【ラジオな人】熊本地震の第一報と、放送現場のリアル エフエム熊本(FMK)編成技術部・池上大介さんが語る

音楽とトークで人に寄り添う

――熊本地震以降、リスナーに変化はありましたか?

月曜日からいつもの時間帯で、いつものパーソナリティがしゃべり始めたんですね。体制としてはいろいろ変えましたが。僕が担当している『FMK パンゲア!』に関しては、元々エンターテイメント番組というのもあって、メールが減りました。生活が変わっちゃった人もいるのかもしれません。

「避難所で聴いています」といったメールも来ました。翌週、大雨が降った日があるんですけど、避難されている方は学校の体育館とか車の中にいるし、子どもは学校も休みだし、外で遊べないから退屈しているかなと思って「アニソンを30分かけます」といって流したら、「子供が地震の後、初めて喜んで歌っていました」とメールがきました。やっていて良かったな、と思いましたね。

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――音楽や、人の声が持つ力って大きいですよね。

僕が担当している番組ではないんですけど、本震明けの月曜日、『FMK RADIO BUSTERS』で、MCのかなぶんやさんが話していたことが印象的でした。
オープニングで、「地震がありました。僕自身も被災者として、リスナーとして今までFMKの放送を聴いてきました。ここからは、仲間がつないできてくれたバトンを、僕が受け取ってしゃべります。できるだけいつもと変わらない、みんなに寄り添った放送をしていきます」といったことをおっしゃって。1曲目にかけたのがTHE BLUE HEARTSの「人にやさしく」(※9)だったんですね。
グッときました。「寄り添う」ってこういうことなんだ、と感じましたね。

街行く人にラジオをひろめる

――震災当時のみなさんのようすが、よく伝わってきました。ここからは、FMKさんについてお伺いします。編成には、どのような傾向がありますか?

現在開局34年目で、「35周年、40周年に向けていろいろやっていこう」というのが基本にあります。
編成は、時間帯でコンセプトを決めていて、朝は情報番組から有益な情報を届けようと。お昼は質の高い、気軽に聴けるエンターテイメント番組を目指していこうと。夕方は、熊本の音楽を牽引していく、音楽発信基地としての番組をやっていこう、というのが方針ですね。

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――では、池上さんが現在担当されている番組について、今後をお聞かせください。

昼の枠は気軽に聴ける番組というか、エンターテイメント性の高い番組であるべきだと思っています。そう考えると、出演者の個性って大きいんですよね。個性に合わせて、いろんな企画を考えていかなきゃいけない番組なんだろうな、と思っています。

――池上さん個人としての目標は、なにかありますか?

「リスナーさんの心に届く番組」を作るのが一番なのかなと思いますね。今、聴いてくださってる方々はそのまま聴いてくれて、さらには若い層にも届くような。時間的に10代は難しいですけど、タイムフリーがあるので、10代の中で話題になって聴いてくれると、一番いいですよね。
話が逸れるかもしれないんですけど、僕は小学生のときに、『赤坂泰彦のミリオンナイツ』(※10)をずっと聴いていたんですよ。

――私も高校生のときに聴いていました。

メチャクチャ面白かったですよね! 僕が小学校6年生ぐらいのときも、周りにラジオを聴いている子がいて、「昨日聴いた?」みたいな話になっていたんです。そういうふうにしたいですね。
当時の僕がなぜラジオにハマったのか?と考えると、テレビが自分の部屋になかったんですね。そのとき、親から与えられていた時計にラジオがついていたから、聴いていました。どこからラジオに触れるかは人それぞれなので、番組の企画やライブなどで、FMKに触れる機会を作っていきたいですし、最終的には放送を聴いてもらうのが一番なので、放送を頑張りつつ、FMKの周知やPRも頑張りたいですね。

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――番組を知ってもらうために、中継のコーナーを作ることもあるのですか?

毎週火曜の『FMK パンゲア!』に、「中華お騒がせします」というコーナーがあります。中華首藤さんというタレントさんに、僕もついていけるときは行っています。
中華さんが、上通という繁華街で人を捕まえて、「ラジオ聴いていますか?」とか「ラジコのアプリを入れていますか?」というような話をして、テーマに関する話とかもいろいろ聞いて、タイムフリーも勧めるんですよ。「ラジコにはタイムフリーという機能があって、今こうやって話しているじゃないですか。これが1週間以内なら聴けるんですよ」って。「せっかくなので記念に今から曲をかけますから、リクエストをどうぞ」といって、リクエストをかけて、ラジコのノベルティを渡したりもしています(笑)。

――そうなんですね!ありがとうございます。これからも、FMKの取り組みを楽しみにしてまいります。

出演者プロフィール

池上 大介(いけがみ だいすけ)

エフエム熊本 編成技術部主任。1981年12月2日生まれ。2005年、エフエム熊本に入社。2013年4月より現職に至る。担当番組は『FMK パンゲア!』他。

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エフエム熊本

1985年11月1日、FM中九州として開局。2005年にエフエム熊本に改称。

番組ホームページ

【脚注】

(※9)1987年にTHE BLUE HEARTSがインディーズでリリースしたシングル。1コーラス目のサビの歌詞にある「マイクロフォンの中からガンバレって言っている」など、ラジオから届けたい気持ちを代弁してくれる。2018年冬にはカロリーメイトのCM曲となった
(※10)
1993年4月からJFN系列で放送されていた夜ワイド。まりちゃんズの「尾崎家の祖母」をヒットさせるなど、一大ムーブメントを巻き起こした。赤坂泰彦は1997年9月に降板している

この記事を書いた人

豊田 拓臣(とよだ・たくみ)

1979年埼玉県生まれ。放送文化研究家。

全国各地の放送局へ取材に行き、放送が世の中に与える影響を考察、検証している。専門はラジオ。著書に『ラジオのすごい人たち~今こそ聴きたい34人のパーソナリティ』(2012年、アスペクト)がある。

一般社団法人 日本放送作家協会 理事
特定非営利活動法人 放送批評懇談会 正会員

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マテムり『ブルーロック』特集で潔世一役の浦和希が登場!浦和希が語る潔世一の魅力とは?

4月20日放送の『Snow Man佐久間大介の待って、無理、しんどい、、』(文化放送)は、ゲストに声優の浦和希を迎え、アニメ『ブルーロック』特集と題してブルーロックの魅力に迫った。

浦「自分と似てるところが多いって思ってたんですけど」-

今回のマテムりは、『ブルーロック』特集と題して、ゲストに潔世一役の声優浦和希を迎えて放送された。

アニメ『ブルーロック』は、日本代表がサッカーワールドカップを2010年大会以来8年ぶりにベスト16で終えた2018年。日本フットボール連合は日本をワールドカップ優勝に導くストライカーを養成すべく、高校生フォワード300人を対象とした「ブルーロックプロジェクト」を立ち上げ、「ブルーロック-青い監獄-」と呼ばれる施設を建設。失格者は日本代表入りの資格を永久に失うという条件の中、無名の高校生プレイヤーである潔世一は世界一のエゴイストストライカーになるべく、己のサッカー人生をかけブルーロックでの極限のサバイバルに挑む。という作品。原作コミックは累計発行部数3000万部突破の今最も熱く、最もイカれたサッカー漫画だ。

4月19日から『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』が公開されている『ブルーロック』。浦と『ブルーロック』の出会いや、浦が演じている主人公潔世一の魅力について語ってくれた。

佐久間「『ブルーロック』は、アニメに出会う前に見てたとかあるの?」

「そうですね。それこそ原作の第一話が連載された時から読んでて」

佐久間「へぇ~。連載時からなんだ」

「そうなんですよ。本当にたまたま」

佐久間「すごいね」

「もう僕も結構運命だなって思ったんですけど」

佐久間「それで主人公はちょっとマジで震えるね」

「だからオーディション来た時に、これ受からなかったらどうしようみたいな」

佐久間「(笑)。オーディションっていろいろな役を受けたりとか、指名でこの役受けてくださいとかあったりするじゃん?」

「はい。あります」

佐久間「他にも受けたキャラはいたの?」

「実はもう本当に潔だけで」

佐久間「へぇ~」

「事務所から潔くんを受けてくださいとか、事務所に枠を事前に言われるというか。そういう形なので、それでたまたま潔君を受けて」

佐久間「一本勝負で勝ち取ったのすごいね」

「本当にいろいろな運が重なったというか、ありがたいなと思います」

佐久間「かっけぇわ。主人公の人だやっぱり。」

「(笑)」

佐久間「ここにも人生主人公の人いるわ」

「いやいやいや、もうそうなればいいなと思いながら生きてます」

佐久間「いやすごいわ。あと演じている中で感じた潔世一というキャラクターを一言で表すと?で、「信念と書いてエゴと呼ぶ」おぉ~、すごいね。そのまんまだね」

「そのまんまです。彼の中のエゴっていうのが人を傷つけたりとかそういうものではなくて、自分が上手くなるために、自分が世界一のストライカーになるためにどうしたらいいのかを突き詰めるためのエゴというか」

佐久間「たしかに。本当にストイックだよね」

「ストイックです。本当に。そのための努力も怠らないし、今まで積み上げてきた自分を壊して新しく作り直すって、なかなかできないことだと思うんですけど」

佐久間「マジで勇気がいるよね。自分の武器を手放す勇気」

「ですよね」

佐久間「あらためて作り上げるよりも手放すことが超怖いじゃん」

「本当にそうですよね」

佐久間「今の仕事急にやめろっていってるのと一緒じゃん」

「本当にゾッとしますよね」

佐久間「怖いよね」

「絶対に無理なんですけど、それを上に行くために選択肢として取れるところだったり、それでもずっと前に進めているのは信念というかブレない何かがあるからこそ、彼は進んでいけるんだなと思うので」

佐久間「なんか、浦くんと共通するところは多いんだね。かみ砕いていけば」

「でもなんか、逆に最初の方こそそういうふうに僕も勝手に思ったんですよ。潔くんが自分と似てるところが多いって思ってたんですけど、もう咀嚼すれば、するほどこいつ化け物だと思って。潔世一は」

佐久間「やっぱそうなんだ」

「そうなんですよね。だからもう今は潔くんの背中を追いかけてるぐらいの気持ちです」

佐久間「へぇ~。なんかいいね」

ほかにも、「潔世一を演じるうえで意識していること」や、「潔世一以外で個人的に注目しているキャラクター」についても浦が語ってくれた。そちらについては、是非タイムフリーで。

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