新型コロナの流行下、視覚と聴覚両方に障害がある「盲ろう者」の抱える課題

毎週土曜日「蓮見孝之 まとめて!土曜日」内で8時20分頃から放送している「人権トゥデイ」。

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今回のテーマは、「新型コロナの流行下、視覚と聴覚両方に障害がある盲ろう者の抱える課題」

担当:崎山敏也

視覚と聴覚、両方に障害がある「盲ろう者」の現状について、崎山記者が、東京・浅草橋にある「東京都盲ろう者支援センター」(「東京盲ろう者友の会」が運営)で取材しました。お邪魔したのは、6月の初め、「指点字」の勉強会です。点字は6つの点で言葉を表しますが、「指点字」は盲ろう者の手の甲に、指で点字のように「触って」、言葉を読み取ってもらいます。

この日の参加した「盲ろう者」は、教える人も合わせ7人。人とのコミュニケーションを指点字などで助け、外出のための移動を介助する「通訳介助者」が一人一人の横にいるので、部屋には14人ほどいました。

▼「指点字」教室の様子。盲ろう者と通訳介助者が並んで座る


参加者は(崎山記者も)自己紹介で「どういうコミュニケーション方法を使っているか」必ず、話しておきます。見え方、聞こえ方は様々で、触って伝える「触手話」や、手のひらに文字を書いてもらったり、指点字を使いながら、同時に手話や声を使う、使える人もいます。

東京では、新型コロナウイルスによる感染症の流行が始まった去年は、「通訳介助者」を盲ろう者が利用した時間の合計が、その前の年より半分ぐらいに減りました。盲ろう者支援センターの、前田晃秀センター長は「一人で、人と円滑に、スムーズにコミュニケーション取ることができない。これは情報を得ることもそうですし、単独で見えない、聞こえない状態で、一人で歩くのは難しいから、ここはやっぱり人の力が必要になるわけですね。この通訳介助者の派遣を受けるということで、それ自体が密になってしまうというのが非常にこのコロナ対応において難しいところです」と話します。

接触を避けるため、当初、東京では、1回目と2回目の緊急事態宣言の時、会合を全て中止しました。しかし、3回目の宣言の時からは「他者とのコミュニケーションを全て避けるわけにはいかない」と、独自のコロナ対策のガイドラインを作って、感染防止対策をとり、開く回数や参加者の人数も減らし、学習会や交流会を開いてきました。前田さんは、東京以外で聴いた例などをあげて、「結局、認知機能、身体機能が両方とも落ち込んでしまって、久しぶりに会った時に、コミュニケーションが取れない、なかなか立ち上がるのも立ち上がれないっていう状況になっている盲ろうの方がいると聞きました。ただでさえ、盲ろうの方、特に全盲ろうの方にとっては、自分で情報を得る手段がないわけですね。そんな中でね、本当に数少ない、刺激となるもの、生きがいになるものは、他者との直接会っての交流だと思うんです」と話します。

この日の参加者の一人、星野美智子さんは目が見えず、難聴です。星野さんと通訳介助者の方一緒に話を聞くと、星野さんは「私、耳も少し、聴力が弱いので、通訳の言葉が聞き取れないことって結構あるんですね。例えば横文字とかもわからなくって、そういう時は、音声よりも指点字打ってくれた方がわかるんです、私自身が。ここに来るまで、電車乗り降りして、時間かかるんですけれども、動くことで足の運動にもなるので、いろんな盲ろう者ともお会いして、お話もちょっとできることもあって、楽しみにして来ています。こちらのほうに」と話します。通訳介助者の方が「やっぱり皆さんご自宅にずっといると、気持ちがどうしても落ち込んできてしまうので、外に出て外の空気を吸ったり、他の方とコミュニケーションをとったりっていうのを、とても楽しみにされてるみたいですよ」と付け加えます。

話を聞いたあとも、星野さんは、耳は聞こえず、目が見えにくいという別の参加者の方と、「触手話」、触る手話で、会話を楽しんでいました。


「触れること」で社会とつながる「盲ろう者」は全国で少なくとも1万4千人はいるとみられます。地域によっては通訳介助者の派遣をずっと中止していたり、また、家族や施設の理解が得られないため、通訳介助者を使えず、家に閉じこもりっぱなしの人、自力では情報を探せないので、新型コロナの情報もあまり入ってこず、ただただ不安になっている人もいるでしょう。

前田さんは「私たちの社会に、視覚と聴覚両方に障害がある盲ろう者がいる、ということをまずは知ってほしい」と話していました。

東京盲ろう者友の会(東京都盲ろう者支援センター)

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同じ積極財政でも「狙いが違う」。サナエノミクスとアベノミクス

ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日15時~17時、火~金曜日15時~17時35分)、10月15日の放送にノンフィクション作家の常井健一が出演。高市早苗首相の掲げる経済政策「サナエノミクス」に現在について、城内実大臣へのインタビュー経験も踏まえて解説した。

常井健一「リフレ政策のリフレはリレーションの略で。簡単に言うとデフレから脱却するために金融緩和などによって需要を刺激して物価を適度に上げよう、という政策です。いわゆるリフレ派が主導した安倍晋三政権のアベノミクスでは、日銀による異次元の金融緩和が大きな柱でした。ところが現在、物価高が国民の生活を圧迫しています。日銀も金融政策を変えて金利は上がっている。そんな中、これまで安倍政権の継承を訴えてきた高市早苗政権の閣僚が、相次いでリフレ政策を否定していると」

長野智子「うん」

常井「特に城内実大臣は生前の安倍さんが高市陣営に送り込んだ参謀で。いまや自民党内に150人以上いる積極財政派のラスボスと目されています。実際、安倍さんに近かったリフレ派のブレーンたちを継承して7月の骨太の方針や成長戦略を策定してきた。当然、発言の真意に注目されているわけです」

長野「アメリカのベッセント財務長官が、リフレ生活はもう限界だ、やめるべきだ、と言いました。それに反応しているんですか?」

常井「まさにそれを(東洋経済オンラインの取材で)城内大臣に直撃して。『政権のスタンスはまったく変わっていない』と否定されました。強調していたのがサナエノミクスとアベノミクスの違いです。大きな違いは経済環境にあると。デフレ脱却のために大規模な金融緩和を続けたアベノミクスとは違って、いまは物価も金利も上がっています。政府としては『いつまでも異次元緩和を前提に経済政策を考える時代ではない』と言ってきたんです」

長野「なるほどね。だけどアベノミクスと同じ『積極財政』という言葉を掲げている」

常井「そうなんです。城内さん、『リフレ政策の局面は終わったが責任ある積極財政は続ける』と。アベノミクスは金融緩和によって需要を刺激することが柱でした。だけど今度のサナエノミクスは供給力だ、国内でモノやサービスをつくる力を強化するために官民で投資するんだ、と。同じ積極財政でもサナエノミクスとアベノミクスでは狙いが違う、ということですね。もう1つ、『米中の対立やパンデミックも経済環境を大きく変えた』と言っていて。東洋経済オンラインに掲載した発言を一部、ご紹介します」

長野「はい」

常井「『かつての小泉(純一郎)・竹中(平蔵)時代に象徴されるような新自由主義的な市場原理だけにゆだねる発想では、今日(こんにち)の経済安全保障や巨額の先行投資を必要とする分野に充分は対応できない、という現実がある』と。日本企業はひと昔前にコスト重視で、海外に製造拠点を移しましたね。あれが現在は地政学的に大きなリスクになっている、と指摘した。城内さんは『市場原理だけに任せる時代は終わった』と言い切っていて」

長野「ほう」

常井「こうした考え方は反・小泉という、大臣自身の独特な政治人生や色濃く反映されているな、という印象を持ちましたね。いまから21年前です。2005年の郵政選挙で当時、城内さんは1年生議員でした。郵政民営化に反対して、自民党の公認を得られず。無所属で戦った。そのとき小泉首相が送り込んだ刺客が、当時、財務官僚だった片山さつきさんですね」

長野「そうだったか」

常井「城内さん、片山さんに748票差で負ける。それから4年間、リュックサック1つで天竜川を上流から下流にくだるように選挙区をくまなく歩いた。今度は片山さんに7万票差で勝った。片山さんは静岡から追い出されて、参議院の全国比例に鞍替えしたんです」

放送では城内大臣と片山大臣の因縁、サナエノミクスのさらなる詳細などについても常井が語った。

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