ティモンディ・前田裕太と福留光帆が、「苦手は克服しなくていい」をテーマに語り合った。またBE:FIRST・SOTAと渋谷すばるがコメントで登場。「苦手克服」について語った。
この内容をお届けしたのは、12月11日(水)に放送されたJ-WAVEの番組『GURU GURU!』(水曜日ナビゲーター:ティモンディ・前田裕太、福留光帆)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく"逆転ラジオ"。リスナーからさまざまな意見を募り、発想と柔軟性を育てる教養バラエティプログラムだ。
この日のオンエアは、12月18日28時ごろまでradikoで再生可能だ。ここではトークの一部をテキストでお届けする。
前田&福留が苦手なものは?
苦手な食べ物、苦手な人、苦手なことなどさまざまに「苦手」があるが、そもそも自分の身を守るための感覚として「苦手」が身に付いたという話も。今回は「苦手は克服しなくていい」をテーマにトークを展開した。
前田:どんなことが苦手ですか?
福留:苦手なことがありすぎて何を話していいかわからないですね。
前田:そうなんだよね。得意なことって自覚しにくいというか。自分にとっては当たり前だから、人が見てすごいって思っていても、自分は当たり前にできていることで「俺はこれが得意だよ」ってあまり自意識として芽生えなくない? 苦手なものは相対的に(自分に)足りていないもので、努力しても届かないっていうことが多々あるから。苦手はみんなが等しく感じる部分だと思いますね。
福留:私が嫌いな言葉が3つあって「努力・継続・貯金」なんです。この3つが本当にできない。
前田:なかなか生きづらそうですね。
福留:だからこうなっちゃったんだよ。前田さんは?
前田:それこそテレビとか苦手かもしれない(笑)。
福留:この仕事辞めちまえ(笑)。
前田:向いてるって言ってくれる仕事も多々ありますけど、自分自身がリアクション芸とかやらされて「痛い!」って言ったときに、僕に対してみんな「かわいそう」って顔をするんだよな(笑)。
最近、福留は「苦手なものが、かなり少なくなってきた」と話し、その1つとして「嫌いな人とでもしゃべれるようにった」と明かす。
前田:それはなんで?
福留:そうやって生きていかなくちゃいけないって知ってしまったからです。
前田: 21歳とは思えない。
福留:苦手な人だからしゃべらないのは違うかな……って。妥協って生きていく上で必要なんですよ。相手が妥協しないのであれば、自分が妥協しなきゃいけないんです。
前田:そのうち心が疲弊していくぞ。
福留:してるからこうなってる。
前田:苦手なものばかりだから俺たち生きにくいんだから。
福留:苦手を克服しようと思ってます?
前田:最近はしなくてもって思うんですけど。苦手なものを「僕はこんな人間です」って自分でも受け入れられてないし、人に「愛してください」っていう度量も器量もないというか。でも足りてないって、人として愛おしいじゃん。本当はできないことは見せたほうが人のかわいげだったりがあるんだろうけど、負け顔ができないんだよな。
福留:わかる! 結局、完璧な人って最初はいいかもしれないけど、何でも出来すぎると妬みの対象になってしまうんですよ。
前田:能力値が全体的にバランスがよい人って、すごいけど面白くはないよね。
福留:あと生きにくいと思う。次から次へと求められるから。
苦手を公言しても意味がない?
続いて「大人になって克服したもの」の話題になった。
前田:苦手なものって克服するというか諦めるに近いかもしれないな。「これだけ頑張って無理ならしょうがないかな」となるというか。だから克服という表現は、頑張った末に獲得したものな気がするんですけど、福留さんは何かありますか?
福留:お刺身。前は食べられなかったんですけど、最近うまくてしょうがない。
前田:でも、それも克服しようとしたわけじゃないでしょ?
福留:食べてみたらいけたみたいな。
前田:だから、苦手なものを克服するための努力をすればするほど難しいよな。
福留:そうですね。「あれ、いけるかも?」くらいの気持ちで挑むものが一番いいんじゃないんですかね。
「苦手」をテーマに、リスナーからこんなメッセージが届いた。
リスナー:苦手なことがあっても周囲に公言しておけばハードルが低くなって褒められやすい気がします。私はゴルフが苦手なのですが年に2回コンペがあるため逃れることができません。しかし、みんな私がゴルフが下手だと知っているので最低限のスコアで回れていれば「今日は頑張ったな」と褒められます。
福留:苦手なことって公言してもあんまり意味がないですよ。私、どこでも大喜利が苦手って言ってますけど大喜利を振られますもん。
前田:できることと本人が好きなことと嫌いなことは違うから、あなたの場合は自分では「ちょっと嫌だな」って思ったことが、他人からは評価されてできているっていう。だから、それに対しての向き合い方って難しいよね。
福留:本当に向いてないことばっかりですよ。
前田:その中で他者から評価されているということは、できているっていう認識なんだな。
福留:でも苦手なの。
前田:「苦手だけどできている」が一番つらいね。求められているけど、自分の中では苦手っていうのは。
福留:私の大喜利を見てみんな何に笑っているのかわからないもん。何が面白いかわからない。
前田:それは生まれながらにしてのお笑い兵器だな。
福留:そういうの一番嫌だ。
前田:でもそんなに褒められるってことは、私に向いているかも……ってなればいいですよね。それも時間と経験と褒めてくれる人たちによって、少しずつ固まった心が柔らかくなる可能性もありますからね。
できないならできないなりに絶対に道はある
ここで、BE:FIRSTのSOTAがコメントで登場。SOTAはBE:FIRST加入前はダンサーとして活動、ダンサーの世界大会で4回優勝するという偉業を成し遂げている。そんなSOTAが苦手克服について語った。
SOTA:僕が克服することをやめたのはバク転です。大会の振付でバク転を克服しなきゃいけないときがあって、スパルタチックに練習をしたら指の骨を折っちゃって、もっと怖くなったっていうのがあるので。本当に自分のペースで、そのときにできないならできないなりに、絶対に道はあると思うので無理をせず自分のスピード感で克服を目指していったほうが、後々役に立つと思います。無理ない程度に克服を頑張ってください。
前田:ダンスの世界一の人が、ダンスのジャンルの中で苦手なものがあるんだね。
福留:確かに。
前田:歌がめっちゃうまい世界一の人でも、歌のジャンルの中で苦手なものがあるっていうことなのかね。俺からしたらBE:FIRSTなんてキレキレのダンスで「苦手なものはありません」って見えるけど、本人の中では苦手なものが、たぶんバク転以外にもあるんだろうね。傍から見たら「それできてるじゃん」って思うことも、本人からしたら「苦手」とか「やりたくない」みたいなものもあるんだろうな。
福留:今、私はすごく恥ずかしいですもん。「私、貯金が苦手」とか言ってて、ちっぽけな人間だな。
前田:世界一にもなってるということは、SOTAさんはダンスが好きだと思うんだよ。好きというものの中に苦手なものがあるから、最終的には向き合えるようになったのかもしれないね。そもそも嫌いで苦手だったらできてないというか。“好き”の中に内在される「苦手」とか「やりたくないな」と思うことは、SOTAさんのような努力をすれば最終的にはうまくいくのかもね。
福留:苦手だなって思ったものをスパルタチックに練習できるっていうことがすごいですよね。
前田:そうなのよ。だって苦手なものってやりたくないじゃん。それが劣ってるって自分でもわかってるのよ。できないということに対してできなきゃダメだって自意識がある中、指の骨を折るくらいまで練習できるって、本当に好きじゃないとできないし、努力の才能があるんだろうな。あなたにはない。
福留:今、自分の数々の苦手から逃げた場面が走馬灯のように頭の中に流れてきました。
必要であるから克服しようとする
続いて、渋谷すばるがコメントで登場。苦手克服について語った。
渋谷:苦手なものはいくつかあるんですけど、食べ物でいうとキノコ類ですね。特に昔からずっとシイタケは苦手です。仕事柄、そういうのを人前で言ったりすることもあったりして、ありがたいことにファンのみなさんの間ではそれを知ってくださったりします。そんなこともあってちょっと“キャラ”みたいなものになっていたりするので、シイタケが出てきて「うわ、苦手だ」って言ってたら、「逆に喜んでもらえるかな」っていうくらい。苦手なことを楽しんでいるくらいでやっているので、自分の場合はそんな感じでやってますね。
また、「人と予定を合わせたり約束をしたりするのも苦手」と渋谷は続ける。
渋谷:「いついつ何時にご飯行かない?」みたいなことがちょっと苦手で、それはちょっとやらないようにしていますね。なので一番マシと言ったらあれですけど、突然その日に「今どこどこにいるけど、何してる?」みたいな風に連絡をしてもらえたりすると、自分が調子よかったら「行こうかな」って(思える)。自分はこのやり方というか距離感で楽しく幸せに毎日を過ごしているので、自分はこれでいいかなって思ってますね。なので苦手なことはそれぞれあると思うんですけど、「克服したいな」と思っている時点で、そこまで苦手じゃないのかなって思ったりします。必要であるから克服しようとするんじゃないかなって。僕の場合、「これは自分には必要ないな」と思うから、それを別に切り捨てるわけでもなく、でもそれをできるようになろうとも思わないというか。否定しているわけではないけど、自分は自分の生き方があるかなと思っている感じですかね。
福留:刺さりますね。「必要であるから克服しようとするんじゃないかな」って。
前田:みんな足りないことが気になるから克服したいと思うんだよな。ある意味でたくましいなって思ったのは、自分はこれは必要がないからって、切り捨てるわけでもなく、ある意味で諦めているというか。ラフな感じでナチュラルに。やっぱり克服できた自分を手放したくないじゃん。すがっているというか。そういうのも本当にフラットに切り捨てるじゃなく、くうーって諦めるわけでもなく、必要ないなって思えるメンタルまで持っていきたいね。
福留:それって、「これは切り捨てても、自分にはこれがあるから大丈夫」って思えないと絶対に無理だから。
前田:渋谷さんは今までつらい経験も超えてきたからこそ自分の価値というか、自分自身で自信があるものをちゃんと自分で握りしめてるのかもしれないね。
BE:FIRSTは11月に新曲『Sailing』を配信リリース。2025年2月にかけてドームツアー「BE:FIRST DOME TOUR 2024-2025 "2:BE"」を実施する。最新情報は、
公式サイトまで。
渋谷すばるは10月にニューアルバム『LOV U』をリリース。現在、このアルバムを引っさげたライブツアー「LOV U」が開催されている。最新情報は、
公式サイトまで。
『GURU GURU!』の放送は毎週月曜日から木曜日の22時から。