ベテラン民謡歌手が親子で出演する番組から伊達政宗がDJを務める番組まで! 宮城県のおすすめラジオ番組

都道府県別にラジオ番組を紹介するシリーズ。今回は宮城県の民放ラジオ局(TBCラジオ、Date fm(エフエム仙台))の番組を紹介します。

TBCラジオ

地元の“かゆいところに手が届く情報“を紹介するワイド番組、話題の音楽を放送する番組はもちろん、ナイターシーズンには東北楽天ゴールデンイーグルスの中継も行っています。東日本大震災の復興にまつわる情報も放送。ラジオカーも大活躍!

『GoGoはみみこい ラジオな気分』

16年にわたって放送されたお昼の看板番組『ロジャー大葉のラジオ』からバトンを継いでスタート。パーソナリティの佐々木淳吾アナウンサーは「緊張はしていたものの、前日は意外にもグッスリと眠れた。緊張しすぎて疲れていた」とのこと。優しくてどこか隙のある佐々木アナ。「番組を聴いて『癒された』と思う時間になれば」と初回の放送で所信表明をしました。久しぶりのラジオ番組登板で早速パートナー(安東理紗アナウンサー 月・火曜、熊谷望那アナウンサー 水・木曜)から楽しくイジられている佐々木アナ。ホッコリした雰囲気が漂っています。

GoGoはみみこい ラジオな気分
放送局:TBCラジオ
放送日時:毎週月曜~木曜 12時00分~16時00分
番組ホームページ
公式Facebook

※放送情報は変更となる場合があります。

『ラジオな気分フライデー2』

『ラジオな気分フライデー2』は2020年3月まで同局でアナウンサーを務めていた石川太郎さんと熊谷望那アナウンサーが担当。喋りたくてしょうがなさそうな石川さんが、腕をブルンブルンまわすような雰囲気で喋ります。それでいて、どこかオシャレ。

ラジオな気分フライデー
放送局:TBCラジオ
放送日時:毎週金曜 12時00分~14時00分
出演者:石川太郎、熊谷望那
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

『tbcラジオ 東日本大震災報道番組 3.11みやぎホットライン』

tbcは東日本大震災の発生直後から、およそ256時間にわたって災害報道を続けました。その後も絶えず取材を続けており、復興の状況を番組で伝え続けています。『3.11みやぎホットライン』の放送回数は460回を超えています(2021年3月現在)。番組の公式サイトで内容を振り返ることが可能です。読むと「自分は今、何をしないといけないのか」と考えさせられます。

毎年3月11日が近付くと、さまざまなテレビ番組で震災発生時の様子が放送されます。パーソナリティの藤沢智子アナウンサーは放送で「震災の報道を観たり聴いたりするのが辛い方も多いと思います。どうか、無理はなさらずに」という言葉をかけていました。

3・11みやぎホットライン
放送局:TBCラジオ
放送日時:毎週月曜 19時00分~19時30分
出演者:藤沢智子
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

『恵子とかすみのい〜ぐする民謡』

芸歴62年、79歳の庄司恵子さんと、娘のたらさわかすみさん親子の番組。恵子さんはとにかくアグレッシブ。趣味は運転することとマージャン。地元の企業のコマーシャルに多数出演してきたほか、令和2年「宮城県教育文化功労賞」受賞。最近は“ユーチューバーバ”としてYouTube配信も始めました。

南三陸町を訪問して美味しいものを紹介したり、ご自身のステージの裏側を紹介したりしています。かすみさんは高校時代にカリフォルニアに留学したことがきっかけで和の世界へ。津軽三味線の奏者でもあります。

恵子とかすみのい~ぐする民謡
放送局:TBCラジオ
放送日時:毎週日曜 7時40分~8時00分
出演者:庄司恵子、たらさわかすみ
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

『佐々木眞奈美の「あっぺとっぺファーマシー」』

「あっぺとっぺ」とは宮城の言葉で「ちぐはぐ」「とんちんかん」という意味。この番組は批判的な意味ではなく、愛嬌のある人気者を面白がろうというコンセプト。方言にまつわるエピソードを紹介する「方言でござりす」、名曲のサビの部分を方言に直して歌う「宮城弁だよ 歌謡曲」「眞奈美の薬剤師にきいてみよう」などなど盛りだくさん。

実は、眞奈美さんは薬剤師の免許も持っています。日曜の朝に元気を注入したい人にピッタリ。

佐々木眞奈美の「あっぺとっぺファーマシー」
放送局:TBCラジオ
放送日時:毎週土曜 8時10分~8時55分
出演者:佐々木眞奈美
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

そのほか、さわやかなトークと音楽で素敵な朝を彩る『Voyage』(月曜〜金曜 9時〜11時30分)、情報はもちろん、アナウンサー独自の日替わりトークにも注目したい『シロクジTUNE』(月曜〜金曜 16時〜17時59分 ※月曜は18時まで)、寺にまつわる話を明るくシャレた雰囲気で伝える『蓮臺寺 お寺でふぅ~』(土曜 6時30分〜6時45分)を始め、バラエティ豊かな番組が揃っています。

Date fm(エフエム仙台)

地元を中心に活躍している著名人の番組が多いFMラジオ局。中でも月曜から木曜の20時台に注目。宮城を拠点に活動するミュージシャンや宮城の高校生、さらにあの偉人(!)が出演する番組が並びます。また、東日本大震災の復興にまつわる情報を紹介する番組も放送されています。

『SOUND GENIC』

DJはロックが大好きで音楽イベントの企画、演出も手掛ける井上崇アナウンサー(月曜・火曜)、ベガルタ仙台で活躍していた元Jリーガー、千葉直樹さん(水曜・木曜)。タイトル通り音楽を楽しみたい人にうってつけの番組。

宮城にゆかりのあるアーティストが担当する「VOICE GENIC」は、SUPER☆GiRLSの渡邉幸愛(こうめ)さん(アイドル文化にまつわる話で盛り上がる)、萌江さん(歌詞を分析して曲の魅力を味わう)、GAGLEのHUNGER(ラップとその文化を楽しく学べる)、ANTENAの渡辺諒さん(音楽に関するさまざまな企画に挑戦)が登場します。

SOUND GENIC
放送局:Date fm FM仙台
放送日時:毎週月曜~木曜 16時00分~17時15分
出演者:(月・火)井上崇、(水・木)千葉直樹
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

『とび出せ 中村くん!!』

名取市出身、「THE YOUTH」のヴォーカル・中村マサトシさん。40歳、5児の父。ソロでもメジャーデビューを目指しているという中村さんの音楽&トーク番組。明るく楽しい存在であるものの、ディレクターに弄ばれている雰囲気も微笑ましい。“Date fmのDJのなかで暇な3人“が集まって座談会をするコーナーのワチャワチャ感もたまりません。

ちなみに、スポンサーは地元で有名な寿司屋なので、ゲストには「好きな寿司ネタ」を訊いています。

とび出せ 中村くん!!
放送局:Date fm FM仙台
放送日時:毎週月曜 20時00分~20時55分
出演者:中村マサトシ
公式Instagram

※放送情報は変更となる場合があります。

『響鳴乱舞! 仙台 DATE-MON』

パーソナリティは“伊達政宗”。当時から“伊達者”(華やか、洒落た、粋)で流行に敏感だったといわれている政宗。番組では地元の新聞を読みながら現代の世の出来事についてコメントするほか、音楽も大好きな政宗が邦楽を中心にとっておきの曲を紹介します。

地元の”合戦“(野外フェス)「ARABAKI ROCK FEST.」にもほぼ毎回参戦して番組で特集を組むほどの行動派です。 

響鳴乱舞!仙台 DATE-MON
放送局:Date fm FM仙台
放送日時:毎週火曜 20時00分~20時55分
出演者:伊達政宗 公、家臣一同
番組ホームページ

※放送情報は変更となる場合があります。

『Got Emo?』

シンガーソングライター・萌江さんの番組。萌江さんは石巻市出身。地元の名産、ホヤを広める「ほやアイドル」として活動を開始。いしのまき観光大使、石巻おでん大使としても活動しています。ほっこりソングを歌う昼(表)の顔に対して、夜(裏)の顔は恨みを込めた失恋ソングを歌う“直球怨念型シンガーソングライター”。2021年3月10日(水)には『いしのまきのうた/あなたへの手紙』をリリースしました。

そんな萌江さんがエモい曲を紹介したり、生歌を披露したり……の生放送の55分。リスナーからのメッセージに対する反射神経もよく、自身のことを弾けるような口調であけすけに話します。曲紹介のうまさにも注目。

Got Emo?
放送局:Date fm FM仙台
放送日時:毎週水曜 20時00分~20時55分
出演者:萌江
公式Instagram

※放送情報は変更となる場合があります。

そのほか、ニュースやスポーツ、本、おすすめスポットなど、知っておきたい情報が満載の朝ワイド『Morning Brush』(月曜〜金曜 7時30分〜11時)、宮城県内の高校生と竹森マサユキさんが一緒に番組をつくる『とび出せ! 高校生諸君!』(木曜 20時〜20時25分、20時30分〜20時55分)、“歌う尼さん”として活躍するやなせななさんが、ほっこりする話と音楽を届ける『やなせなな はじまりの日』(月曜 11時30分〜11時50分)など、さまざま番組が放送されています。

この記事を書いた人

やきそばかおる

小学5年生以来のラジオっ子。ライター・構成作家・コラムニスト。

「BRUTUS」「ケトル」などのラジオ特集の構成・インタビュー・執筆を担当するほか、radiko.jp、シナプス「I LOVE RADIO」(ビデオリサーチ社)/ J-WAVEコラム「やきそばかおるのEar!Ear!Ear!」/otoCoto「ラジオのかくし味」/水道橋博士のメルマ旬報など連載や、番組出演を通じて、ラジオ番組の楽しさを発信。

ラジコプレミアムを駆使しながら、全国のユニークな番組を紹介するツイキャス番組「ラジオ情報センター」(水曜21時〜22時)も放送。全てを合わせると、年間でのべ800本のラジオ番組を紹介している。

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亡き親友との約束胸に「スタジアムを応援フラッグでいっぱいにしたい」

プロ野球をはじめ、先日のメジャーリーグ開幕戦、そしてサッカーのJリーグでもよく目立つのが、巨大なフラッグによる応援です。今回は、このスポーツ応援に欠かせないビッグフラッグを染め上げている男性のお話です。

影山洋さん

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

日本一小さな市・埼玉県蕨市に、一軒の工房があります。有限会社染太郎、スポーツの試合で現れる大きな旗を作る会社です。トップは、影山洋さん、昭和30年生まれの69歳です。

蕨出身の影山さんは、小さい頃は空き地で友達とサッカーボールを蹴ったり、お小遣いがたまると後楽園球場へ行って、王さん・長嶋さんの野球を見て育ちました。そして、百貨店で催事のお知らせをする巨大な垂れ幕を作る会社に勤めます。

仕事に脂がのってきた30代のある日、影山さんは小さい頃のサッカー仲間で、当時の読売クラブに在籍していた奥田卓良選手から、こんな話を聞きました。

「今度、日本でもサッカーのプロリーグが始まるんだ。絶対応援してくれよ!」

「だったら、ヨーロッパみたいに、おっきな応援フラッグを作って、応援するよ!」

影山さんがそう答えて迎えた1993年5月15日のJリーグ開幕の日。国立競技場の熱狂の渦のなかに、奥田さんの姿はありませんでした。奥田さんは不慮の交通事故で、Jリーグを見ることなくこの世を去っていたのです。

『奥田との約束を守るためにも、日本のスタジアムを応援フラッグでいっぱいにしたい!』

そう思った影山さんは、会社勤めを辞め、自ら応援フラッグを作る会社を興します。地元・埼玉の浦和レッズの熱いサポーターたちとつながると、話が盛り上がって、今までにない幅50メートルのビッグフラッグを作るプロジェクトが始まりました。

影山さんが手掛けたビッグフラッグの数々

参考になったのはもちろん、影山さんが長年培ってきたデパートの垂れ幕のノウハウ。パソコンもあまり普及していない時代、設計図を元に1枚1枚刷毛で塗る手作業でした。ただ、ビッグフラッグを作っても、出来栄えを確かめられる広いスペースもなければ、対応してもらえる競技場もありませんでした。

ようやく人前で披露できる環境が整ったのは、2001年のJリーグ・レッズ対マリノス戦。埼玉スタジアム2002のこけら落としの試合でした。影山さんたちがドキドキ見守る中、ピッチに大きく真っ赤なフラッグが広げられると、スタンドからは「オーッ!」と地鳴りのような歓声が沸き上がりました。

翌日から、影山さんの会社の電話は、様々なチームからの問い合わせで鳴りやまなくなりました。

「私たちもレッズみたいな、熱い応援をしたいんです!」

数ある問い合わせの中に、情熱のこもったメッセージを届けてくれた人がいました。それは、プロ野球・千葉ロッテマリーンズの応援団の方々でした。影山さんは、競技の違いを乗り越えて、新しい応援スタイルが広まっていくことに、喜びを感じながら、さらに大きい幅75メートルものビッグフラッグを作り上げました。

このフラッグが、千葉・幕張のスタジアムの応援席に広げられると、今度はプロ野球チームの関係者からの問い合わせが相次ぎました。こうしてサッカーではレッズ、野球はマリーンズから始まったビッグフラッグによる応援は、今や多くのスポーツに広まって、当たり前の存在になりました。

蕨市の盛り上げにも活躍する影山洋さん

そしてこの春、影山さんは、東京ドームで行われたメジャーリーグのカブス対ドジャースの開幕戦でも、大役を任されることになりました。それは、初めての国旗。試合開始前のセレモニーで使われる、幅30メートルの日の丸と星条旗の製作でした。

国のシンボル・国旗に汚れを付けたり、穴を開けたりすることは決して許されません。3月10日に納品した後も、影山さんは毎日毎日東京ドームに通って、抜かりのないように、細心の準備をしました。そして、メジャーリーグ機構の厳しいチェックもクリアして、開幕当日を迎えます。

ベーブ・ルースから大谷翔平まで、日米の野球・90年の歴史の映像が流れて、無事に大きな日の丸と星条旗が現れると、影山さんも胸が熱くなりました。

『あの王さん・長嶋さんが躍動した後楽園球場を継いだ東京ドームで行われる、かつてない野球の試合で、自分の本業で関わることが出来ているんだ!』

そして、このメジャーリーグ開幕戦の興奮も冷めやらぬなか、今度はサッカーの日本代表が、8大会連続のFIFAワールドカップ出場を決めました。実は影山さんには、まだまだ大きな夢があります。

「いつか、サッカー日本代表がワールドカップの決勝戦を迎えた日の朝、富士山の近くで、おっきな富士山をバックにおっきな日の丸を掲げて、選手にエールを送りたいんです!」

亡き親友への思いを胸に生まれた、日本におけるビッグフラッグによるスポーツ応援。その応援文化のパイオニア・影山さんの夢は、きっと叶う日が来ると信じて、さらに大きく膨らみ続けます。

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