【番組レポート】静岡に人気パーソナリティ集結! 白熱した議論を展開した『第2回 ラジオナイトサミット』【後編】

去る8月25日(土)、SBSラジオでは『第2回 ラジオナイトサミット』を放送しました。前編に引き続き、放送の模様の後半をお届けします!
『第2回 ラジオナイトサミット』つづき

---10代も楽しめるラジオ番組分布図
前半は「若い世代と一緒に番組を作るにあたって、意識していること」「Twitterを通じた、番組とリスナーとのコミュニケーション」といったテーマを中心にアツい討論が展開されました。
では、10代も楽しめる番組にはどういった番組があるのでしょう。ここで、やきそばかおるさんが特製の「10代も楽しめるラジオ番組分布図」を公開。全国各地のラジオ局で制作されている番組の中から選んだ約70本の番組の特性を「トーク中心↔︎音楽中心」「にぎやか↔︎おちついている」で分けた分布図です。

今回は“ユニークな企画の番組”として、やきそばさんから3番組ご紹介。
■InterFM 897『TOKYO DANCE PARK』(毎週土曜日 12時~13時49分)
やきそば:「ダンスが好きな10代のための番組。ダンスにピッタリな曲を中心に選曲しているほか、ダンスに励んでいる小中高生もゲスト出演します」
■FM FUKUOKA『Hyper Night Program GOW!!』(月曜日~木曜日 16時30分~20時25分)
やきそば:「ちょっと珍しい、小学生限定の投稿コーナー『黒ちゃんのホームルーム』があります。『今日、プール開きがありました』『算数のテストで100点をとりました』といった、何気ない出来事をおくってもらうコーナーです。小学生との接点をうまく作っています」(ラジオ関西では親子向けの番組『GOGO王様キッズ』が放送されています)
■ラジオ関西『怪談ラヂオ〜怖い水曜日』(毎週水曜日 23時30分~24時)
やきそば:「その名の通り、怪談にまつわる話を30分間に渡って放送。有料配信もされており、そちらも大人気です」
また、「今後、重宝されるパーソナリティ」の一例も解説しました。(※やきそばさんの見解です)
■音楽について非常に詳しい人(配信サービスの利用者が増えているが故に、ラジオの音楽番組に付加価値を付けたいところ)
やきそば:レコードコレクターが手持ちのレコードをかける番組が増えています。ラジオ局にある膨大な音源の中から、その人ならではの選曲ができる人がいたら、面白くなると思います。学生のレコード愛好家も増えているので、彼らの感性で選曲・曲紹介をしてもらうのもいいかも知れません。
そのほか、「スポーツ・芸術面で活躍している人で、その分野に関するお悩み相談に答えられる人」「リスナーと電話をつないで盛り上げられる人」を挙げました。
やきそば:「会ったこともない人と電話で話すのは、非常に難しいと思いますが、電話のコーナーが盛り上がる番組は支持される傾向があります」と語ると、Twitter上でも「それ、すごく分かる気がする」と反応している人も。
最後は「今、個人で配信できる時代ですが、だからこそ、アナウンサーやパーソナリティになりたいという人もいます。今、中高校生の人も7〜8年もすればプロとしてデビューすると思います。今日の話を参考にしてもらえたら……」と語りました。
---エリアフリー時代にローカル局に求められていること
『第2回 ラジオナイトサミット』も佳境に入り、次はMBC南日本放送アナウンサー・岩﨑弘志さんの進行でお届け。
2014年にラジコの「エリアフリー聴取機能」のサービスが開始したおかげで、「分布図」にも掲載されているような、全国の番組を楽しめるようになりました。県外の人も聞いてくれるようになったと同時に、東京の有名な芸能人の番組も聞くことができるようになり、ラジオ局にとってはライバル番組が増えたことに。
そこで、「エリアフリー時代にローカル局に求められていること」をテーマにディスカッションをしました。
鬼頭:(「ライバル番組が増えた」だなんて)怖いことを言うね〜。でも、この機会をチャンスと捉えるかだよね。
森谷:正直に言うと、このテーマは今一番考えていないといけないことだと思いました。テレビとラジオの格差も凄いし、テレビのスタッフは多くて減ることもないけど。ラジオのスタッフはすごく減りました。
※『森谷佳奈のはきださNIGHT!』はディレクターの大村さんとの2人体制、『テキトーナイト!!』は鬼頭さんを含めて3人、『#てゲてゲハイスクール』は岩﨑アナを含めて3人、『ミュ~コミ+プラス』は放送作家、ディレクター、ミキサー、AD、サブ作家で、1回の放送で吉田アナを含めて6人です。
岩﨑:『てゲてゲハイスクール』は、高校生の時に番組に出てくれた大学生ADが計4人います。(当日、番組に入ってくれているのはその内の1人です)
森谷:「学生のアルバイトが入るのはいいな」と思いましたね。ラジオを聴くきっかけになるかもしれないし。
岩﨑:「ラジオを手伝いたい」っていう子もいるんですよ。そういうことって、自分では言い出せないみたいで、こちらから呼びかけてあげると反応が返ってくることが多いですね。
やきそば:J-WAVEとFM802は大学生のサークルがあって、番組やライブイベントの手伝いをしてるんですけど、メンバーを募集すると希望者が非常に多くて競争率が高いです。
吉田:ウチも広く募集した方がいいかもしれないな〜。だいたい、“アイツの友達“みたいな感じで集まってくるから(笑)。
鬼頭:信頼はできますけどね(笑)。

やきそば:あと、番組の公式Twitterのツイートを大学生が担当すると、うまくいったりしますね。
岩﨑:ウチは大学生が担当します。
長谷川:『タマリバ』のTwitterは出演者とディレクターのほか、大学生のスタッフもひとり担当しています。その子も高校生の時に『タマリバ』に出たことがあって、弾き語りをしているのでジングルも作ってくれたり、ツイートをしてくれてます。
やきそば:大学生は絵文字の使い方がうまかったりするんですよ。
森田:使い慣れている人がやった方が、綺麗で見やすいですからね。

そのほか、リスナーからは、「ほかの地域からのメールがたくさん届くようになっても、ローカルらしさは貫いてほしい。それから、全国のリスナーからメールがたくさん届くのは、地方のラジオ番組としては正直どうですか?」という質問が届きました。
相場さん(以下:相場):秋田は地元の学生の話を聞いて、いかに応援するかということを心がけてます。秋田は金足農業が話題になっていますが、そもそも「秋田は田舎で環境が整ってないから、できないのでは」という空気が少なからずあったんです。それを金足農業の子たちが破ってくれたということで、盛り上がってます。ラジオ番組も同じで、やりたいことは東京に行かないとできないと思っている子たちが、まずは地元のラジオ番組に出て、人に聴いてもらう経験をしてここから羽ばたいていってほしいです。『タマリバ』は、秋田の10代のための番組でありたいです。
岩﨑:『てゲてゲハイスクール』も考えは同じです。やっぱり鹿児島の人に出てもらいたい!
森谷:あと、ネタの観点からいえば、メールが増えたら大喜利コーナーとかのネタの質が上がりましたね。今までになかったエッセンスが加わって「あれ? なんだか、雰囲気が違ってきたな」って思いますね。
岩﨑:言い方は良いかどうか分からないけど、リスナーのネタやメッセージが進化していく感じはありますね。
鬼頭:どうしてもネタとか文書の上手な人が集まっちゃって、いつも同じ人になっちゃうっていうことがあって、難しいよね。例えば、先週も1位に選ばれた人に「今週も」っていうのはちょっと困る時もあります。
長谷川:あまり身内で固まってしまうのも、良いとはいえないので、“殿堂入り”みたいにしてしまうのも良いのかもしれないですね。
ここで森田さんから「敢えて、ラジオネームを読まないというのはどうですか? そうすれば常連の方ばかりが採用されているように聞こえなくなるのでは?」という提案が出されました。
鬼頭:その発想は、パーソナリティー的にはこれまでなかったですね。
吉田:僕は絶対にラジオネームは読んでるけど、それって顔を見て握手してる感じなんですよね。
鬼頭:ラジオネームを読まないっていう事は、目隠しをして握手をするようなことかな。
吉田:自分だったら、やっぱり読まれたい気もするなぁ。
森谷:自分の投稿だってことを言いたいかもしれませんね。
岩﨑:面白い内容のものを紹介するのはもちろんですけど、常連さんでイジってもいい人だったら、面白くないものも紹介してイジることはあります。それをイジって楽しい笑いに変えます。
やきそば:福岡のcross fm『DAY+』(月曜日~金曜日 15時~18時)の立山律子さんは、どSなところがあって、ネタが面白くない時は「イマイチ!」とバッサリ言うんです。そこがまた面白くて。しかも、これはネタのコーナー全般的に言える傾向ですが、「面白くない」って言うとリスナーがいつも以上に頑張るため、次の回は全体のレベルが上がる傾向がありますね。
森田さんの提案に対しては、Twitter上でも「ラジオネームが読まれないならメッセージは送らない」「内容で勝負できるので気にしない」「ラジオネームを1人で複数使い分ければよいのでは」など様々な意見が寄せられました。
---各パーソナリティ、おすすめ学生アーティスト紹介
さらに、今回は各地のパーソナリティがイチオシする、地元出身の学生アーティストの曲を紹介しました。
■BSSラジオ『森谷佳奈のはきださNIGHT!』森谷アナウンサーのイチオシ
NA2K!(なつき)「あなた」
鳥取市出身。アコースティック・ギターの弾き語りスタイル。
森谷:高校2年生の時にエド・シーランの「シェイプ・オブ・ユー」を自分なりにアレンジしてカバーして、プロモーション・ビデオも自分で作ったところ、YouTubeで45万回も再生されたんです!
他の全員:え〜〜‼
森谷:今回紹介する「あなた」は、現在大学生となったNA2K!ちゃんが、高校生の時に初めて書いた曲です。“憧れのあの人”に向けた、高校生だからこそ書ける歌詞です。圧倒的な歌唱力で、重厚感もあります。しかもこの曲は10分くらいで作ったそうです。
他の全員:え〜〜〜‼
■SBSラジオ『テキトーナイト!!』鬼頭里枝さんのイチオシ
崎山蒼志「鳥になり海を渡る」
浜松市在住の高校1年生。AbemaTVでブレイク。以前『テキトーナイト!!』にゲスト出演した時は、メディアで未発表の新曲をスタジオライブで披露。番組のジングルも即興で作ってくれました。ちなみに、鬼頭さんが質問したところ、好きなタイプは小松菜奈さんだそうです。
鬼頭:ギターを始めたのは4歳の頃からで、小学校6年から曲作りをしていて、オリジナル曲はこれまでに300曲以上作ったそうです。
岩﨑:300曲?!
森谷:“センスの塊”っていうか、高校生が作ってるとは思えないくらい、大人びていて、歌詞が深いですよね。
■ABS秋田放送『タマリバ』長谷川瞬さん、相場詩織さんのイチオシ
絶対楽(ぜったいがく)「あこがれ」
高校3年生の男女4人組のバンド。
長谷川:『タマリバ』のエンディング・テーマは地元の高校生バンドのオリジナル曲を使用しています。絶対楽は今の秋田のバンドシーンを代表するバンドで、昨年の10〜12月のエンディング・テーマを担当してもらいました。秋田では高校生が自ら運営する「SOUND OF YOUTH」というライブの企画があって、高校生バンドの登竜門となっています。番組でもよく取材をしていて、共に歩んできたライブです。絶対楽も注目のバンドで、オルタナティブな雰囲気で、素晴らしい世界観があります!

■MBC南日本放送・岩﨑弘志アナウンサーのイチオシ
稲田麗奈「片思い」
YouTubeに弾き語りなどの動画をアップしたりライブ活動も行っているアーティスト。
岩﨑:昨年の11月に、鹿児島の高校生が録音、ミキシング、マスタリングなどを全て行ったコンピレーション・アルバム「Unknown」を作りました。音の質が非常に良いんです。彼らは「高校生にしてはすごい」と思われたくなくて、「いちアーティストとして評価されたい」という子たちがSNSなどで集まって取り組みをしています。「Unknown」の2曲目に収録されている稲田麗奈さん(通信制高校3年)は、鹿児島出身の長渕剛さんに憧れて、9歳の頃からギターを抱えていて、世界に5本しかないギブソンのギター(そのうち1本は長渕さんが所有)を持っています。弾き方もうまくて、長渕さんはスリーフィンガーでアルペジオを弾くのがうまいんですけど、稲田さんもフィンガーピッキングがうまいので、ギターの一音ごとの色と高校生らしい歌声をお聴きください。
(ここで、スタジオでは『片思い』をオンエア。全員が聴き入っていました)
岩﨑:YouTubeでもさまざまな動画をアップしていまして、あどけない表情の頃からアップしている動画もありますので、ぜひご覧ください。ちなみに、長渕剛さんにも憧れていますが、竹原ピストルさんのように“歌詞で貫ける人になりたい”と言っているそうです。これからが凄く楽しみですし、ヴォイストレーニングも重ねていって、太い声も勢いのある声も出てきています。曲の中でもメリハリが効いていて、本当にこれからが楽しみです。鹿児島で行われたスガシカオさんのライブでオープニング・アクトを務めたほか、大阪で開催されたワンマンライブはSOLD OUTでした!
各パーソナリティのイチオシアーティスト、ぜひチェックしてみてくださいね!
---関取花さんからのメッセージ紹介
ここで、シンガーソングライターで、ラジオファンとしてもおなじみの関取花さんから届いたメッセージを紹介するとともに、発売以来、全国のラジオ局でオンエアされている「蛍」をオンエア。
関取さんは「私はラジオを聴くのが大好きで、特に夜に帰って来てから深夜ラジオを聞くのが好きです。一人暮らしなので、一人で晩酌とかしながら考え事をしてしまうんですけど、特に『ここがダメだったな』と際限なく落ち込んでしまったり、答えの出ない渦の中に落ち込んでいく感覚になった時に、芸人さんのラジオを聞いています。自分の意見を伝えながらもオチがある話になっていて、聞いていると心が軽くなります。テレビなどでは見せない一面が垣間見られるのもいいですね。声だけだけど、その人の秘密基地を覗けるような感覚になります。あとは、ラジオからふと流れてくる曲に発見があったり、ラジオリスナー同士で仲良くなれるとことも素敵です!」と、ラジオの魅力を語りました。
そうこうしている内に、時間はあっという間に過ぎてエンディングへ。出演者それぞれが感想を語り、最後に吉田アナウンサーが「面白いラジオがあったら勧めてください!」と提言して『第2回 ラジオナイトサミット』は終了しました。
今回ご紹介した内容は、ほんの一部。ぜひタイムフリー機能を使って全編をお楽しみくださいね!
※ちなみに把握できた範囲番組では、47都道府県中41都道府県からメッセージなどの反応がありました!

出演者 プロフィール
【パーソナリティ】
■鬼頭里枝
静岡を中心にラジオ・テレビで活躍するフリーパーソナリティ。SBSラジオ『テキトーナイト!!』(毎週土曜日 21時〜23時30分)は、2009年開始以来、10代から“元10代”の人まで、幅広い層に支持されている人気番組。静岡県内の学校を訪問したり、リスナーから寄せられる相談に答えたりして、時にユルく、時に真剣な放送をお届けしている。
■森谷佳奈
BSSラジオアナウンサー。リスナーから寄せられた“はきだしたいこと”を紹介する『森谷佳奈のはきださNIGHT!』(毎週月曜日 21時〜22時)は、入社2年目の春、2016年にスタート。TBSラジオ『爆笑問題の日曜サンデー』(毎週日曜日 13時~17時)の企画「全日本ラジオ新番組選手権2016」にて、リスナー投票によりグランプリを獲得した。
■吉田尚記
漫画やアニメ、アイドル、落語など多彩なジャンルに精通。パーソナリティを務めるニッポン放送『ミュ~コミ+プラス』(月曜日〜木曜日 24時〜24時53分)では、2012年「第49回ギャラクシー賞」でDJパーソナリティー賞を受賞。
■岩﨑弘志
MBC南日本放送アナウンサー。34歳。MBC南日本放送『岩﨑弘志のてゲてゲハイスクール』(毎週日曜日 13時〜14時)、『#てゲてゲハウス』(毎週日曜日 15時〜16時50分)パーソナリティ。「てゲてゲハイスクール フェスティバル」は、大勢の高校生と一緒に作り上げる一大イベント。
■長谷川瞬
ABS秋田放送『タマリバ』(毎週金曜日 22時〜23時15分)パーソナリティ。秋田市出身。よしもと興業所属、お笑いコンビ「ちぇす」のツッコミ担当。お笑いコンビ「ちぇす」のツッコミ担当。もともとラジオっ子で、ニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』をきっかけに芸人を志した。恋愛に関しては酸いも甘いも、さまざまな経験しているらしく、恋愛相談に定評がある。
■相場詩織
秋田市出身のフリーアナウンサー。ABS秋田放送『タマリバ』(毎週金曜日 22時〜23時15分)では、産休中の藤田ゆうみんさんの代打パーソナリティを務めている。静岡の民間放送局でアナウンサーをしていたこともある。ちなみに、「2019年相場詩織カレンダー」が発売決定し、現在先行予約を受け付け中。
【そのほか出演者】
■森田謙太郎
Twitter Japanシニアマーケティングマネージャー。Twitterのビジネス活用法を紹介する全国セミナーの講師のほか、SBSラジオ『聴くディラン』(月曜日~金曜日 14時~16時15分)、J-WAVE『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』 (月曜日~木曜日 6時~9時)など、各地のラジオ番組に出演中。
■やきそばかおる
コラムニスト。全国のラジオ番組に詳しく、ラジオに関する連載やインタビュー取材、番組構成、ラジオ番組出演など多岐に活躍中。キャスで全国の楽しい番組を紹介する「週刊 ラジオ情報センター」(水曜日もしくは木曜日 21時〜22時頃)を吉田尚記アナ、シオンJr.と生配信している。
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