日本初の人工衛星管制卓、本物が東京へ? YOSHIROTTEN×JAXAの挑戦
提供:J-WAVE
YOSHIROTTENが登場したのは、10月25日(日)放送のJ-WAVE『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』(第4週ナビゲーター:小橋賢児)の「FROM THE NEXT ERA」。さまざまなジャンルのイノベーターを迎え、トークセッションを繰り広げるコーナーだ。
番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。
・ポッドキャストページ
音楽を聴くと色や形が自分のなかに湧いてくる
YOSHIROTTENは、アートと音楽、都市と自然を軽やかに行き来するアーティスト。代表作にコロナ禍の1年間、毎日1点ずつ描いた全365点の『SUN』シリーズがある。ナビゲーターの小橋賢児とは10年以上の付き合いがあり、これまでさまざまな仕事もともにしてきたという。小橋はまず、グラフィックの道を志したきっかけを聞いた。
YOSHIROTTEN:中学生のときに音楽にもう食らっちゃって。ビートルズとかブルーハーツとかですね。そこからとにかく音楽の何かがしたいなとずっと思って青春時代が始まったんです。ちょうど高校生のときにスケボーもやっていたり、ファッションも好きだったり、CDジャケットもジャケ買いしたりしているなかで、いろんなところにグラフィックが存在しているってことに気づいて。「あ、グラフィックをやる人になりたいな」って、その辺ぐらいから思っていましたね。
小橋:子どものときとかに聴いていた音楽の“色”みたいなのが、自分のなかにあったりしたんですか? YOSHIROTTENさんの作品を観ていると、宇宙を感じるようなグラフィックアート、色合いが独特だなと思っていて。
YOSHIROTTEN:子どものころは自然がけっこうある場所にいたので、空がとにかく開けていたんですよ。夕日とか夕焼けもすごかったし、星も見えたし。そういうところから、色はもしかしたら自分の体のなかに入ってきているのかもしれないです。音楽を聴くと、色とか形が自分のなかでは湧いてくる、浮いてくるっていうのがあります。
小橋:共感覚的な感じっていうのがあるんですかね。
YOSHIROTTEN:そうですね。ミュージックビデオとかの依頼があると、音楽を聴きながらそのまま色とか形をずっと文字で書いていって、そのあとに絵コンテにしていくこともありますし、ジャケットの場合はその曲を聴きながら手を動かして作っていくっていうことが多いです。
続いて、小橋はコロナ禍の1年間、太陽を描き続けた代表作『SUN』について尋ねた。
YOSHIROTTEN:最初は特にそれを決めていたわけじゃなくて。コロナ禍でスタジオにみんな来なくなったし、僕も家にひとりでいたり、海外も行けない、どこにも行けない。仕事もストップしているなかで、自分は何かを作っていたことで生かされていたなと。作ることをやめたくない、やめちゃまずいなと思って、毎日何か作ろうと思ったんですよ。もともと、『SUN』っていうシリーズは描いていたんですけど、これを毎日毎日、その日に思った気持ちで向き合ってみたら、大変ではないし、自分のなかでもひとつずつ整理していけるような日々になりました。そして、それがどうなっていくかわからないけど、コロナ禍が終わった暁には、みんなでお祭りというか、集まっている場所にこれを持っていきたいなというのは、始まって3、4カ月ぐらいで思うようになりましたね。
小橋:実際に365日太陽を描き続けて、心に変化ってありました?
YOSHIROTTEN:目的ができた、1日やることが生まれたっていうのは、たぶんすごく大きかったのかなと思いましたね。
「彼方との交信」に込めた思いとブラックホールの姿
10月30日(金)から東京・虎ノ門ヒルズのステーションタワー45階「TOKYO NODE」で、自身過去最大規模の個展「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH」を開催する(2027年1月11日(月・祝)まで)。小橋:地上約200メートル、約1,500平米のギャラリー全体を使うということなんですけど、どんな体験になりそうですか?
YOSHIROTTEN:「彼方」っていろんな解釈があって。ひとつがJAXAの人たちと今回作品を作っているんですけど、宇宙といえばJAXAだと思って。地上200メートルの高いところのギャラリースペースから東京の夜景を見ていたら、だんだん目線が上にいって、「あ、宇宙だ」と思ったんですよ。それで、これはJAXAと一緒に何か作品を作りたいと思って、JAXAにお話に行ったんですけど、そのときに聞いた話で、平安時代に書かれた『明月記』という本に、東の空にすごく光っている星が現れたっていうことが書かれているんですね。それがなんだったのか当時はわからなかったんですけど、この10年で超新星の爆発だったってことがわかったんですよ。それを聞いたときに、平安時代のその空を眺めていた人たちと僕らがつながっていくような気がして。そういう展覧会にしたいなと思ったのがきっかけだったり、あとは物質的な距離だったり、また過去だけじゃない未来もだし、精神世界、そういうところの「彼方」っていういろんな意味を込めて、「彼方との交信」っていうタイトルにしています。
小橋は「見えないものを可視化する」というコンセプトに触れ、「今いちばん可視化したいものは何か?」と質問した。
YOSHIROTTEN:今回、大きく展開しているのがブラックホールなんですよ。JAXAのブラックホールとか超新星の研究をされているチームからデータをいただいて、ブラックホールの姿を描いています。
小橋:それ自体がYOSHIROTTENさんの手によって描かれていくってことですよね。
YOSHIROTTEN:そうなんです。ブラックホールの表面のようなイメージと近いものをシミュレーション上で作りまして。それが「Puddle Cygnus X-1」っていう作品で今回登場します。
突破の鍵は「やり続けて、出し続けて、見せ続けていくこと」
YOSHIROTTENは、今回の展覧会場での楽しみ方も紹介した。小橋:今回の個展も1回パッとアートを観るみたいな感覚で行ってもダメで、何度も行って、しかもゆっくり没入して浴びるようにいたら、観え方が毎回違うんじゃないかなと思うんですけど。
YOSHIROTTEN:まさに。今回は昼、夜、また天気によっても大きく変わると思います。あと屋上も使った、ポケモンカードゲームとのコラボレーションパークもできるし、夜は「ビヨンドアースガーデン」っていう空間もあったり、いろんな場所、いろんな時間帯で楽しめます。おすすめは夜ですね。
小橋:今回の展覧会で、強いて今言うんだったら目玉は何ですか?
YOSHIROTTEN:今回、JAXAに協力していただいたことによって、1970年に日本で初めて飛ばした人工衛星の管制卓の本物が来ます。これ、東京で見られるのはおそらく初めてです。電気系統とかボタンとか使えない状態だったんですけど、宇宙からやってくるデータをもとに光ったり、音が出たりとか、そういうふうなことにも使われています。
コーナーの最後には、YOSHIROTTEN自身が創作の道を切り開いてきた「突破ストーリー」を語った。
YOSHIROTTEN:とにかく作りまくったこと。作って作って、でも作っただけじゃなくてそれを見せていったこと。(小橋)賢児くんに「こういうのやってるんですけど」とか「こんなことしたいんですけど」とか、そういうこともあって、いろいろ誘っていただいたことだったり。展覧会をやること、本を出すこととか、ウェブサイトを作り上げることとか、いろんなことをやり続けて、出し続けて、見せ続けていくことっていうのが、僕が突破するうえで重要だったことかなと思っています。
「ヨシロットン展 彼方との交信/BEYOND EARTH」の詳細はTOKYO NODEの公式サイトまで。
YOSHIROTTENの最新情報は公式サイトまで。
『TOPPAN INNOVATION WORLD ERA』は、「新しい時代」を築く“イノベーションの種”を探求するプログラム。ナビゲーターは、第1週 真鍋大度(Rhizomatiks)、第2週 森 星、第3週 のん、第4週 小橋賢児が週替わりで担当している。放送は毎週日曜23時から。
