「食べた瞬間に目が開くものってある」“旅する料理人” 三上奈緒、食べることの本質的な喜びを語る

放送作家・脚本家の小山薫堂とフリーアナウンサーの宇賀なつみがパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「日本郵便 SUNDAY’S POST」(毎週日曜15:00~15:50)。4月6日(日)の放送は、旅する料理人こと三上奈緒さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)パーソナリティの小山薫堂、三上奈緒さん、宇賀なつみ



◆旅する料理人、キャリアスタートの転機

三上奈緒さんは東京農業大学卒業後、栄養士やフランスでの修行を経て、独自のスタイルを確立。“旅する料理人”として日本各地を巡りながら生産者と交流し、地元食材を活かした料理を提供。昨年は能登半島地震の炊き出し支援もおこなっています。食を通じて地域文化や人々の思いを伝え、「顔の見える食卓作り」をテーマに活動中です。まずは、旅する料理人になった経緯を伺いました。

三上さんは小学校の栄養士として働いたあと、どこかモヤモヤとした思いを抱えていたといいます。もともと地産地消や顔の見える食卓作りを大切にしたいという思いから栄養士の道を選びましたが、東京では畑が少なく、地元産の食材を給食に取り入れるのが難しい現状がありました。「(使用する食材が)誰が作ったかわからないというところに、すごくモヤモヤを感じていたんです」と話します。

4年間栄養士として勤務したのち、一念発起して退職。料理を一から学び直そうとフランスに渡りました。その後、紆余曲折を経て、アメリカ・カリフォルニアにある「シェ・パニース」で研修を受けた経験が、三上さんの人生を大きく変える転機となりました。

研修中、日本から訪れていた愛媛県のデザイン会社の方と出会い、キッチンを案内したことがきっかけで親しくなりました。愛媛で料理をしてほしいと声をかけられたことから、初めて“旅する料理人”としての仕事である「食事会」を開くことになったそうです。

◆東京と長野で2拠点生活

三上さんの仕事スタイルは、旅先で出会った食材を使い、その土地ならではの料理を提供するものです。「言うならば行き当たりばったりです。行ってみないとわからないですね」と、笑顔で語ります。

これまで訪れたことのない都道府県はまだまだたくさんあるといい、基本的にはご縁があって声をかけてもらった場所へ出向くスタイルをとっているそうです。最近では「魚突き」を始めたとのことで、「いつか沖縄の島などの魚突きができる場所に行って、自分で獲った魚を料理して食べてもらう機会があれば一大イベントだなと思います」と、声を弾ませました。

現在の活動拠点は、東京と長野の2ヵ所。長野を選んだ理由について、「長野は“縄文時代の銀座”なんですよ」と話し、縄文時代の足跡が色濃く残る土地で数多くの仕事をするなかで、運命的な魅力を感じたと明かします。

「縄文時代の文化に触れて、命との向き合い方は変わりましたか?」という小山の問いかけに対しては、「自分が食べているものに対する感謝の気持ちがあります。また帰ってきてねっていう“生命観”を意識するようになりました。食べたその先につながっていくものを感じるようになりましたね」と言います。

続けて、三上さんから旅する料理人としての経験の中で印象的だったエピソードについて伺いました。

「地元の人からもらったものに『すごくおいしい!』と言うと、『そんなにおいしい? ありがとう』という反応があります。私というよそ者が入ることで、(地元の魅力を)再発見されるシーンをたくさん見てきました」と三上さんは振り返り、旅する料理人としての役割を実感できたと話します。

これまでフランスでの修行や「シェ・パニース」での経験を活かして料理を作ってきた三上さんですが、最近では、鹿を丸焼きにするという原点回帰に近い調理法に目覚めたそうです。「薪でじっくり焼いて、おいしい塩を少しかけて、肉を素手でほぐしてそのまま食べる。これに勝るものはないと思っています」と明かし、さらに「そういう意味では、料理って何だろうとすごく思います」と続けました。

◆子どもたちの未来のため食育に尽力

三上さんは、食卓から未来を創造する学びの場「おいしいって、なんだ?」や、縄文から原点を学ぶ「縄文倶楽部」を主宰しています。また、食育にも力を入れており、その理由には自身が小学校の栄養士を勤めていた経験があります。「子どもは未来だと思っています」と話す三上さん。

現在、食の世界が崩れつつあると感じており、その背景には食についてしっかり学ぶことなく過ごしてきたことが原因ではないかと考えているそう。「これからの未来を作る子どもたちに何が一番大切なのか、食べるってどういうことなのか(を伝えること)に意義を感じているので、小学校とか親子と一緒にやるワークショップなどに力を入れています」と説明しました。

最後に三上さんに「おいしさとは何か」と尋ねたところ、「一言では言いづらいですけど、体が喜ぶものだと思います」との回答が。「食べた瞬間に目が開くものってあるじゃないですか。それで体に元気がみなぎってくるものだと思います」と話し、食べることの本質的な喜びを伝えてくれました。

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4月6日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月14日(月) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:日本郵便 SUNDAY'S POST
放送日時:毎週日曜 15:00~15:50
パーソナリティ:小山薫堂、宇賀なつみ
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/post/
日本郵便 SUNDAY'S POST
放送局:TOKYO FM
放送日時:2025年4月6日 日曜日 15時00分~15時50分
公式X

※放送情報は変更となる場合があります。

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乃木坂46賀喜遥香「乃木坂工事中」で挑戦した“氷瀑アイスクライミング”を振り返る「“メンタルが成長しているな”って思いました」

乃木坂46の賀喜遥香がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「SCHOOL OF LOCK! 乃木坂LOCKS!」(毎週木曜23:08頃~)。4月10日(木)の放送では、生徒(リスナー)から寄せられたメッセージを紹介。ここでは、テレビ番組「乃木坂工事中」(テレビ東京系)で挑戦した氷瀑アイスクライミングを振り返りました。


乃木坂46の賀喜遥香



<リスナーからのメッセージ>
「38枚目シングルのヒット祈願、本当にお疲れさまでした! 遥香先生のヒット祈願にかける思いや登りきった姿に感動して泣いてしまいました。また、今回が遥香先生自身8回目のヒット祈願で、乃木坂46としては8年ぶりの氷瀑を8分18秒で登りきるとか、遥香先生は“8”に愛されすぎです! しかも今回が508回目の放送なのですね! 私も新生活で大変なことはありますが、遥香先生が “おりゃー!”と笑顔で(氷瀑を)登り切ったように、私も頑張りたいと思います!」(東京都 19歳)

◆氷瀑アイスクライミングに挑戦!

賀喜:乃木坂46の冠番組「乃木坂工事中」(テレビ東京)でオンエアされたんですけど、38枚目シングル「ネーブルオレンジ」のヒット祈願として、私を含む5人で氷瀑アイスクライミングに挑戦してきました!

(挑戦は)2日間にわたっておこなったのですが、氷瀑が30mぐらいあって練習なしでいきなり登るというのは難しいということで、まず初日に登る練習をして、2日目に氷瀑にチャレンジしました。先生の方もいらっしゃったんですけど「2日間でこんなに登る人はなかなかいないです。だから、すごいと思いますよ!」って褒めてもらえてうれしかったです(笑)。


乃木坂46の賀喜遥香



賀喜:初日は、重装備をして雪山を登ってから(練習用の)氷瀑を登るっていう感じでした。雪が積もっているプラス吹雪で風も強くて……というなか、1時間かからないくらいで練習のところまで登り、そこから1人ずつ練習していく感じだったので、登り始めてから(山荘に)戻ってくるまでに多分6時間ぐらいいたんじゃないかな。だから、雪のなかに結構な時間いたんですよ。

しかも、1人が(氷瀑を)登っているときは、ほかのみんなはそれをじっと見ているしかないから、それだけでどんどん体力が奪われるので……そこも大変でした。登るのも大変だったんですけど、寒いなかで待っていなきゃいけないのも大変でした。

あと、私たちはリュックを背負って歩いていればいいだけなんですけど、テレビの収録なので、もちろん私たちだけじゃないんですよ。カメラマンさんや音声さんたちも一緒なんですけど、カメラマンさんが、雪山のなかを両手でカメラを持ちながら登っていて!「え!? すごい! 大丈夫ですか!?」って言ったら「大丈夫、任せて!」とおっしゃっていて。

ほかにも、私たちが“寒いよ”って凍えていたら、スタッフさんが雪山の超急傾斜のところにテントを立てていただいたり、温かいココアをつくって「飲みな~」と言って飲ませてくださったり、本当にいろんな方に支えられて登り切れた氷爆でした。


乃木坂46の賀喜遥香



賀喜:私が一番早かったみたいですよ!(氷瀑を)8分18秒で登ったんです。しかも「38枚目シングル」「8回目のヒット祈願」で「8年ぶりの氷瀑を8分18秒で登った508回目の放送」ってすごくないですか?“こんなに8が並ぶことがあるんだ!?”と思って(笑)。記念のヒット祈願になりました。

この様子はYouTubeチャンネルの「乃木坂配信中」で前編と後編に分かれて公開されていますので、良かったら観ていただきたいなと思います。みんなで頑張ったので、このヒット祈願のおかげで38枚目シングル「ネーブルオレンジ」が大ヒットしたらいいなと思います!



賀喜:懐かしいな、氷瀑を登ったのが。普通に生きていたら“氷瀑に登ろう”なんて……まず氷瀑自体を知らなかっただろうし、登ることもなかっただろうから、貴重な経験をさせていただいたなって思います。

でも昔、(ヒット祈願で)同じくらいの高さの岩を登ったことがあって(笑)。それが3年前とかかな? そのときよりも、やっぱり“メンタルが成長しているな”って思いました。

あのときは「もう帰りたいよ……」って言ったり、登っている途中もメソメソしていたけど、3年が経って、いろんなことを経験したことで自分の解像度が上がったというか、“これをしたら自分はしんどくなる”“これをやったら頑張れる!”みたいなのが分かってきたから頑張れましたね、改めて“人って成長するんだな”と思いました。だから、春で不安な人も大丈夫! 私が氷瀑を登れたみたいに、みんなも乗り越えられる! 一緒に頑張りましょうね♪

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4月10日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年4月18日(金)AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:SCHOOL OF LOCK!
パーソナリティ:こもり校長(小森隼・GENERATIONS from EXILE TRIBE)、アンジー教頭(アンジェリーナ1/3・Gacharic Spin)
放送日時:月曜~木曜 22:00~23:55/金曜 22:00~22:55
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/lock/

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