労したそうです。現在は独立し、宮大工一筋に歩んできた山中さんがなぜ自然歩道を歩くようになったのか、こんな話がありました。

伊豆大島で生まれ育った山中二郎さんは、自然の中のキャンプやハイキングが大好き。さらに手先が器用なこともあり、アメリカから取り寄せた生地や素材で、ハンモックや寝袋を自分で作っていました。

左:苔むしたトレイルを行く、右:トレイル上は人気も少なく静かだった(©山中二郎)

「アメリカでは、キャンプ用品を自分で作る人が多いんですよ。それをテストしながら、ロングトレイルを楽しんでいる人がいることを知って、長距離ハイキングに興味を持ちました」

2022年、山中さんはアメリカの「コロラド・トレイル」、750キロを踏破。トレイル全線を一気に歩く「スルーハイキング」の魅力に、すっかり魅せられます。帰国後、以前から興味を持っていた1200キロの「東海自然歩道」をスルーハイキングしてみようと、2024年10月6日、大阪の起点・箕面から、東京・高尾山を目指して歩き始めました。

「リュックには、ハンモックや寝袋、着替え、あとは食料を詰めました。道に迷わないようにスマホに地図アプリを入れて、モバイルバッテリーも携帯しました。ロングトレイルの魅力は、自分のペースで歩けること。ルートから外れて、寄り道をしてもいいんです。私は仕事柄、京都や奈良で寺社仏閣巡りを楽しみました。映画『男はつらいよ』の寅さんになった気分で、風の吹くまま、気の向くまま、そんな風来坊のような旅でしたね」

自然歩道を外れて街に出て、食料の補給をしたり、バッテリーを充電したり、たまに温泉につかり、名物料理を食べたり、何もしない日もあったり。それもロングトレイルの魅力のひとつだと、山中さんは言います。

左:キャンプ場でひと息、右:林の中にハンモックを吊るして野宿(写真提供:山中二郎)

静岡を歩いていたある日のこと。人里が近く、野宿できる場所が見つからないまま、気がつけばすっかり夜に……。ルートから3キロほど離れた場所にキャンプ場を見つけましたが、すでに夜7時を過ぎており、管理人さんは帰った後でした。看板に書かれていた電話番号にかけ、「東海自然歩道を歩いているんです」。そう伝えると、「年に一人か二人くらい、うちのキャンプ場に来るよ。いいから、泊まっていって」と、快く受け入れてくれました。

翌朝、キャンプ場に現れた管理人さんが、山中さんを車で東海自然歩道のルートまで送ってくれました。そして別れ際に「これ、食べて行ってよ」そう言って手渡してくれたのは、おにぎりでした。

「あのおにぎりの味は、一生忘れられませんね」

東京・高尾山に着いたのは11月30日……、56日かけて歩いた山中二郎さん。人のぬくもりも、道しるべになっていました。“現代版・東海道五十三次”とも呼ばれる「東海自然歩道」を、あなたも歩いてみませんか?

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