道路の困りごと解決に役立つアプリ。東京都などが導入

TBSラジオ『森本毅郎・スタンバイ!』毎週月曜日~金曜日 朝6時30分から放送中!(4月12日(火)放送分)

7時30分過ぎからは素朴な疑問、気になる現場にせまるコーナー「現場にアタック」

道を歩いている時や車を運転している時、「アスファルトが破損していて危ない」「ゴミが落ちていて邪魔だし景観を損ねる」といった場面に出くわしたことはありませんか?

そのような道路に関する困りごとを自治体に通報できる アプリ『My City Report for citizens』をこの4月から東京都が本格導入。

道路の不具合を画像と位置情報付きで投稿

『My City Report for citizens』とはどんなアプリなのか。東京都建設局道路管理部の菅谷正志さんに聞きました。

「My City Reportとは、都民の皆様が道路の損傷や不具合に気付いた際に、その状況を写真撮影して投稿できるアプリとなっています。投稿を受けた際に都は必要に応じて補修等を行い、投稿者は都の対応状況をアプリで確認できるという仕組みになっています。従来、受付の手段としてはメールやFAXでも連絡頂くことが可能でしたが、ほとんど電話での対応となっていました。なので、現場の状況についてはその後また現地に確認に行くという作業をしていましたが、このアプリケーションでは写真付きということで、また現地の場所も同時に投稿して頂いてますので、対応のほうも従前に比べれば少し早く対応できていると。」
(東京都建設局道路管理部の菅谷正志さん)

アプリを開くと周辺の地図が表示されるので、投稿者は道路の不具合がある場所を選択し、その場所の写真を撮って、簡単な説明文を付け足すだけ。 これによって自治体側も損傷具合と位置がすぐ分かるので素早く対応できます。アプリ内の投稿を見ると、ほとんどが数日程度で対応完了となっています。

アプリによって、幅広い年齢層から情報が集まるように

My City Reportは、東京都では今年4月に島しょ部を含む都道全域で本格導入となりましたが、既に神奈川県、千葉市など全国20以上の自治体で導入が進んでいます。このアプリの運営メンバーのお一人、駒澤大学文学部地理学科准教授の瀬戸寿一さんによりますと、アプリを導入した自治体ではこんな成果がみられるということです。

「こういった街の課題に対して、今まで情報提供という意味であまり関わりがなかった年齢層・世代層に関心を持って頂いて積極的に参加されているということが一番大きいかと思います。街の課題については比較的時間があるような、会社をリタイアされた高齢の世代の方とか、街で暮らす時間が長い方が今まで多いというふうに言われてたんですが、それこそ働き盛りの40代50代であったりとか、あとはスマートフォンのアプリを使って気軽に投稿できるという事もあって20代30代を含めた比較的若い世代の人も参加していただけるようになったということが大きいと思います。」
(駒澤大学文学部地理学科・瀬戸寿一准教授)

瀬戸さんによりますと、そもそもこのアプリを開発した狙いとして近年、地方自治体で職員の人材確保が難しい中で、インフラの老朽化や街の課題自体の多様化という状況があり、もう少し市民側も街の課題に積極的に情報提供という形で参加できれば、自治体側もコストをあまりかけずに街の課題に気づいて、早期に対応できるのではという考えがありました。

従来、街の課題の通報は比較的高齢の層が中心でしたがアプリだったら若い人も参加しやすくなり、情報を収集する範囲が大きく広がったことが大きな成果だと仰っていました。

市民からの「街の問題を解決した」投稿も増やしたい

瀬戸さんはMy City Reportを通じて、市民による、さらなる街の課題解決を進めたいと考えています。

「今、東京都内の自治体をはじめとして、多くは道路の不具合であるとか街の課題についての投稿を受け付けてそれを行政が解決するというような流れにまだなっているんですが、このアプリケーションの本質は市民協働というふうに謳っていますので、例えばゴミ拾いであるとか、落書きでも自治体にお願いせずに簡単に直せるようなそういったものであれば、My City Reportを通じて、お知らせしていただくことも大事なんですけどむしろ、町の課題を発見してそれを解決したよという、そういったレポートもどんどん増えてくるといいかなと思っています。」
(駒澤大学文学部地理学科・瀬戸寿一准教授)

この「かいけつレポート」。既に千葉市など一部の自治体では導入されています。

このように自治体側からすぐリアクションがあると、街の課題解決に協力するモチベーションにもつながりそうですね。

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トランプ大統領の施政方針演説は「まるでカルト集団」 明確な抗議をしない民主党への失望と怒りも!?

ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみがパーソナリティを務めるinterfmのラジオ番組「NY Future Lab」(毎週水曜日18:40~18:55)。ジャーナリストでZ世代専門家のシェリーめぐみが、ニューヨークZ世代の若者たちと一緒に、日本も含め激動する世界をみんなで見つめ、話し合います。社会、文化、政治、トレンド、そしてダイバーシティからキャンセルカルチャーまで、気になるトピック満載でお届けします。

3月12日(水)のテーマは「アメリカZ世代の怒りのほこ先が『身内』民主党に向けられた理由」。トランプ大統領の施政方針演説を聞いたラボのメンバーが、それぞれ感じたことについて語り合いました。


※写真はイメージです



◆支持者・不支持者で反応が真っ二つ トランプ大統領の施政方針演説

3月4日におこなわれたトランプ大統領の施政方針演説。1時間半を超える異例の長さとなった演説を通し、彼は「アメリカは復活した」と自らの実績を強調し続けました。

トランプ大統領の施政方針演説が異例だったのは、その長さだけではありません。中継を見た人の過半数は共和党支持(=トランプを支持する人)で、逆にトランプを支持しない民主党支持者で演説を見た人は、わずか20%にとどまりました。内容的にも、国民全てに語りかけるはずの施政方針演説が、支持者に向けた選挙演説のようになっていたと批判する声もあります。

では、支持者とそうではない人の反応はどれほど違ったのでしょうか? トランプ不支持のラボのZ世代は、こう感想を述べました。

メアリー:演説はめちゃくちゃ退屈だった。だってもう最初から自分の手柄自慢みたいな話ばかりだったからね。そして今回も、虚偽の内容がたくさん含まれていた。驚いたのは、アメリカが人道援助していた「レソト」というアフリカの小さな国について、トランプが「そんな誰も聞いたこともない国に」と言い切ったことだよ。

でもそんなわけはないんだ。だって、イーロン・マスクがその国の大統領だか重要人物みたいな人と会っている写真が報道されているからね。イーロンはレソトに自分のインターネットのビジネスを持ち込もうとしているらしいんだ。彼がそれを知らなかったなら、それはそれで驚きだし、そもそもアメリカ大統領が「聞いたことのない国なんてどうでもいい」みたいな発言をするなんてありえないよ。

ミクア:トランプの演説のことを友達と話していたんだけど、彼女は「共和党はまるでカルト集団みたいだった」と言っていたよ。トランプが何か言うと共和党議員は全員立ち上がって、「USA! USA!」というコールが湧き起こる。すごく気持ち悪かったって。

トランプ不支持のメンバーからすれば「演説内容は虚偽ばかり」という反応でしたが、共和党支持者からすれば総立ちで叫びたくなるようだったという、見る人によってまるで反応が分かれた今回の演説。ここでフランス留学中のメンバーのノエに、ヨーロッパ人からの反応はどうだったかを聞いてみました。

ノエ:ヨーロッパ人は「トランプは愚かだ」と言う人と、すごく恐ろしいと感じている人の両方だと思う。共通しているのは、こんなことが実際に起きているなんて信じがたいという声。特にドイツ人は、家族の中に第二次世界大戦を生き抜いた者がいるからね。

彼らは、今のアメリカが、かつてのナチス・ドイツの歩みを忠実に再現していると言っているよ。そして、「アメリカ人があのようなリーダーを選ぶなんて信じられない」と言う意見がすごく多いんだ。

アメリカは、かつてのナチス・ドイツと同じ道を進もうとしている。そんな懸念を抱くヨーロッパの人も少なくはない様子です。アメリカでも反トランプ派のなかには、アメリカが独裁への道を歩んでいると言う危機感を持つ者が少なくありません。


(左から)ミクア、シェリー、ヒカル、ノエ、シャンシャン、メアリー/©NY-Future-Lab



◆明確な抗議をしない民主党への怒り

共和党がカルトのようになってしまったのなら、頼みの綱は野党である民主党だけ。しかし今回の演説では、民主党支持者の怒りはトランプではなく、むしろ民主党議員たちに向けられました。一体なぜでしょうか。

メアリー:トランプの演説中、客席にいる民主党が抗議のプラカードを掲げていたのを見た? 実はヒトラーの時代にも、議員たちのなかには抗議の象徴として紫色の帽子をかぶっている人たちがいたらしいんだ。

私たちの議員も今、プラカードを出すだけで他に何もせず、結局トランプのやりたい放題にさせている。だから民主党を見ているととてもイライラする。

アル・グリーン議員だけは、抗議のために立ち上がって声を上げたよね。他の人がただ座っているなかで、実際に何かをしようとしたんだ。でもひどいのは、自分の身内が立ち上がって抗議したのに、その翌日、彼に対する問責決議がおこなわれると、民主党議員の一部も一緒になって彼の投票権を剥奪する決定に投票したんだよ。

民主党はいつも「良識ある政党だから礼儀正しさが大事だ」とか「この伝統を守る」とか言っているけれど、そういうバカみたいな考え方には、もうイライラが止まらないよ。彼らは、「何かをするための適切なタイミングを待っている」と言うけど、民主党も結局、共和党と同じじゃないかと思ってしまう。どちらも大企業の言うことには逆らえないということだよ。

トランプの演説中、 民主党議員は1人を除いては、静かな抗議、つまり「その発言は嘘だ」「イーロン・マスクは泥棒だ」などと書かれたプラカードを掲げてメッセージを出そうとしていました。しかしこの様子は日本のテレビでは全く放送されなかっただけでなく、アメリカでの中継でも映ったのはほんのわずかの間でした。

良識を大事にするあまり、誰も見ない抗議をしてどうするのか? かつてのドイツ人がヒトラーの好きにさせてしまったように、結局アメリカでも民主党は何もしていないのではないか? ラボのZ世代含め、反トランプのアメリカ人の怒りの矛先が向けられたのは、今回はトランプ氏ではなく、身内である民主党議員たちでした。

これまでアメリカZ世代は、「自分たちがアメリカを変える」という、社会正義意識がとても強い世代でした。しかしこの民主党への深い失望が、「何をやってもどうせ変わらない」という気持ちにつながっていく不安を感じます。シェリーは「人々が少しずつ声を失っていく、そんな不安も感じてしまいます」と、心中を吐露して話題を締めくくりました。

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3月12日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年3月20日(木・祝) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:NY Future Lab
放送日時:毎週水曜日18:40~18:55放送
出演:シェリーめぐみ
番組Webサイト: https://www.interfm.co.jp/nyfutureweb
特設サイト:https://ny-future-lab.com/

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