株式会社ジャパンエフエムネットワークが制作する全国JFN系列22局ネットで放送中のラジオ番組「となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ」。意外とあなたの近くにある、地元で活躍するカイシャ。「そこに辿り着くまでの話」や「事業への想い」など、明日へのヒントになる話から、地域のお気に入りスポットまで、地域に密着してお届けする企業応援ビジネスバラエティプログラムです。パーソナリティは小堺翔太が務めます。今回は、エフエム宮崎アナウンサーの奥山真帆がパートナーを担当。
10月24日(土)の放送では、先週に引き続き、道本食品株式会社 代表取締役社長の道本英之(みちもと・ひでゆき)さんをゲストにお招きして、干したくあんの新商品開発や伝統を次世代へつなぐ取り組みについて話を伺いました。
(左から)パーソナリティの小堺翔太、道本食品株式会社 代表取締役社長の道本英之、アシスタントの奥山真帆(エフエム宮崎)
◆災害への備えにも役立つ干したくあんの新商品
道本食品は、宮崎県産の大根を100%使用した干したくあんを製造する、日本唯一の干したくあん専業メーカーです。約60年にわたって培ってきた製造技術と契約生産者との連携を生かし、地域産業の発展にも取り組んでいます。
今回は、(近日発売予定の)新商品「日本の干したくあん(うすしお味)」について話を伺いました。本商品の大きな特徴は、内容量30g(約8枚入り)というコンパクトなサイズ感と、6年という異例の長期保存期間です。一般的な袋入りたくあんの賞味期間が約1年であるのに対し、6年もの保存を可能にした背景には、袋の材質(フィルム構造)へのこだわりがありました。
道本さんは「干しだいこんで作るたくあんは品質が安定しやすいのですが、長期間品質を保つためにどのようなフィルム構造にするのか、袋メーカーさんと何度も試行錯誤を重ねました」と説明します。
開発の背景にあるのは、近年増加している自然災害への備えです。「非常時にも役立つ常備食として活用してほしい」という想いから、ポケットに入れて手軽に持ち運べるほどのサイズ感に仕上げました。道本さんは、「万が一の備えとして、ぜひ1世帯に1袋置いていただけたら」と呼びかけました。
◆技術の進歩とともに減塩も進む
「たくあんは塩分が多い」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、現在のたくあんは技術の進歩によって大きく減塩が進んでいます。かつては常温で大根を漬け込んでいたため、保存性を高めるために20%近い塩分が必要でした。しかし、昭和の終わりから平成にかけて「冷蔵漬け込み製法」が普及したことで、塩分を大幅に抑えることが可能になりました。
今回の新商品も塩分量は約3%に抑えられています。厚さ約3mm・直径約3cmのたくあん1枚あたりの塩分量はわずか約0.1gです。道本さんによると、こうした減塩への取り組みは自社にとどまらず、たくあん業界全体で進められているということです。
たくあんは味や保存性だけでなく、栄養面でも優れた魅力を持っています。特に注目したいのが「食物繊維」と「GABA(ギャバ)」です。大根を天日干しにすることで水分が抜け、食物繊維の成分が凝縮されます。これにより、お腹の調子を整える腸活効果が期待できます。さらに、太陽の光を浴びて干される過程でGABAが増加するのも大きな特徴です。
道本食品では、たくあんに含まれる成分の「機能性」についても長年研究を重ねてきました。宮崎大学との協力による動物実験を経て、東京の大学ではヒトを対象とした臨床試験を実施。その結果、たくあんに含まれるGABA(ギャバ)に「血圧を下げる働き」があることが確認され、機能性表示食品としての商品化を実現させました。
「昔から残り続けている伝統食品には、それだけの理由(機能性)があるはず」と語る道本さん。干したくあんの秘められた新たな価値を解き明かすため、今後も研究を続けていく姿勢を示しました。
◆400年以上続く干したくあんの食文化を次世代へ
道本食品では、海外輸出の推進に伴い「たくあんの缶詰」の開発にも取り組んできました。開発のきっかけは2010年ごろ、アメリカのバイヤーから寄せられた「手軽にすぐ食べられて、より賞味期限が長く、常温で流通できる商品がほしい」という要望でした。この現地ニーズに応える形で試行錯誤を重ね、缶詰タイプのたくあんが誕生しました。
しかし、開発は一筋縄ではいきませんでした。たくあんを缶に詰めて加熱殺菌すると、どうしても特有の食感が失われ、柔らかくなってしまうという大きな課題に直面します。そこで、加熱時間や温度設定、pH(酸度)のバランスなど、ミリ単位の細かな調整を幾度となく実施。たくあん本来の歯ごたえを保つ製法を追求し続けること約3年、ついに食感を損なわない「賞味期間3年〜3年6か月」の缶詰化に成功しました。
番組では、実際に道本食品の缶詰入りの干したくあんを試食。小堺は、しっかりとした歯応えに注目し、「しょっぱ過ぎずサッパリとした味」と評価しました。奥山も「食感もいいですし、食べ応えがある」とコメントします。道本さんによると、こうした味へのこだわりが認められ、缶詰は2020年から5年間、海上自衛隊に採用されました。また、袋入りの新商品「日本の干したくあん」も、この夏、陸上自衛隊に採用されたといいます。
道本さんが残していきたいと考えているのが、宮崎県田野町に広がる大根を干すためのやぐらの風景です。「自然と人が織りなす原風景」と表現し、干したくあんの食文化とともに次世代へ引き継ぎたいと考えています。
江戸時代初期には現在に近い形ができていたとされる干したくあん。400年以上続く伝統を守るため、道本食品では新たな商品開発にも力を入れています。賞味期間6年の商品に加え、たくあんを単なる「漬物」としてだけでなく「調味料」として活用する新たな可能性も模索中とのこと。400年の伝統を脈々と受け継ぎながら、多様な切り口でたくあんの未来を切り拓こうとしています。
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音声版「となりのカイシャに聞いてみた!」
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<番組情報>
番組名:となりのカイシャに聞いてみた!supported by オリックスグループ
放送エリア:TOKYO FMをのぞくJFN全国22局ネット
パーソナリティ:小堺翔太