一年間はコンピューター相手に修行。ビッケブランカが練習中の「リーグ・オブ・レジェンド」の壮絶さ

TBSラジオ「ライムスター宇多丸とマイゲーム・マイライフ」毎週木曜よる9時から放送中!

■オンラインゲームでは画面の向こうにいる相手を蹂躙したい

「マイゲーム・マイライフ」のゲストは先週に引き続き、シンガーソングライターのビッケブランカさんです。

今回は、とにかく難易度の高い「リーグ・オブ・レジェンド」の話に。

宇多丸「リーグ・オブ・レジェンドやってるの!? あれって……、ムズいじゃないですか!」

ビッケ「めちゃくちゃムズい!」

宇多丸「ルールも複雑だし、複雑なルールにのっとった上でうまい人もうじゃうじゃいて」

ビッケ「(中略)やっぱね、一緒に気軽にできるゲームではないので、僕もゲーム仲間がミュージシャンの中にいっぱいいますけど、やらないですね」

宇多丸「この番組でも、リーグ・オブ・レジェンドやってますって人はなかなか……初めてかもしれない」

ビッケ「レベル10とかレベル50とかまでは基本的にコンピューター戦を延々とやり続けるんですよ。例えば今、始めてくれる方がリスナーさんでいたとして、一年間は対人戦はできません。できるんですけど、勝てるはずがないので」

宇多丸「うんうんうん」

ビッケ「一年間は」

宇多丸「要するに、訓練」

ビッケ「一年間はコンピューター戦だと思って下さい。それでやっと……、一年後に対人戦にいけるかいけないか」

宇多丸「スタートラインに立てるか立てないか!」

ビッケ「で、(対人戦の)始めの一年間は、全部負けると思って下さい」

宇多丸「あー、そんなか」

ビッケ「つまり、まともに人と戦って勝った負けたのやり取りができるまでに二年は最低かかる。そういうゲームです」

宇多丸「すごいねえ……。これ、ビッケブランカさん、よく積み重ねましたね?」

ビッケ「いやー、僕もまだちょうど一年くらいなので。まだ人とはやれないです」

宇多丸「でも、歯ごたえあるのが好きなんですね?」

ビッケ「好きですね。やり込み要素があったりとか。やっぱり結局、わかりやすく言ってしまえば、ゲームでオンラインでやるうまみって、オンラインで見えない人、でも同じ人間を、実力で蹂躙することができる」

宇多丸「蹂躙て(笑)。ノリが。橘慶太とノリが重なる」(※橘慶太さんがゲームガチ勢なのが番組でおなじみになっている)

ビッケ「やっぱり蹂躙してなんぼなんで、人を。で、人が見えないところで悔しがっているのを想像して、悦に入るというのがオンラインゲームのうまみなので」

宇多丸「しかも、リーグ・オブ・レジェンドは、スタートラインに立っている人同士が、まさに剣豪じゃない。ある程度のレベルまで切磋琢磨してきた奴ら同士だから。それを倒すっていうのは……ってことですもんね」

ビッケ「そうです、その通りです! なので、これ本当に酷いたとえをするかもしれませんが(笑)。僕、ミュージシャンでインディーズ時代もありました。対バンとかしますよね。こんなこと僕、今まで言ったことないですけど……。対バンしました、お前らみたいなのがなんで俺と対バンするんだよ、って思っていました。もうレベルが違うだろ、と」

宇多丸「まあまあまあまあ」

ビッケ「そういうもんというか。強気にいかないといけないし。食っていかないといけないから」

宇多丸「そういうもん、そういうもん」

ビッケ「で、なんとかたまたま評価してもらえて、なんとかメジャーに上がって来れて。色々なホールでライブできるようになってくると、もうそんなこと思わなくなっているんですよ」

宇多丸「ああ、逆に」

ビッケ「そういう風に、弱肉強食を勝ち抜いてきた人たちばっかりが。同じフィールドで戦っている仲間って、やっぱり曲を聞くと、ここに来るべき人なんだなって才能を感じることができるんです」

宇多丸「ああ、なるほどなるほど」

ビッケ「あ、ここで一緒にやって。一緒に切磋琢磨していく、同じフィールドに立てる仲間の中にいるんだ。でもライバルでもある。これがね、非常にこの、音楽業界もリーグ・オブ・レジェンドのようなやり込みに近いゲーム性を感じてしまうんですよね」

宇多丸「なるほどなるほど、一定以上行くと、それこそeスポーツの世界とか、みんなプロですからね」

ビッケ「そうです。プロになったときに、お互いを尊敬しつつ、高めあっていける。そこに行くまでは、俺のほうが強いから、俺のほうが強いからっていう気概でなんとかする」

当番組では、ゲームに対して自他共に厳しい橘慶太さんがたびたび話題にあがっていますが、ビッケブランカさんにもその片鱗を感じるエピソードでした。
なお、慶太さんと同じゲームチーム「京都サンドバックス」に所属しているビッケブランカさん。前回の放送でビッケブランカさんは「自分は新入りだったからか、橘慶太さんにはあまりスパルタ指導されなかった」と言っていました。これは単純にビッケブランカさんのゲームスキルがもともと高かったからなのでは……と確信めいたことを思ったのでした。

■今回のピックアップ・フレーズ

ビッケ「俺のチャーハンが旨くて」

宇多丸「コツは?」

ビッケ「あのね、米を最初にといた卵につける。つけとくと、……これ言いたくなかったな」

宇多丸「あははははは!」

ビッケ「裏ワザ、いま宇多丸さんに言われてさらっと言っちゃったけど。卵が米をコーティングするんですよ。そうするとパラッパラになる。すごいですよ。画期的」

宇多丸「へえ~。Vチャーハン?」(※Vスペシャルという自分で編み出したゲームの技がある。VはビッケブランカのV。というトークの流れがあり)

ビッケ「Vチャーハンです!」

宇多丸「ははははは! やってる人はやってると思うけどねこれね(笑)」

文/朝井麻由美(ライター、コラムニスト)

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同じ積極財政でも「狙いが違う」。サナエノミクスとアベノミクス

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月15日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。高市早苗首相の掲げる経済政策「サナエノミクス」に現在について、城内実大臣へのインタビュー経験も踏まえて解説した。

常井健一「リフレ政策のリフレはリレーションの略で。簡単に言うとデフレから脱却するために金融緩和などによって需要を刺激して物価を適度に上げよう、という政策です。いわゆるリフレ派が主導した安倍晋三政権のアベノミクスでは、日銀による異次元の金融緩和が大きな柱でした。ところが現在、物価高が国民の生活を圧迫しています。日銀も金融政策を変えて金利は上がっている。そんな中、これまで安倍政権の継承を訴えてきた高市早苗政権の閣僚が、相次いでリフレ政策を否定していると」

長野智子「うん」

常井「特に城内実大臣は生前の安倍さんが高市陣営に送り込んだ参謀で。いまや自民党内に150人以上いる積極財政派のラスボスと目されています。実際、安倍さんに近かったリフレ派のブレーンたちを継承して7月の骨太の方針や成長戦略を策定してきた。当然、発言の真意に注目されているわけです」

長野「アメリカのベッセント財務長官が、リフレ生活はもう限界だ、やめるべきだ、と言いました。それに反応しているんですか?」

常井「まさにそれを(東洋経済オンラインの取材で)城内大臣に直撃して。『政権のスタンスはまったく変わっていない』と否定されました。強調していたのがサナエノミクスとアベノミクスの違いです。大きな違いは経済環境にあると。デフレ脱却のために大規模な金融緩和を続けたアベノミクスとは違って、いまは物価も金利も上がっています。政府としては『いつまでも異次元緩和を前提に経済政策を考える時代ではない』と言ってきたんです」

長野「なるほどね。だけどアベノミクスと同じ『積極財政』という言葉を掲げている」

常井「そうなんです。城内さん、『リフレ政策の局面は終わったが責任ある積極財政は続ける』と。アベノミクスは金融緩和によって需要を刺激することが柱でした。だけど今度のサナエノミクスは供給力だ、国内でモノやサービスをつくる力を強化するために官民で投資するんだ、と。同じ積極財政でもサナエノミクスとアベノミクスでは狙いが違う、ということですね。もう1つ、『米中の対立やパンデミックも経済環境を大きく変えた』と言っていて。東洋経済オンラインに掲載した発言を一部、ご紹介します」

長野「はい」

常井「『かつての小泉(純一郎)・竹中(平蔵)時代に象徴されるような新自由主義的な市場原理だけにゆだねる発想では、今日(こんにち)の経済安全保障や巨額の先行投資を必要とする分野に充分は対応できない、という現実がある』と。日本企業はひと昔前にコスト重視で、海外に製造拠点を移しましたね。あれが現在は地政学的に大きなリスクになっている、と指摘した。城内さんは『市場原理だけに任せる時代は終わった』と言い切っていて」

長野「ほう」

常井「こうした考え方は反・小泉という、大臣自身の独特な政治人生や色濃く反映されているな、という印象を持ちましたね。いまから21年前です。2005年の郵政選挙で当時、城内さんは1年生議員でした。郵政民営化に反対して、自民党の公認を得られず。無所属で戦った。そのとき小泉首相が送り込んだ刺客が、当時、財務官僚だった片山さつきさんですね」

長野「そうだったか」

常井「城内さん、片山さんに748票差で負ける。それから4年間、リュックサック1つで天竜川を上流から下流にくだるように選挙区をくまなく歩いた。今度は片山さんに7万票差で勝った。片山さんは静岡から追い出されて、参議院の全国比例に鞍替えしたんです」

放送では城内大臣と片山大臣の因縁、サナエノミクスのさらなる詳細などについても常井が語った。

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