津田健次郎「20代はずっと浪人していた状況だったといいますか(苦笑)」“浪人生リスナー”の悩みにアドバイス

声優・俳優の津田健次郎がパーソナリティをつとめるTOKYO FMの新ラジオ番組「津田健次郎 SPEA/KING」(毎週日曜 12:00~12:30)。声優として数々の人気アニメ作品、俳優としても話題のドラマ・映画に出演し、今もっとも注目を集める津田のパーソナルな一面を知ることができるレギュラーラジオ番組です。4月21日(日)の放送では、リスナーから届いた「浪人生活の悩み」についてアドバイスを送りました。


パーソナリティの津田健次郎


◆津田健次郎が浪人生リスナーにエール

<リスナーからのメッセージ>
「浪人が決まり、もう1年勉強漬けの生活が始まったのですが、ときどき“甘えと休息の境界線”が分からなくなってしまいます。疲れたら休もうと思うのですが“果たして本当に疲れているのか?”“ただ勉強をしたくないから、無意識に疲れていると思い込んでいるのではないか?”などと考えてしまいます。津田さんにはこういった経験はありますか? アドバイスをいただけるとありがたいです」

津田:(浪人生は)日常生活の全部が勉強の時間になっていくので、(甘えと休息の)線引きはすごく難しいですよね。もうちょっと頑張ったほうがいいのか、それとも、ここで潔く寝てしまって明日に持ち越したほうがいいのか。そのジャッジは本当に難しいですし、それを全部自分でやるわけですもんね。偉いよ! 素晴らしい。

僕自身は浪人の経験がないんですけれども、20代は仕事があまり稼働できていなかったので、ずっと浪人していた状況だったといいますか(苦笑)。だから、その感覚は分からなくはないですね。

でも、まだ春ですし、たぶん(受験は)短距離走じゃなくてマラソンに近いのかなと思います。最初にバーッて頑張るよりも、とにかくコンスタントに(勉強時間を)積み重ねていく。そして、どこかのタイミングで“ここからは少し無理をしてでも頑張ろう”とか、その辺のバランスは(過ごしていくうちに)自分で何となく分かってくることだと思います。

なので、もう1回“受験までの計画”をちゃんと作り直したり、例えば“月曜日はめちゃくちゃ頑張ったから、火曜日は少しゆるめてもいいかな”とか、逆に“前日はちょっとサボっちゃったから、今日はめちゃくちゃ集中しよう”と1週間のなかでうまくペース配分できると、苦しさも少しは減るかもしれないですね。目の前にある“やるべきこと”、それが(相談者にとっては)きっと受験だから、そこには全力で振り切ってほしい!

僕ら(声優・俳優の世界)はオーディションの嵐なわけで、ずっと受験しているようなもの。受かるときもあれば、落ちるときもあるけど、そこで人生のすべてが決まるわけではない。何が言いたいかというと、もちろん良い結果を僕は望んでいますけれども、結果にあまりとらわれすぎないことも大事かなと思います。なぜなら(受験後も)いろいろなことがありますから。

そして、まだ若いから、苦しいことや楽しいこと、いろいろなことを経験して、それもひっくるめて“世界は美しいな”と思えるようになってくれるといいなと思うので、この曲をプレゼントしちゃおうと思います。ルイ・アームストロングで「What A Wonderful World(邦題:この素晴らしき世界)」。

<番組概要>
番組名:津田健次郎 SPEA/KING
放送日時:毎週日曜 12:00~12:30
パーソナリティ:津田健次郎
番組Webサイト:https://15audee.jp/articles/news/arzGScruNeYzMYs9hC6vN9xF
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村上春樹「僕は蟹を食べるたびに、この小説のことを思い出します」もし“蟹の立場”から書いた『蟹工船』があったら

作家・村上春樹さんがディスクジョッキーをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「村上RADIO」(毎月最終日曜 19:00~19:55)。4月28日(日)の放送は「村上RADIO~村上の世間話4~」をオンエア。好評の「村上の世間話」シリーズ第4弾は、クスッと笑える“世間話”を、村上DJが選曲したグッドミュージックとともにお届けしました。
この記事では、「蟹を食べるときにいつも思うこと」について語ったパートを紹介します。



◆Tiffany「The Beat Goes On」

ソニー&シェールの歌で1967年にヒットした「The Beat Goes On」。以前バディ・リッチ楽団の演奏で、この曲をかけたことがありますが、今日はティファニーの歌で聴いてください、これ、なかなかかっこいいです。

ワニの話から、話はびゅんと蟹に飛ぶのですが、『蟹工船』っていう小説がありますよね。小林多喜二が戦前に書いたプロレタリアート小説です。少し前にこの作品の再評価がおこなわれて、映画や漫画などにもなり、ちょっとした社会現象になりました。蟹工船に乗った労働者たちが資本家や軍隊、監督から虐げられ、ひどい仕打ちを受け、次第に労働者としての権利に目覚めていくという話です。

僕は蟹を食べるたびにこの小説のことを思い出して、そしてこの小説のことを思い出すたびにふと考えてしまうのですが、虐げられ、ひどい仕打ちを受ける労働者たちももちろん気の毒なんだけど、海の底で気楽に暮らしているところを網でさらわれて、さっさと缶詰とかにされちゃう蟹だって、考えてみればずいぶん気の毒ですよね。

蟹としても「それなら、蟹の立場にたった小説だってひとつ書いてくれよ。おれらだってしっかり虐げられているんだからよお」とか、ぶつぶつ言い出すかもしれません。まあ、言い分にも一理ありますしね。しかしプロレタリアートにもなれない蟹の立場にたった『蟹工船』って、いったいどんな話になるんでしょうね? ちょっと読んでみたい気もします。たぶん誰も書かないだろうけど。



番組では他にも、ほとんど夢を見ないという村上さんが鮮明に覚えているという“夢の話”から、近所をジョギングしているときにある動物に遭遇したときのエピソード、学生時代の夏休みに一人旅をしたときの思い出などについて語る場面もありました。

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4月28日(日)放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 5月6日(月・祝)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:村上RADIO~村上の世間話4~
放送日時:4月28日(日)19:00~19:55
パーソナリティ:村上春樹
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

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