水素やミドリムシで走るバス?交通業界のCO2削減策

今週は、TBSラジオ「チャレンジ・ゼロ~CO2削減キャンペーン」。

地球温暖化による気候変動など、世界的にCO2削減が叫ばれる中、TBSラジオからリスナーの皆さんに、CO2排出量ゼロに向けてのチャレンジを呼び掛けています。

TBSラジオも戸田送信所を再生可能エネルギーに切り替えましたが、ご家庭で使用される電力を再生可能エネルギーに切り替えると、年間でおよそ2トンのCO2削減につながります!

再エネ切り替え、 エコドライブ、エコバックなど、ひとりひとり出来ることを考えてませんか?

というわけで、番組でもCO2削減に注目!CO2の排出量が大きい「交通」業界の最新の取り組みについて、TBSラジオ「森本毅郎・スタンバイ!」(月~金、6:30~8:30)の「現場にアタック」で中村友美ディレクターが取材報告しました。

★JR東日本、「水素シャトルバス」運行開始

まずはJR東日本が10/24(土)より、東京駅から竹芝エリアを結ぶ「水素シャトルバス」の運行を始めました。その出発セレモニーを取材してきたのですが、主催者あいさつでJR東日本常務取締役の坂井究さんは次のように述べていました。


東日本旅客鉄道株式会社 常務取締役の坂井究さん
「ゼロカーボンチャレンジということで私どもは政府に先駆けまして、2050年CO2排出量実質ゼロということで頑張らせて頂いてございます。この水素バスの運行もその大きな取り組みの一つでございますし、来年度には神奈川の鶴見線で水素電車=水素をエネルギー原にした燃料電池車、これも走らせる予定でございます。そうした様々な取り組みでこのゼロカーボンチャレンジ、達成していきたいと思ってます。」

JR東日本は、グループ会社も含め鉄道事業において昨年度245万トンのCO2を排出していますが、これを2050年度には実質ゼロを目指すという「ゼロカーボンチャレンジ2050」という目標を今年5月に掲げました。(政府に先駆けて、国際社会と足並みをそろえて、素早く動いた形です!)その具体的な取り組みが今回の「水素シャトルバス」であり、来年度に始まるという「水素電車」です。


水素で走るというと以前からトヨタが「ミライ」という車を出していますが、今回のシャトルバスはそのトヨタが開発しました。ちなみにナンバーは「2050」。水素電車は、水素で発電して、その電力で電車を動かす仕組みで、こちらはトヨタ、日立と共同で開発を進めているということです。

★西武バスは「ミドリムシで走る!」

一方、水素ではない方法で、CO2削減を目指しているのが「西武バス」です。どんな取り組みなのか、西武バスの秋山宗一郎さんのお話です。

西武バス株式会社・秋山宗一郎さん
「ミドリムシを使ったバイオ燃料を使わせて頂くことになりました。バイオ燃料は、既存の化石燃料と比べると理論上CO2排出量が少ない再生可能な液体燃料であり、欧米を中心に世界中で普及が進んでいます。一方、従来型のバイオ燃料は、トウモロコシやサトウキビ、大豆、パームといった作物を主な原料とするため、食料との競合や、森林破壊にともなう温室効果ガスの増加といった問題が指摘されています。ユーグレナバイオディーゼル燃料は、、食料との競合や森林破壊といった問題を起こさず持続可能性に優れた燃料となることが期待されています。」


ミドリムシを扱うユーグレナ社が開発した燃料を使って、先月から一部の路線で走り始めています。車体には「ミドリムシで走る環境にやさしいバス」とあります。ミドリムシは、育て方を工夫することで体内に軽油に近い油を作り出せるのでその油を精製して燃料にします。燃やしても光合成でCO2を吸収するので、理論上CO2排出量はプラスマイナス0となるそうです。

また、ミドリムシは食料と競合しない、森林破壊も起きないということで、動植物を原料とするバイオ燃料の中でも優れていると考えられています。

さらに、プロ野球・埼玉西武ライオンズの若手選手たちが暮らす若獅子寮。その食堂から出る使用済み油も配合されているんです。食用油の原料も大豆など植物なので燃やしてもCO2はプラスマイナス0となります。

▼メットライフドーム敷地内にバスを展示するイベントも行われました。

★ミドリムシの燃料は既存のエンジンでも使える!

このミドリムシと廃油を使ったバイオ燃料、今後の普及の可能性について西武バスの秋山さんはこのように話しています。

西武バス株式会社・秋山宗一郎さん
「化石燃料を使用している既存のエンジンに問題なく適用可能であり、水素や電気といった代替エネルギーへの移行に必要とされる多大なインフラかからないため、石油使用が多い現代社会において、既存インフラを維持しながら効率的に普及し、利用が拡大する可能性があります。供給を増やす上での課題は、原料の調達、製造コストの低減、社会普及に向けた政策支援が必要であると見ております。」

今回のミドリムシで走る西武バスも、見た目が変わっただけでエンジンそのものは変わらないので、あとは燃料用ミドリムシを増やすための課題がクリアできれば、さらに普及しそうです。

「現場にアタック」

タグ

同じ積極財政でも「狙いが違う」。サナエノミクスとアベノミクス

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月15日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。高市早苗首相の掲げる経済政策「サナエノミクス」に現在について、城内実大臣へのインタビュー経験も踏まえて解説した。

常井健一「リフレ政策のリフレはリレーションの略で。簡単に言うとデフレから脱却するために金融緩和などによって需要を刺激して物価を適度に上げよう、という政策です。いわゆるリフレ派が主導した安倍晋三政権のアベノミクスでは、日銀による異次元の金融緩和が大きな柱でした。ところが現在、物価高が国民の生活を圧迫しています。日銀も金融政策を変えて金利は上がっている。そんな中、これまで安倍政権の継承を訴えてきた高市早苗政権の閣僚が、相次いでリフレ政策を否定していると」

長野智子「うん」

常井「特に城内実大臣は生前の安倍さんが高市陣営に送り込んだ参謀で。いまや自民党内に150人以上いる積極財政派のラスボスと目されています。実際、安倍さんに近かったリフレ派のブレーンたちを継承して7月の骨太の方針や成長戦略を策定してきた。当然、発言の真意に注目されているわけです」

長野「アメリカのベッセント財務長官が、リフレ生活はもう限界だ、やめるべきだ、と言いました。それに反応しているんですか?」

常井「まさにそれを(東洋経済オンラインの取材で)城内大臣に直撃して。『政権のスタンスはまったく変わっていない』と否定されました。強調していたのがサナエノミクスとアベノミクスの違いです。大きな違いは経済環境にあると。デフレ脱却のために大規模な金融緩和を続けたアベノミクスとは違って、いまは物価も金利も上がっています。政府としては『いつまでも異次元緩和を前提に経済政策を考える時代ではない』と言ってきたんです」

長野「なるほどね。だけどアベノミクスと同じ『積極財政』という言葉を掲げている」

常井「そうなんです。城内さん、『リフレ政策の局面は終わったが責任ある積極財政は続ける』と。アベノミクスは金融緩和によって需要を刺激することが柱でした。だけど今度のサナエノミクスは供給力だ、国内でモノやサービスをつくる力を強化するために官民で投資するんだ、と。同じ積極財政でもサナエノミクスとアベノミクスでは狙いが違う、ということですね。もう1つ、『米中の対立やパンデミックも経済環境を大きく変えた』と言っていて。東洋経済オンラインに掲載した発言を一部、ご紹介します」

長野「はい」

常井「『かつての小泉(純一郎)・竹中(平蔵)時代に象徴されるような新自由主義的な市場原理だけにゆだねる発想では、今日(こんにち)の経済安全保障や巨額の先行投資を必要とする分野に充分は対応できない、という現実がある』と。日本企業はひと昔前にコスト重視で、海外に製造拠点を移しましたね。あれが現在は地政学的に大きなリスクになっている、と指摘した。城内さんは『市場原理だけに任せる時代は終わった』と言い切っていて」

長野「ほう」

常井「こうした考え方は反・小泉という、大臣自身の独特な政治人生や色濃く反映されているな、という印象を持ちましたね。いまから21年前です。2005年の郵政選挙で当時、城内さんは1年生議員でした。郵政民営化に反対して、自民党の公認を得られず。無所属で戦った。そのとき小泉首相が送り込んだ刺客が、当時、財務官僚だった片山さつきさんですね」

長野「そうだったか」

常井「城内さん、片山さんに748票差で負ける。それから4年間、リュックサック1つで天竜川を上流から下流にくだるように選挙区をくまなく歩いた。今度は片山さんに7万票差で勝った。片山さんは静岡から追い出されて、参議院の全国比例に鞍替えしたんです」

放送では城内大臣と片山大臣の因縁、サナエノミクスのさらなる詳細などについても常井が語った。

Facebook

ページトップへ