25周年「よこはま動物園ズーラシア」村田浩一園長が語る“最も飼育が難しい”と感じた動物とは?

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。4月21日(日)の放送は、「よこはま動物園ズーラシア」園長の村田浩一(むらた・こういち)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)小山薫堂、村田浩一さん、宇賀なつみ



◆いいとこ取りの「よこはま動物園ズーラシア」

1999年4月24日に開園した「よこはま動物園ズーラシア」は、今年で25周年を迎えます。そんな同園は、「生命の共生・自然との調和」をメインテーマに掲げ、世界旅行ができる動物園として、植物や自然環境について楽しく学ぶことができます。

村田さんが会長をつとめる日本動物園水族館協会(日動水:JAZA)のWebサイトによると、現在、日本にある動物園の数は89園(※番組放送時)。数ある動物園のなかでも、ズーラシアの特徴について、村田さんは「25周年というと非常に長いように思われるかもしれないけど、日本でこれぐらいの大規模の動物園のなかでは、一番新しい動物園なんです。ですから(開園するにあたり)当時の先進的なヨーロッパやアメリカの動物園を視察して、そこからいいとこ取りをしてできたので、かなり他とは違う動物園になっています」と説明します。

従来の動物園というと、檻のなかに動物がいて、いろいろな種類の動物が見られるというイメージなのに対し、ズーラシアは「動物が住める場所もかなり広くして、できるだけ檻を少なくし、彼らが生息する環境にいるような雰囲気を醸し出したところが大きなポイントです。ジャングルのなかを歩きながら動物を垣間見るという感じですね」と村田さん。

ここで小山が「日本の動物園と世界の動物園との一番の差はどういうところにあるんですか?」と質問すると、村田さんは「動物園発祥の地はフランスとかイギリスとかヨーロッパで、貴族のお城のなかにあった小さな動物園が元になっています。フランスあたりから動物園の目的が学術になってきたんですね。アカデミーという学士会みたいなものができたのがフランスなんですけど、そこで野生動物を研究するために動物を飼っていて。そのあとロンドンで動物学会が運営する動物園ができたと。そういうバックグラウンドがあるので、そのあたりを真似て、日本で上野動物園が初めてできたんです」と動物園の変遷を語ります。

そして、日本の動物園においては「その後、徐々に方向性が変わってきて、どちらかというとレクリエーション中心になり、それが今も引き継がれているという雰囲気はありますね」と解説。そんななか、ズーラシアは「基本に戻って変えていこうと、学術研究や繁殖というものを目指していこうということになった」と語ります。

さまざまな動物を飼育しているなかでも、最近、最も飼育が難しいと感じた動物として、村田さんが挙げたのは「東南アジアにいるテングザルとか、葉っぱしか食べないお猿さん」。というのも、「日本は冬が来ると葉っぱが枯れるじゃないですか。新鮮じゃない枯れた葉っぱを食べると、体調が悪くなるんです。なるべく新鮮な葉っぱを食べてもらうために、沖縄から輸入をしたり、もしくは冷蔵保存をしたり、葉っぱに代わる固形飼料を与えるといった努力をしています。世界的にも珍しいんですけど、飼育下でテングザルを繁殖させています」とその理由を話します。

宇賀からの「ズーラシアにいる動物のなかには絶滅危惧種もいるんですか?」との質問に対し、村田さんは「ズーラシアは希少種の保全を目的にしてできたんですね。ですから、いま飼育している動物の90%以上が絶滅危惧種なんです。それを飼育下で守って、彼らが住んでいた自然が回復するまで維持しようという大きな目標があります」と力を込めます。

そんな同園を見守る長として、「(動物たちの)大切な命をあずかっていますからね。日々、勉強して研究して、なるべく健康な状態で子孫を残す。しかも遺伝的多様性を守りながら、交配を考えながらやっているんですけど、なかなか難しいですよね」と胸中を明かします。

これからゴールデンウイークを迎えるということもあり、小山が「動物園デビューをするお子さんを連れて行くとしたら、どういう視点で見て回るのがいいですか?」と尋ねると、村田さんは「動物園というのは、楽しく安らぎを得て、癒しが得られる場所ですから、そんなに難しく考えないで遊んで、知らないうちに何かを学ぶような感じで……。私はよく“センス・オブ・ワンダー”という言葉を使うんですけど、自然の神秘とか不思議に感動するような時間を過ごしてもらいたいなと思っています」と答えます。

さらには、「小さなお子さんたちって、あまり珍しい動物とかは意識はしていないんですよ。オカピという日本ではほとんど飼育されていない動物の反対側に、池があるんですけど、そこで泳いでいるオタマジャクシとか、緑のなかを飛んでいる蝶とかトンボがすごく好きだし、秋になるとどんぐりをずっと拾っていたりしますね。ビニール袋いっぱいに拾いながら、動物なんか全然見ないで時間を過ごしています。それもまたすごくいいなと感じています」と話していました。

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4月21日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月29日(月・祝) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY’S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
日本郵便 SUNDAY'S POST
放送局:TOKYO FM
放送日時:2024年4月21日 日曜日 15時00分~15時50分

※該当回の聴取期間は終了しました。

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北島康介 日本水泳界は世界に「ちょっと遅れを取り気味…」現在の日本人選手のレベルは!?

プロゴルファーの丸山茂樹がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「ACN presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY」(毎週土曜 7:00~7:25)。4月20日(土)の放送は、元競泳日本代表の北島康介(きたじま・こうすけ)さんをゲストに迎え、お届けしました。


北島康介さん(右)とパーソナリティの丸山茂樹



◆オリンピックにばかり注目がいきがちな日本水泳界

丸山:パリオリンピックに向けて、いろいろな競技で日本代表選手が決まろうとしているなかで、最近の日本の水泳界はどうですか?

北島:先日、まさに競泳も代表選考会がおこなわれまして、若手からベテランまで、錚々たるメンバーが代表入りをしたところでして、どちらかというと、世代交代な感じですね。

丸山:どこの世界も世代交代は必ず何年かに1回おこなわれますけれども、水泳の選手寿命って平均でどのぐらいなの?

北島:男子の選手であれば、社会人になってから活躍する選手が増えてきています。僕なんかは34歳までやっていましたので。でも、ピークは20代前半だと思いますけどね。

丸山:なるほどね。じゃあ、そのピークを維持する時間はものすごく短いと。やっぱり(オリンピックは)4年に1回というのはきついね。

北島:そうですね。ただ今回、東京大会から3年はどちらかというと、短く感じてしまうかもしれないですね。

丸山:確かに。僕らゴルフ界は、メジャートーナメントが毎年必ず大きい大会が4試合、そのほかにも準メジャーと呼ばれる大会もあって結構たくさんモチベーションを高めるところがあるけど。もちろん水泳界も全日本や世界大会などがあると思うけど、オリンピックがめちゃくちゃ注目されちゃうから、ほかの大会で勝っても「勝っていないよね」って言われるのは、良くないよね?

北島:オリンピックしか注目されなかったり、間の3年間があまり報道されなかったり。

丸山:そうでしょう? オリンピックじゃない世界選手権みたいなところにもうちょっと注目を集められる方法とかね。

北島:ゴルフはいいですね、メジャーが年間に何回もあって。そういった意味ではモチベーションを維持しやすいですから。

丸山:それにどでかい賞金がつく。

北島:最高ですね。

丸山:もらっちゃいけないってことはないでしょ?

北島:それはないです。

丸山:優勝賞金、金メダル1億円とか。

北島:やる気出るな~(笑)。

丸山:選手にはやっぱり対価は大事ですよ。

北島:おっしゃる通りです。

◆丸山が水泳界に提案「もっと対価を」

丸山:康ちゃん(北島さん)が現役の頃の時代と今の時代とでは、タイムは相当上がっている?

北島:記録で見たら、毎年上がっていっていますね。

丸山:ゴルフの飛距離と一緒で毎年記録が良くなっていると。

北島:日本の選手はそれにちょっと遅れを取り気味なんですけど……。

丸山:そうなの!? その理由は?

北島:世界の成長率がすごく高くなってきているというか。どの種目でも、男子も女子もそうなんですけど、それに対して、日本の選手は“今年、勝負できるかな?”というレベルですね。

丸山:そうなんだ……これも我々と同じで、結構、情報力というのも大きくて、トレーニングの仕方だったり、水泳のフォームだったり、いろいろな情報をしっかり取れるのは大きい?

北島:大きいですね。技術的な面で情報は入ってくるんですけど、それに合わせた泳ぎが日本人にはなかなか難しかったりするので。金メダルが獲れればオーケーって見られがちなんですけど、やっぱりその中身ですよね。

丸山:うん。

北島:オリンピックの舞台で、どれだけ自己ベストを更新できたかとか、もうちょっと細分化して見ていかないと、ここから4年、8年、ましてや次のロサンゼルスオリンピックに向けてどういう準備をするかというふうに、きちんと逆算していかないと、一方的に差が広がっていってしまうかなと感じますね。

丸山:日本の選手も海外に留学というか、合宿をしたり、有名な海外のコーチから情報を得たりしているわけでしょ?

北島:そうですね、多くなってきました。まさに、池江璃花子さんも今回代表入りしまして。彼女はオーストラリアをベースにしていて、オーストラリアのコーチに指導を仰いでトレーニングしています。

丸山:よかったよね、病気から立ち上がって。そういう意味では、世界的に情報を取りにいろいろなところに出て、そこで学んで帰ってくるというのも大事なことだと。

北島:大事だと思います。

丸山:やっぱり(水泳界も)レースに対価をつけてほしいよね。ゼロでしょ?

北島:基本的に、国内の大会はゼロです。

丸山:世界選手権はどうなの?

北島:世界選手権は賞金が出るみたいですけど、僕の時代はゼロでした(苦笑)。ちょっとずつはよくなってきているんですけどね。ワールドカップってヨーロッパを回ったりするサーキットがあるんですけど、僕のときは優勝して1,000ドルです。

丸山:えっ!?

北島:なので、絶対に行くたびに赤字です。

丸山:そうだよね。そこは何とかならないの? スポンサーを募るとか。

北島:プロ化というところも、これからアマチュアスポーツにとっては重要になってくるかもしれないですね。

次回4月27日(土)のゲストも、北島さんです。

「AuDee(オーディー)」では、時間の都合上カットしたトーク部分も盛り込んだ「ディレクターズカット版」がアップされています。音声は「AuDee(オーディー)」アプリで聴くことができますので、ぜひそちらもチェックしてください。



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4月20日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年4月28日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:ACN presents 丸山茂樹 MOVING SATURDAY
放送日時:毎週土曜 7:00~7:25
パーソナリティ:丸山茂樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/moving/

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