水道水でウイルス除去!「間違い」から生まれた世界初の装置

この夏は新型コロナが再び流行しました(のどの痛みが特徴のニンバス)。他にも、手足口病やりんご病が子どもたちに流行したり、百日咳も過去最大規模の流行となりました。そして、これから冬に向かうと今度はインフルエンザも心配・・・。

感染症の対策は、空気清浄機や除菌スプレーなどがありますが、実は今週金曜日に、世界初となる、ある画期的なウイルス除去装置がお目見えするのです。

水道水を「純水」に変えて、ウイルス除去!!

何がどう画期的なのか。この装置「moya」を開発した、プルガティオ株式会社代表取締役の森久康彦さんにお話を伺いました。

プルガティオ株式会社代表取締役 森久康彦さん

「ウイルスを水で減らすっていう仕組みなんです。一般的に言う空気清浄機は、ある物をフィルターに吸い込んで綺麗にする、要は待ち受けするという仕組み。我々の物は加湿器のような仕組みなんですけれども、ウイルスを減らすための霧を部屋中に漂わせて、漂うことによってそこでウイルスと衝突して、ウイルスを活動停止状態、まあ簡単に言やぁ殺しちゃうっていうことになりますね。ですからどっちかというとアクティブタイプなんですよ。

それこそ塩素を使ったりとかオゾンを使ったりとか、そういうのはたくさんあるんですけれども、水でそれを実現するというところが、今回の大きなポイントなんです。水道水にある不純物、塩素とかミネラルとか、それをイオン交換樹脂に吸着させて、まったく不純物のない水に変える。そのピュアな水を、噴霧装置に眼鏡を近づけてもまったく曇らないレベルの小さな霧にして、漂わせることができるんですね。そのことによってこの空間のウイルスを減らす、ということになります。」

薬品は使わずに、水道水だけなのに、ウイルスを殺しちゃう??ちょっと信じられない感じですよね。

しかし、装置はいたってシンプル。上から水道水を入れて、装置の中で水道水を不純物のない「純水」に変えて、それをナノレベルの非常に細かいミストにして噴霧する。

<こちらが「moya」の内部 グレーのろ過装置の上に水道水が 下には純水が溜まりミストを発生させています>

この細かいミスト、吹き出し口に手をかざしていても、まったく湿らないほど細かい。この小ささが空間を漂うことを可能にしているのですが、漂いながらウイルスにアタックして不活性化、つまり殺しちゃうんです。これが非常に画期的。

<ミストの吹き出し口に手をかざしても水滴がつきません!ビックリ!>

比較のために水道水を使うところ、間違えて純水を使ったら・・・

実は、この「水でウイルスを減らせる」という事実が発見できたのは、ある人物の、ある間違い、のおかげなんです。間違えたのは、株式会社安藤・間の技術研究所主任研究員の青木貴均さん。

青木さんは、建物内の空間に、ペパーミントなどのアロマオイルを撒くことで、いい香りなだけでなく除菌もできないか?という研究をしていた。ペパーミントでどれだけウイルスが減るか実験し、その効果のデータを取っていたのですが、いったい何を間違えたのか。青木さんに聞きました。

株式会社安藤・間 技術研究所主任研究員 青木貴均さん

「普通は水道水使うんですね。それを比較用の実験データとして出すんですが、あの間違って蒸留水を噴霧しちゃったらなぜか(ウイルスが)減っちゃって、アロマと比べても蒸留水の方が減っちゃって、なにこれ?っていう話になって、改めて水道水を撒いたら、普通に減らずにっていう結果になって、普通は比較して水だったら減らないねってなるのが、蒸留水だと減っちゃったんで、これだと論文に出せないなっていうところでしたけど。

まあよく考えたら、水で減るならいいんじゃね?みたいなところになって、そういう綺麗な水を噴霧すると、浮遊ウイルス除去効果ということで、感染症対策になるってことが、どうもありそうだってことで今に至るってとこですかね。」

ペパーミントの効果を示すために、比較として水道水を撒いて「ほら水道水では全然減らないけど、ペパーミントではこんなにウイルスが除去できますよ」と、したかったんです。それなのに、間違えて純水である蒸留水を撒いてしまった。そうしたら、なんと、国の基準で、この数値ならウイルス除去できたと言って良い、と決まっている数値よりも二桁もウイルスが減っていた!まさかの「間違え」から生まれた大発見だったんです。

大量の在庫だった物が、宝の山に!!!

そして、この「水だけでウイルスが減る」という発見に救われたのが森久さん。

実はこの装置、元々は塩素などの薬剤を使ってウイルスを除去する装置として開発され、オリンピック関連施設への納品が決まっていたのですが、無観客開催となり大量の在庫となっていました。そこに青木さんの間違えが飛び込んできます。再び森久さんのお話です。

プルガティオ株式会社代表取締役 森久康彦さん

「青木さんが、困ったんですよね~、水で減っちゃったんですよ、ってなったんですよ。それが発見された年に、ソニーさんとNTTさんの合弁会社から、安く払い下げるよって1万7800台を移動したんですけど、移動するだけでも3000万くらいかかったっていう(笑)。ただ、非常に、今となれば宝の山です。捨てる神もいたし、拾う神もいたんですよね。その在庫を、水道水入れたら純水に変える仕組みをその中に作って、上から水道水入れれば純水になってウイルスが減るという仕組みの「ウイルスリデューサー」に、そこで生まれ変わるわけです。

水で減るんだったら誰も危ないって思わないじゃないすか。だって飲んでるお水をろ過するだけなんですから。そうすると、今まで我々が、散々、塩素大丈夫なの?ホントに?って言われてた一番の難問がそこで解決したわけなんですよね。それが何よりも大きな力になったってことですね。」

青木さんが間違えて、水でウイルスが減ることを発見した頃、森久さんは、払い下げの在庫を3000万もかけて自社に運んでいました。青木さんの発見が、大量の在庫を抱えた森久さんにとっての「拾う神」になったというわけです。

しかも、今までの一番の難問、薬剤でウイルス除去ってホントに安全?という不安も解消できちゃった!

まさに、ピンチと間違えをチャンスに変えた、森久さん。今後は世界を目指すそうです。日本の技術が、世界のウイルス対策になる!?大いに期待したいですね!

 

プルガティオ株式会社のプレスリリースより

 moya Craft 木造和室:~13㎡(8畳) 公式オンラインストア価格:69,800円(税込み)

 moya Ultra 木造和室:~44㎡(27畳)公式オンライン価格:99,800円(税込み)

 このホームページの写真に写っているのは、moya Craftです。

 

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』より抜粋)

森本毅郎・スタンバイ!
放送局:TBSラジオ
放送日時:2025年10月6日 月曜日 6時30分~8時30分
公式X

※該当回の聴取期間は終了しました。

「ワールドシリーズ連覇」に貢献!ドジャース・大谷翔平&佐々木朗希のピッチングを五十嵐亮太が解説

藤木直人、高見侑里がパーソナリティをつとめ、アスリートやスポーツに情熱を注ぐ人たちの挑戦、勝利にかける熱いビートに肉迫するTOKYO FMのラジオ番組「SPORTS BEAT supported by TOYOTA」(毎週土曜 10:00~10:50)。11月8日(土)の放送は、プロ野球解説者の五十嵐亮太(いがらし・りょうた)さんが登場! ここでは、アメリカ・大リーグ(MLB)でワールドシリーズ連覇に貢献したロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手、佐々木朗希投手について振り返りました。


五十嵐亮太さん



◆佐々木朗希の“魂の3イニング”

藤木:ワールドシリーズも盛り上がりましたが、メジャーリーグ30球団あるなかでワールドシリーズを連覇することが、どれだけ難しいことなのかを実感しましたね。

五十嵐:MLBでの連覇は、(ニューヨーク)ヤンキースが1998~2000年に3連覇して以来ですから。

ブルペンでは、佐々木朗希投手が見事にハマりました。もともと先発ピッチャーなのですが、シーズンの後半にケガから戻ってきた後、中継ぎで2試合だけ投げました。そのピッチャーが、ポストシーズンに入ってから抑えに抜擢されたんですよね。1年目のルーキーが、シーズン終わりから中継ぎをやって、いきなり大事な場面でクローザーを任されるってすごくないですか!?

藤木:そうですよね。しかも、強敵といわれていた(フィラデルフィア)フィリーズ相手に3イニングを完璧に抑えた。あの魂の3イニングがなかったら、もうフィリーズに負けていたんじゃないかと。

五十嵐:おっしゃる通りです。ディビジョンシリーズ(地区シリーズ)でフィリーズと対戦して勝ったこともすごいけれど、勝ち切るためには、抑えがしっかりしていないといけないなかで、そこに佐々木投手が見事にハマりましたよね。ワールドシリーズを連覇した凄さもあるけれども、その前もしっかり勝たないといけないわけで。だから、佐々木投手がいなかったら行けなかったのかなと僕は思います。

◆大谷翔平、最終戦のピッチングを分析

藤木:ワールドシリーズの最終戦、大谷翔平選手が中3日で先発しました。しかも、ヒットやフォアボールで塁に出て、走塁もして、(バッティングでも)頑張っていたじゃないですか。その影響もあってか、制球が定まらずなかなか苦しい展開でしたよね。

五十嵐:中3日ですから、もちろん疲れがあるなかでの登板だったということと、あのときの大谷選手が、今までの登板と何が違うかというと、あの試合は先発ピッチャーをブルペンに入れていたので、長いイニングを投げる必要がなかったんです。つまり、序盤から飛ばしていくピッチングスタイルで良かった。でも、疲れもあって“飛ばしていこう”という気持ちと、うまくかみ合っていなかった。そこで、ちょっと“力み”が生まれてしまい、ストライクとボールがはっきりしてしまったんです。

“ストライクが取れない”となると、スライダーやスイーパーもそうでしたが、変化球が甘めに入ってしまうんですよ。それを捉えられてホームランにされるというところがあったので、試合の流れやチーム状況によってピッチングスタイルは変わりますが、そういったところで“うまくいかなかったのかな”と見ていて感じました。

――ほかにも、ワールドシリーズMVPを獲得した山本由伸投手の活躍を振り返る場面もありました。

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<番組概要>
番組名:SPORTS BEAT supported by TOYOTA
放送日時:毎週土曜 10:00~10:50
パーソナリティ:藤木直人、高見侑里
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/beat/
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