スクリーンショットも違法に? 「著作権法改正」について弁護士が解説

「違法ダウンロード問題」について議論が巻き起こり、「著作権法改正でスクリーンショットも違法へ」などとも報じられています。一般人は、どんなことに気をつけなければいけないのでしょうか。著作権の専門家弁護士の福井健策さんにお話を訊きました。

【2月25日(月)オンエア:『STEP ONE』「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・寺岡歩美)】
http://radiko.jp/#!/ts/FMJ/20190225093816


■どうしたら違法になるの?

まず、著作権法の改正はどんな内容かを訊きました。まだ法改正があり得る状態ですが、現状では……。

福井:違法にアップロードされた画像、作品と知りながらダウンロードするような行為が、個人的な目的でも違法となるという法案です。刑事罰については、それを反復継続してダウンロードする場合に対象を絞る。二次的著作物のダウンロードは除く、と報じられています。

著作権法の対象は違法にアップロードされたものだけなので、合法サイトから私的目的として無断でダウンロードをした場合は違法にはなりません。

サッシャ:一般的なユーザーとしてはどのような影響がありますか?
福井:たとえば、アニメやゲームのワンシーンを誰かが無断でインターネット上にアップしている場合は違法のアップロードになります。そのワンシーンをスクリーンショットすることもデジタル複製の定義に入るため理論上は違法になり得るのですが、それだと厳しすぎるという意見が強まっています。

今回の著作権法の問題は、複製が対象になっているため直接は関連しませんが、もともと個人がゲームやアニメのワンシーンをSNSなどに公開したり、それをアイコンにしたりすることは違法に当たると、福井さんは付け加えました。

サッシャ:でも「このゲームはおもしろい!」とその動画を少しアップロードし、紹介することで人気につながることもありますよね。
福井:そうなんです。法的には違法だけれども、そうやって作品が広がるプラスの面もあるので、あまりかたいことを言うのはやめようという流れがありました。つまり法的には違法だけれども、事実上は見て見ぬふりをしていた部分が著作権法の世界では多くあったんです。
サッシャ:作品の著作者がアップロードなどを許せば、違法にはならないのでしょうか?
福井:著作者の許可があれば、基本的には何でも行えます。今回、問題になっているダウンロードやアップロードに関しても、やり過ぎでなければ大目に見られていた部分がありました。


■著作権法の効力の範囲を広げすぎなのでは…

違法だと知らずにうっかりダウンロードしてしまった……という場合は、著作権法違反の対象外で、違法アップロードと知りながらのダウンロードだけが違法になる、という法案が議論されています。

サッシャ:違法アップロードされた作者が不利益を被り、アップロードした側が多大な利益を得ていることを避けるための法案なのでしょうか。
福井:本来はその視点に絞るべきですよね。海賊版をばらまく行為はよくないので、対策は必要。よって、この法案の対象は、悪質な海賊版と知りながらダウンロードする行為に限定するもので十分ではないか。今だと範囲が広いのではないか、という意見が強まっています。

今後はどのような動向になると予想されるのでしょうか。

福井:海賊版対策は必要としながらも、それ以上の範囲に広げることはやめよう、という意見が強まっています。そのため、たとえば、違法にアップロードされたものを原作のままダウンロードする行為だけを違法にする。原作のままということは、部分的なものは含まず、ある程度まとまったものをダウンロードすることだけを対象にする……といった、さらなる修正が可能性としてはありますし、検討されるべきだと思います。

「個人的に楽しむためだけのダウンロードまで違法にすることはないだろう」という意見が強いため、この内容を著作権法に除くことができるかが、今後の焦点になるとのこと。今後の動きに注目です。

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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時−13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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MAROON 5「安易なポップヒットは作りたくなかった」 数々のコラボでサウンドが大きく変化【特集】

J-WAVEで放送中の番組『SONAR MUSIC』(ナビゲーター:藤田琢己)。2月28日(木)のオンエアでは、いきものがかりの水野良樹とのコンビでお届けしました。

注目の新譜・いま注目すべき名盤・話題の来日アーティストなど、週替わりで1組のアーティストを4日間かけて掘り下げていくコーナー「FEATURE TOPICS」。この週は、2月25日に一夜限りの東京ドーム公演を行ったばかりのMAROON 5を特集しました。

1回目:MAROON 5、若くして挫折を経験…起死回生のヒットを生み出した軌跡を振り返る【特集】
2回目:MAROON 5「謙虚な気持ちになれた」世界的ヒットを飛ばしていたグループにかけた大御所の言葉とは?【特集】
3回目:MAROON 5、バンドらしさを追求するために…4thアルバム制作で挑んだスタイルとは

MAROON 5は、アメリカ・ロサンゼルス出身のバンド。現在のメンバーは、アダム・レヴィーン(Vo/Gt)、ジェシー・カーマイケル(Key/Gt)、ジェームス・ヴァレンタイン(Gt)、ミッキー・マデン(Ba)、マット・フリン(Dr)、PJ・モートン(Key)、サム・ファーラー(Key/Gt)の7人です。

特集3日目は、3rdアルバム『Hands All Over』のリリースから5thアルバム『V』リリースまでを紹介。最終日となる4日目は、最新アルバム『Red Pill Blues』に注目します。


■新境地をみせたアルバム

前身バンド、カーラズ・フラワーズから数えて、活動歴が20年を超えるMAROON 5。2015年には初のオール・タイム・ベスト『Singles』をリリースしました。その後、ツアーを経て、次のアルバム制作へと入ります。ここで、4枚目のアルバム『Overexposed』から関わっていたサム・ファーラーを正式メンバーに加え、現在の7人体制になりました。

2016年には、Kendrick Lamarとのコラボレーションシングル『Don't Wanna Know』をリリースし、続くシングル『Cold』でも、ラッパー・Futureとコラボ。ほかにも、A$AP RockyやCardi Bなど、旬のヒップホップアーティストを数多く起用しています。そうしてできたアルバム『Red Pill Blues』は高い評価を獲得し、アメリカの雑誌『Entertainment Weekly』でも、ここ10年で最高の作品と評されました。

番組では『Don't Wanna Know』をオンエアしました。

藤田:バンドサウンドから大きく離れましたね。
水野:固定したサウンドになるほうが、今の時代っぽくないのかもしれないなって思います。
藤田:バンドとしてしっかりとした芯がありつつ、いろんなものを組み込んでいきたいという指向があって、コライトでいろんな人たちと共作していく。ジャンルを越えてコラボレーションをしていくっていう、大きな流れを感じますよね。『Payphone』ではWiz Khalifaとのコラボもありましたけれど、サウンドはポップだったものからダウナーなテンポや曲調にチェンジしている感じもあります。


■常に変化を続けるMAROON 5

『Red Pill Blues』では、ヒップホップだけではなく、MAROON 5の初期を思わせるR&Bの要素も入っています。しかし、アルバムについてメンバーは、現在のヒップホップやR&Bから影響を受けているとコメント。大学時代にアダムとジェシーが出会ったR&Bではありません。

藤田:旬なアーティストたちが集まってきて、そこにMAROON 5もいる。それって別に、ヒップホップやR&Bを目指したのではなく、旬で刺激的な人たちとコラボしたら、ヒップホップやR&Bをする人たちが集まって注目されたっていう。
水野:バンド自体がプラットフォームになれるかっていうのが、すごく大事なのかもしれないですね。

アダムは『Red Pill Blues』について、安易なポップヒットは作りたくなかったと話しており、ダークでムーディー、そしてミステリアスな雰囲気をアルバムで表現したようです。

ここでは、『Red Pill Blues』から『Wait』をオンエアしました。

多種多様な要素を取り入れて、常に変化を続けるMAROON 5。次のアルバムでどんなサウンドを聴かせてくれのるか、今から楽しみです。

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番組名:『SONAR MUSIC』
放送日時:月・火・水・木曜 21時−24時
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