祝ワールドカップ出場! 日本サッカー協会会長:田嶋幸三
TBSラジオ「コシノジュンコ MASACA」毎週日曜夕方5時から放送中!(5月1日(日)放送分)
田嶋幸三さん(Part1)
1957年生まれ。小学生の時に東京オリンピックでサッカーに興味を持ち、高校3年生のときに全国高校サッカー選手権大会を制覇。大学3年の時に日本代表に選出し、1983~1986年まで西ドイツに留学してサッカー指導者ライセンスを取得。2001年にU-17日本代表の監督に就任し、U-17ワールドカップ出場に導きました。2016年に日本サッカー協会第14代会長に就任。
JK:おめでとうございます!
出水:ワールドカップ出場権、獲得しました!
田嶋:ホッとしました(;^ω^)
JK:全国全員が喜んでます! どんな思いでした?
田嶋:最初にオマーンとサウジアラビアに敗れてしまって、しかもホームで初戦敗れたということもあって、今回は苦しかったですね。僕は1993年のドーハの悲劇から関わってきたんですけど、今回の予選が一番苦しかった。
JK:日本にとってドーハの悲劇はすごーく大きな教訓でしたよね。
田嶋:でもあの歴史があったから、今回も89分に点数を取ることができた。最後の残り時間、アディショナルタイムがいかに明暗を分けるかっていうのを教えてくれたのもあの大会だった。
JK:最後の最後で負けるほうと勝つほうの差! この差は大きいですよ。
田嶋:その同じ日にイタリアが北マケドニアに負けたんですよ。あれも最後のアディショナルタイムで入れられて、それでイタリアが出られないなんて・・・それを思うと本当によかった。ホッしたと思いました(^o^)
出水:ワールドカップ出場を決めた試合はどこでご覧になっていたんですか?
田嶋:オーストラリアのスタジアムの一番上で見てましたけど、クリケットなどをやるようなスタジアムだったので、遠くて。しかも周りにお子さんたちがいて、落ち着いて見られなかったんですけど。今までもワールドカップを決めた試合はその場にいたので、そういう意味では3大会連続でオーストラリアなんですよ。偶然とはいえ、今回は苦しかったですね。
JK:でもこの苦しみを次にぶつけてください!
田嶋:アジア予選が一番大変だと思ってました。背負うものもすごく大きい。森保監督も選手たちも「これで負けたら日本のサッカーの前進を止めてしまう」と思うぐらい。そういうことを監督や選手は全く負う必要はない。そうは言っても、彼らはそれをひしひしと感じて、そのプレッシャーたるや・・・スタジアムに上がっているところではみんな堂々としていますけれど、ホテルなどでは抱えてるし。でも大した選手たちですね。
JK:今年は大変な1年ですね。会長にもなられたばかりで、100周年もあるし。
田嶋:100周年は昨年終わったんですよ。今年はまさに次の100年に向かうスタートの年。ゾッしてました(^^;)ただ、これがスタートラインに立ったっていうだけですよ。最低限のハードルを越えたっていうだけ。しかもワールドカップの組み合わせが、僕らにとっては非常にやりがいのあるところで。
JK:本当ですよね! 第1戦はドイツ。
田嶋:自分はドイツで学ばせてもらったし、日本サッカーもドイツ人にしっかりベースを作ってもらい、いろんな指導者も影響を与えてくれた。そのドイツとワールドカップの初戦で当たるっていうのは、僕は何かの縁だと思う。ドイツでプレーしてる選手も何人もいますから。
出水:今回はドイツとスペイン、そしてコスタリカかニュージーランドのいずれか、という強豪グループEに入ったということですが、率直な印象はいかがですか?
田嶋:抽選会の会場にもいたんですけど、ドイツとスペインは決まっていて、「あそこに入るんじゃないかな」とちらっとは思ったんです。セルビアだとかクロアチアだとかもあったんで、ランキング的にそっちのほうに入ればいいなと思うかもしれませんが、でも僕らから見ると、セルビアやクロアチアは強くて簡単に勝てる相手じゃないし、アフリカや南米とは相性が悪い。そういう意味ではアフリカと南米両方がいない、しかもワールドカップ優勝2チーム。ここがいいなぁと思っていたら、スッポリ入りましたね!
JK:おお~! 逆に見ごたえありますね。まるで決勝戦みたいじゃないですか!
田嶋:我々は2050年までになんとか日本を優勝させたいと謳っている。みなさん笑うかもしれないけど、僕らは本気で思っていて。森保監督は「ベスト8、ベスト4に行きたい」と言ってくれている。この2チームぐらいをやぶらないといけないわけですよね。だとすれば、公式戦で彼らと本気で闘えること、こんなチャンスをもらえたのはラッキーだと思いますね。
JK:サポーターとしては最初から熱が入って、すごいことになりますね!
出水:今大会は11月、寒い時期なんですよね。選手に対する影響は?
JK:でもカタールですよね?
田嶋:ええ、カタールなのでちょうどいい天気。11~12月の夕方はすごく過ごしやすい。日本の秋口のようで、湿気もない。だから今僕が心配しているのは、ドイツ、スペインに対しては皆さんも応援してくれて、選手たちも高いモチベーションでできると思う。コスタリカとニュージーランドどっちが来るかわかりませんが、ここは絶対勝ってくれ!と思いますよ、本当に!
出水:森保監督とは、出場を決めた後に何かお話をされたんですか?
田嶋:もちろんハグして、話をしました。本当に嬉しかったと思いますけど、彼自身はもう切り替えてましたね。肩の荷がまず下りた、というぐらいホッしている感じはありました。
出水:スペインは田嶋さんから見てどんなチームですか?
田嶋:今ランキングが7位なんですが、我々が28位ぐらい。ランキングってあまり当てにならないんですよね。例えば90位台のベトナムと引き分けたりもしますし。ただひとつ言えるのは、スペインもドイツも優勝できる力があるということ。
JK:怖いですよね! それだけに、もし勝ったらすごい盛り上がる!
出水:今回の日本のチームはどういったところが強みですか?
田嶋:今までの中では一番ヨーロッパでプレーする選手が多い。ヨーロッパでプレーして日本に戻ってきた酒井選手、大迫選手、長友選手、それからヨーロッパでプレーしている若い選手もいる。
JK:そうですよね、だから相手がどこだろうと昔とは違いますよね。
田嶋:おっしゃる通り。実際にバイエルン・ミュンヘンでドイツ代表とやってますし、スペインでやっていた選手もいるし、チャンピオンリーグでもやってるし。そういう意味では最初から引け目を感じる必要はなくなった。「俺たちも同じポジションでやってるよね」っていう気持ちだと思います。
JK:ワールドカップにでるんですから、皆さん平等ですよ! でもコロナの影響はありますか?
田嶋:まったくないわけじゃないですけど、ただサッカー界はバブルをしっかり作って、各リーグをしっかりやっていました。ひとつ日本やそういうところがなかなか交流試合をできなかった。海外遠征の予定がどんどんずれこんで、キャンセルになって、アジア予選だけでやっていた。アジアのレベルは世界と比べると低いので、そこでしかやっていない。今度6月に4試合、9月に2試合、11月は直前に2試合できるかどうか。そこでしっかり闘ってやっていきたいと思います。
出水:抽選会の際、「世界は分断されている。戦争や紛争を止めて対話をしよう。対話を通じた連帯と平和の大会であるべきだ」というFIFA会長のメッセージをお聴きになったと思いますが、どう受け止めましたか?
田嶋:私もその壇上で聴いていましたが、ウクライナとは私もキーウで試合をしたことがありますし、昨年は女子代表を日本に呼んで試合しました。そういう意味でも非常にお世話になっているし、いたたまれない想いもあります。ぜひ日本サッカー協会として、ウクライナ代表と試合をする機会を作りたい。もしくは若年層のチームを招待して、一緒に強化していきたいと思っています。
JK:そういう状況になればいいですよね。
田嶋:とにかく戦争は人を殺し合うことですから、これには絶対反対です。それに対してスポーツが何ができるのかわかりません。でも、スポーツは戦争に反対であるという意思表示を続けていくべきだと思います。2年前に僕もまっさきにコロナにかかったんですけど、健康と平和がなかったらスポーツはできない、ってことは今回よくわかったじゃないですか。ぜひそのことは訴え続けていきたいと思うし、日本はもっと主張するべきだと思います。
OA曲
M. 勝利の笑みを 君と / ウカスカジー
