かまいたちが車の中でしゃべりまくるラジオ番組『かまいたちのヘイ!タクシー!』

『かまいガチ』(テレビ朝日系)や『かまいたちの机上の空論城』(関西テレビ)、『かまいたちの知らんけど』(MBSテレビ)など、ここ数年で冠番組が続々とスタートし、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いという言葉がふさわしいお笑いコンビ・かまいたち。

テレビや配信、劇場で多忙を極める中で担当するラジオ番組が『かまいたちのヘイ!タクシー!』(TBSラジオ)です。2人がタクシーに乗車して、街を巡りながら収録するユニークなスタイルで注目されてきました。2021年秋には、なんとタイトルに入っている「タクシー」を卒業。今回は新たなフェーズに入った番組の魅力を掘り下げます。

コントや漫才、ロケ…賞レースも総なめ!かまいたちブレイクまでの軌跡

吉本興業が運営する芸人養成所・NSC大阪校の26期生だった山内健司さんと濱家隆一さんがコンビ「鎌鼬」を結成したのは、2004年5月。大阪の若手芸人が拠点としていた劇場「baseよしもと」や「5upよしもと」で漫才やコント、テレビ番組でロケの腕を磨き、2009年4月末にはコンビ名を「かまいたち」に変更。2013年の「第33回ABCお笑いグランプリ」で優勝し、大阪の若手実力派芸人の筆頭となります。

2017年に「第10回キングオブコント」での優勝を機に東京へ進出。結成15年のラストイヤーとなった「M-1グランプリ2019」ではミルクボーイ、ぺこぱとともに決勝戦へ。結果は審査員7名中6票を獲得したミルクボーイの優勝に終わりましたが、松本人志さんが唯一、かまいたちに1票を投じた幕切れは大きなインパクトを与えました。

その後、2018年・2019年にロケ最強芸人を決める『フジテレビ外王~ロケ最強芸人決定戦~』(フジテレビ系)で連覇を果たすと、2021年には「第56回上方漫才大賞」で大賞を受賞。コントや漫才、ロケにおける各賞レースを総なめにし、テレビやネット配信で冠番組やMCを務める番組を続々とスタートさせます。

2021年に開設した公式YouTubeチャンネル「かまいたちチャンネル」は登録者数150万人を超え、同年9月に開催された単独ライブ「on the way」の配信チケット販売枚数は、吉本興業主催のオンラインライブ史上最多記録となる1万8547枚を記録。同年10月にはオフィシャルファンクラブ「OMAETACHI」を開設しました。

車内&車外収録の個性派ラジオ『かまいたちのヘイ!タクシー!』

かまいたちのラジオでの活躍を紐解くと、「baseよしもと」時代は劇場前に位置するYES-fmの公開生放送『オンスト』(2007年5月〜2010年3月)、ABCラジオ『俺達かまいたち』(2014年1月〜2018年3月)、FM大阪『よしもとラジオ高校〜らじこー』(2014年4月 - 2018年3月)、MBSラジオ『エビ中☆なんやねん』(2018年6月〜2021年4月)などにレギュラー出演していました。

2018年4月より初の東京でのレギュラー放送となった『かまいたちのヘイ!タクシー!(通称:かまタク)』は、かまいたちの2人がタクシーに乗車し、車内でのトークや都内近郊のさまざまな街で降りてトークを繰り広げるという、前代未聞の内容が話題を集めました。運転手を務めるのは、番組の構成作家を務める"もりしー"こと森下さん。タクシー会社に就職しながら作家業も兼務していたことから、この企画が実現しました(現在は作家業のみ)。

今まで都内近郊の街角の路上からだけでなく、「矢切の渡し」(千葉県松戸市)の船上や、波打際を車で走れる千里浜海岸(石川県)、山内さんのバースデー会場となった番組スタッフの自宅からなど、国内のあちこちで番組収録を行い、その土地ならではの光景や空気感を伝えています。

かまいたちのヘイ!タクシー!
放送局:TBSラジオ
放送日時:毎週月曜 21時30分~22時00分
出演者:かまいたち
番組ホームページ
公式Twitter

Twitterハッシュタグは「#かまタク」

出演番組をラジコで聴く

※放送情報は変更となる場合があります。

目的地に向かうまでの車内トークや、スタジオ収録でのフリートークも絶品。山内さんの『キングオブコント』審査員の感想や、濱家さんが感激した粉瘤専門クリニックでのエピソードなど、テレビでは見せない本音や暮らしぶりをおしゃべり。気心の知れたスタッフ、そして"カリスナー"(番組リスナー)たちの前で、2人がリラックスしながら話す素のトークが楽しめます。

空気階段、ザ・マミィ、マヂカルラブリー、ニューヨーク…『キングオブコント2021』出演者のラジオ番組

時にはキワどい内容も!?現在募集中のコーナー紹介

『かまタク』では現在、かまいたちにやってもらいたい食レポとコーナー2つのネタを募集しています。

かまタク×Charge SPOT 目撃情報

2021年12月末からスタートした、スマホの充電レンタルのシェアリングサービス「ChargeSPOT」とのコラボ企画。東京・大阪・名古屋・福岡のコンビニ大手3社に設置された「Charge SPOT」で貸し出される充電バッテリーの中に『かまタク』デザインのバージョンが混ざっており、その目撃情報を番組ハッシュタグ「#かまタク」をつけてツイートするもの。デザインは、カリスナーでもあるイラストレーター・小林麻美さんが手掛けており、ラッキーなリスナーから多数の目撃情報が寄せられています。

ヘイ!テレフォン!

かまいたちが番組リスナーの"カリスナー"と電話を繋ぐコーナー。海外の風俗店でのエピソードを告白する大学院生や、夫婦間のレスの悩みを打ち明ける主婦といった多種多様なリスナーが登場しています。食品メーカーとのコラボや、山内さんのお誕生日会に番組スタッフが振舞った料理を食べながらの収録など、食レポが多いのもこの番組の特徴です。食レポでは山内さんが「若手関西芸人風の食レポ」などの"食レポ芸"を披露することも。

「かまタクカー(仮)」正式名称決定までの攻防

『かまいたちのヘイ!タクシー!』では、番組開始からロケ専用車を購入した2021年秋までの約3年半、本物のタクシーに乗車しながら番組収録を行ってきました。ロケ専用車の購入に伴い、番組では8人乗りの乗用車「かまタクカー(仮)」(ヴェルファイア)の正式名称を募集しました。2週にわたって車名の候補を絞り込むうちに、山内さんと濱家さんの間で意見が対立! 「かまタクカー(仮)」の正式名称決定までの紆余曲折をレビューします。

「タクミツくん」VS「カリファイア」(2022年1月17日放送)

濱家:「かまタクカー(仮)」の名前を募集してたやつが来てますよ、山内さん。「ラジオネーム:カンジ・スガワさん。車は変わりましたが、運転手は変わらず森下さんだと思うので、「カリファイア」というのはどうでしょうか。」

山内:良いんじゃないですか。

濱家:「ラジオネーム:せつなさみだれぎりさん。濱家隆一の"1"、山内健司の"2"、もりしーの"4"。3が空いているので、タクシーの"タク"と"3"を合わせて「タクミツくん」というのはどうでしょう。」

山内:何やねん、それ。なんか途中まですごい……「おお!」みたいな感じになったけど……。「タクミツくん」……。おもろそうな助走、めっちゃあるのに。

濱家:今のところ「タクミツくん」かなあ。

山内:いや、「タクミツくん」は無いよ。

濱家:「ラジオネーム:マザーオブウルトラさん。かまいたちとヴェルファイアを混ぜて「かまファイア」はどうでしょう?」

山内:「かまファイア」……。それなら「カリファイア」の方が。迷うね。

濱家:(メールを読む)「『かまタク』のリスナー"カリスナー"がすっかり定着してきたので、『かまタク』の車は、「カクルマー」に……(笑)。」

山内:へったくそやなぁ……。何が……。小学生かって。カクルマー……。

新しい番組名や下ネタ混じりの車名も寄せられる中、この回の放送時点では「カリファイア」と「タクミツくん」が有力候補となりました。

山内:「カリファイア」、俺好きやけどねえ。"カリスナー"とセットで。

濱家:…ってなったら、あれは? 「カクルマー」も良いんじゃ……。

山内:「カクルマー」は……何にもかかってないやん。何なん、「カクルマー」って(笑)。

濱家:今のところ暫定は「カリファイア」と「タクミツくん」やね。俺は「タクミツくん」を推します。

「グリーン車」VS「タクミツくん」VS「カリファイア」(2022年1月24日放送)

2021年1月17日の放送で、山内さん推薦「カリファイア」と濱家さん推薦「タクミツくん」に絞られた「かまタクカー(仮)」のネーミング。納車式の際に駆けつけたリスナーからの候補「グリーン車」も再び浮上し、車名決めは最終段階に。話し合いでは決まらず、"ある方法"によって決定することになりました。山内さんの"カリスナー"や「カリファイア」の呼称に対する熱い想いがあふれたシーンを振り返ります。

山内:もうそろそろ決めたいですねえ。「カリファイア」か「グリーン車」。

濱家:「カリファイア」もやっぱり良いけどねえ。

山内:カリスナーって言ってるからね。「僕、カリスナーです」っていう人、こないだいたよね。「えっ、カリスナーなんですか?」って。ロケで行ったお店の人よ。

濱家:そうそうそう。

山内:やっぱり「あっ」ってわかりやすい。「あっ、『ヘイ!タクシー!』を聴いてくれてるんだ」って一瞬でわかるから。「カリファイアを見ました」って言われたら、ラジオの時に(車に)乗ってるのを見てくれたんだなってわかるし。

濱家:「タクミツくん」もなあ。

山内:「タクミツくん」は無いのよ。何で迷う必要があんの。「カリファイア」かな。

濱家:ええ、もう決定すんの?

山内:もう決定でいいんじゃないですか、これは。

濱家:うーん……「カリファイア」……。

山内:じゃあ「カリファイア」に勝てる人がいるかどうか、もう1週だけ聞きますか? 「タクミツくん」は無いのよ。意味がわからないから。

濱家:……なんか下ネタ過ぎてなあ。

山内:……そういうラジオやろ! 何を今、気にしてんねん。カリスナー言うてるやんけ。

濱家:カリスナーは、リスナーの"リ"を取って"カリスナー"やんか。「ヴェルファイア」と「カリファイア」って、かかってないのが気になんねん。

山内:どこ気にしてんの。

濱家:決まる時って、「あっ」っていう決まり方になると思うねん。「カリファイア」って「あっ」ってなった?

山内:「カリファイア」は、まあまあまあ……。

濱家:運命かどうか、やる? じゃんけんして山内が勝ったら「カリファイア」にしようか。そういうことやから結局。

二人:最初はグー、じゃんけん!(山内:チョキ、濱家:パー)

濱家:「カリファイア」や。

山内:そんな決まり方なん。じゃんけん負けて。

濱家:運命ってそういうことやから。もう1回俺がじゃんけんして、俺は今負ける運命やねん。俺の意見が通らないっていう運命やねん。今はそういう流れやから、もう1回やったとしても負けんねん。

山内:もりしーと濱家で。

濱家:もりしーが勝ったら「カリファイア」ね。俺が勝ったら、もう1週募集ね。

二人:最初はグー、じゃんけん!(もりしー:パー、濱家:グー)

山内:あら、もりしーが勝った。

濱家:「カリファイア」だ。

山内:何を今、試して言ってるの?

濱家:……運命論って、分かる?

紆余曲折を経て、正式名称が決定した番組ロケ専用車「カリファイア」で街を巡りながら放送する『かまいたちのヘイ!タクシー!』。かまいたちが移動車内という特別な空間から、愛する"カリスナー"たちだけに向けて吐露する本音の数々。このラジオを聴けば、かまいたちの新たな一面を発見できるかもしれません。

この記事を書いた人

高田りぶれ(たかだ・りぶれ)

山形県生まれ。ライターなど。放送作家のキャリアを生かし、テレビ・ラジオ番組のおもしろさを伝える解説文を年間150本以上執筆。趣味は観ること(プロレス、サッカー、相撲、ドラマ、お笑い、演劇)、遠征、料理。

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ミスDJの千倉真理、女子大生時代を振り返る!

3月22日放送の「くにまる食堂」(文化放送)は、「ミスDJリクエストパレード360」のパーソナリティを務める千倉真理さんが出演。1981年に「ミスDJリクエストパレード」のオーディションで優勝し、パーソナリティとなった千倉さんが当時の思い出を語った。

野村邦丸アナ「ミスDJのコンテストで、審査員長をされていた野末陳平さんが、“千倉真理を優勝させなければ僕は降りる”と言ったくらい、野末陳平さんに惚れこまれていたそうですね」

千倉真理「その当時、文化放送の社員の方たちは別の方を推していたんですよ。だけど、陳平さんと加藤タキさんが推してくださったそうです。“うまくないけど、この子がいいんじゃないか?”みたいなことをおっしゃってくださったと、後で聞きました」

邦丸「元々、ラジオは聞いてたんですよね」

千倉「ラジオで告知を聞いて、履歴書とカセットテープに1分ぐらいの自己紹介を入れて、文化放送に送ったら、電話があって、・・・その後、何度か文化放送に行って、優勝みたいな感じで」

邦丸「当時、成城大学の女子大生だったんですよね」

千倉「1年生で19歳だったんです。深夜放送はいつも聞いていたので、文化放送の中はどうなってるんだろうという思いと好奇心がすごくありました。コンテストで選ばれることより、放送局に入れることがうれしかったです」

邦丸「パーソナリティとしてしゃべらなきゃいけないわけじゃないですか?どうでしたか?」

千倉「当時、文化放送のディレクターさんたちは“楽しんでくれればいい。女子大生でいてくれればいい。しゃべりもうまくなれとか言わないから”って言ってくれました。よく教育してくれたというか、楽しみ方を教えてもらったというか、純粋に楽しめました」

邦丸「やって楽しかったでしょ」

千倉「クラブ活動みたいで楽しかったです」

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