サカナクション・山口一郎、北海道の音楽性を語る「反響するものに対してすごく敏感なサウンド」

極楽とんぼ・加藤浩次さんとサカナクション山口一郎さんが出演! 小樽出身の2人がパーソナリティを務め、10月からレギュラー放送が開始したSTVラジオ『加藤さんと山口くん』。11月1日(日)は、山口さんが北海道の音楽文化について熱く語りました。(STVラジオ『加藤さんと山口くん』11月1日(日)放送分)
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事務所でサッカー勝負? Instagramも開設
今年7月の特別番組を経て、10月からレギュラー化された『加藤さんと山口くん』。今回は、山口さんが自ら事務所に加藤さんを呼び出すところからスタート。雨のため予定を急遽変更し、「加藤さんを癒す会」と題して、山口さんが加藤さんにサッカー勝負を持ち掛けます。
加藤:サッカーで? どこで?
山口:ここでですけど。
加藤:へへへへ……(笑)。ここでサッカーできないでしょ。
山口:一応、ゲームなんですけど。
加藤:サッカーゲーム? できるの?
山口:僕、ちょっとたぶんできると思うんですけど……。やった事ありますか?
加藤:昔やってた。
山口:僕も相当昔やってたんですけど。
加藤:ウイイレ(※「ウイニングイレブン」)……2とか3とか、すっげぇ昔。
山口:ははは(笑)。それ昔過ぎますね(笑)。
続けて山口さんは、番組公式のInstagramを開設した事やフォロワーをもっと増やしたい旨を加藤さんに伝えました。
山口:北海道に今すぐ行かなくても、番組が続く限り、北海道の魅力を興味を持ってもらうっていう意味でも……。
加藤:そこ、だからやっぱり1番このラジオの、そこ何にも俺らやってないから、まだ。ふふふ(笑)。
山口:いや、僕らが小樽出身っていうところで、ある種一つのテーマだったり大儀は達成してるんですけど、さらにね。
加藤:そうだね。能動的ね。
山口:そうです。
加藤:やっぱ、ちょっとそれ足りてないなあっていうのは、俺もなんとなく薄々気付いてたの。北海道を全国の方に知ってもらうとか「こんな良いところあるよ」とか、そういうのを怠ってるなっていうのを……(笑)。特番も含め、前回もこうやって録ったんだけど。
山口:でもまあ、楽しいじゃないですか、結構。今日もだから本当は釣りに行きたかったんですよ。
加藤:だって、あそこにあるもんね。あれ、釣りの道具じゃないの?
山口:どれですか?
加藤:あの白いの。あのクーラーボックス。
山口:あれはなんか普通に書類とか入れてる……(笑)。
加藤:はははは…(笑)。
サカナクション・山口が欲しいもの
加藤さんから「今欲しいもの」について訊かれた山口さんは、「一軒家が欲しい」と答えました。
山口:基本的に歌詞を書いたり曲書いたりする上で、東京で書くっていう事は結構やりきったなと思って。次は違う街で、海の見える釣りが行ける場所で曲作ろうかなって思って。
加藤:え、作る場所によって、全然(曲の)でき方違うの?
山口:家でも変わりますよ。
加藤:あ、そう。
山口:変わりますよ。だって日常なんで。だから、たとえば加藤さんと会って話したのもちゃんと音楽になるし。どう過ごすかっていう事でやっぱり作るものが変わりますから、ライフスタイルが変わると、やっぱり毎日波の音を聴いてたらちょっと緩い曲になったりしますよね。
加藤:おぉ、まあそうか。まあ、でも確かにそうだよね。暑いところの国の音楽とか、寒いところの国の音楽って、やっぱ全然違うもんね。
山口:気候はめちゃくちゃ音楽に影響出ますよ。だから、北海道でレゲエ流行ったの知ってます?
加藤:知らないよ!(笑)。いつ頃?
山口:僕が18~19(歳)ぐらいから流行り始めて。
加藤:何で? よさこいソーランのノリ?
山口:じゃなくて。たぶん南国への憧れなんですよ。南国への憧れがレゲエっていうものを北海道人に浸透させたんですよ。
山口、演歌のルーツを掘り下げる
山口さんは北海道出身のミュージシャンが多い事について、東京への劣等感がクリエイティブに繋がっているのではと自らの見解を示しました。
山口:たとえば、海外ミュージシャンが来日しましたってなると、聴きに行けないじゃないですか。しかも聴けないし、「新曲出ました」って雑誌の内容を見ても聴くのに時間がかかるじゃないですか。だから、想像を働かせるっていう1個のレイヤーがある分、手を加えるじゃないですか。そういう文化なのかなって僕は思うんですけどね。
加藤:自然は関係ある?
山口:雪が降るっていうのはめちゃくちゃ影響あると思います。雪が降ると音が反響しなくなるじゃないですか、街が。音が反響しないって事は、音に対してすごくクリアに音を聴けるじゃないですか。
加藤:ああ、そうか。そこまでか……?(笑)。
山口:いや、ありますあります。だから音に対してかけるエフェクトの種類とか、そういうのは北海道ってのは独特ですよ。リバーブの種類とかディレイとか、反響するものに対してすごく敏感なサウンドになりますよ。
また山口さんは北海道の独自の音楽性が演歌の拳にも共通している点を挙げ、演歌のルーツについて語りました。
山口:漁師町っていうのは、やっぱり民謡とか童謡があるんで、ルーツとしてはやっぱり演歌がすごく近いところにあります。
加藤:すっごい調べてるね、そういうのも。
山口:一応、ミュージシャンなんで。演歌は必ず"別れ"とか"悲しい"、あと"漁師町"とか、そういうルールがあって。だから、短歌とか俳句でいう季語ってあるじゃないですか。ああいうような事が演歌には必ずあるんですよ。
加藤:え、それがないと演歌って言わないの?
山口:演歌って呼んじゃいけないんですよ。
加藤:ああ、そうなんだ。
山口:だから、そこから外れる演歌をたとえばいろんな言い方があるんですけど、わからないですけど"ネオ演歌"なのか、なんか別の言い方があるんですよ。
加藤:ああ、そうなの。演歌とかって、何で北海道の人……。あと、あれは? 相撲取りで横綱とか多かったじゃん、北海道。あれ何でなの?
山口:いやあ……そこわかんないっすねえ。
加藤・山口:はははは(笑)。
北海道の民謡・童謡の発祥は…
山口さんの音楽論は、漁師町から北海道の訛りまで深く掘り下げる形で続きました。
山口:きっと、漁師町の人たちってローカリズムがすごく濃く残ってて、東京とか都会のものに対しての距離感がすごくあるからだと思うんですよ。そもそも日本語を話せるアイヌ人の人たちが増えてきた時に、アイヌの人がしゃべってる日本語を聞いたんですけど、めちゃくちゃ北海道訛りの漁師訛りだったんですよ。
だから、たぶん元々北海道での北海道弁っていうのは、漁師訛りのあのきつい感じだったんですね。なので民謡・童謡とか、要するに発祥はあの訛りでたぶん出てきてたんで、漁師町はそこがしっかり残ってると。そういう事だと思うんですけどね。
加藤:へ~、でもそういう流れがあるんだね。でも、ポップスも北海道の人多いじゃん。ドリカムさんにしてもGLAYにしてもさ、山口くんもそうだし、いっぱいいるでしょ。
山口:いますね。でもそれはね、札幌の街の構成上そうだと思うんですよね。
加藤:どういう事?
山口:要するに、北海道って札幌が1番デカいじゃないですか。旭川とか帯広とか、函館、釧路とか、北見もそうですけど、中でも北海道の札幌が1番大きいですよね。すすきのが中心になるじゃないですか。すすきのが中心にあるっていう事で、昔キャバレーとかライブバーが、めちゃくちゃすすきのにあったんですよ。R&Bブームが北海道のすすきのであったんですよ。
加藤:1960年代から?
山口:大黒摩季さんとか。まさにR&Bブームの真っ最中なんですけど、やっぱりああいう場で歌うのが一つ、北海道の中で流行るルーツになったんじゃないかなと。
加藤:それは元々、そういう文化になってたって事?
山口:なっていったんじゃないですか。
- 加藤さんと山口くん
- 放送局:STVラジオ
- 放送日時:毎週日曜 12時00分~12時30分
- 出演者:加藤浩次、山口一郎
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