WONKソムリエ対談「1+1が10になることもある、それがペアリングの魅力」

写真左から鈴木豪、長塚健斗 (WONK) ©InterFM897

毎週水曜日夜のInterFM897は、エクスペリメンタルソウルバンドWONKの『WONK RADIO』!30分間の"エクスペリメント=実験"的なラジオプログラムをお届け。11月6日のゲストには、ソムリエ、モデル、ダンサーと様々なシーンで活躍する鈴木豪をお迎えしました。

料理とワインの「ペアリング」、どちらの味も引き立てるのがベスト

長塚健斗(以下、長塚):今日は「食」に関する話をしてほしいとのリクエストがありましたので、そんな話をしていきたいと思います。今日は僕一人じゃありません。ソムリエの鈴木豪さんが来てくれました。

鈴木豪(以下、鈴木):よろしくお願いします!

長塚:今日は鈴木豪さんとワインのことをお話ししつつ、僕が料理をやってるということで関係性が深いといいますか。そこについて話しつつ、音楽の話もチラリと聞ければなと。鈴木豪さんはソムリエですけど、飲食店に勤めていらっしゃるんですか?

鈴木:たまに。

長塚:なるほど。皆さんインスタとかをチェックしてほしいんですけど、この方、めちゃくちゃスタイルいいんですよ。身長が高い。いくつあるんでしたっけ。

鈴木:185ですね。

長塚:実は豪さん、日本で唯一だと思うんですけど、ソムリエでありながらモデルでもあるんです。誰もが知ってるハイブランドのファッションショーとかも歩かれてると。テレビCMとかも出られてるんですよね。そして、元プロのダンサーだと。

鈴木:そうなんですよ。

長塚:そんな顔も経歴もとても濃い鈴木豪さん。なんでソムリエになろうと思ったんですか?

鈴木:それを探しながらソムリエやってるかもしれない。かなり小さい時から親父がマジで映画が好きで。家でいつも映画見てたの。そうすると高級な世界がそこにはあるじゃん?日常とは違う世界に憧れがあったのはあるかもしれない。だから勤める店も高級な店に就いちゃうというか。

長塚:なるほど。そもそもリスナーの皆さんの中でもワインに詳しいって人、そんな多くないんじゃないかと思っていて。ソムリエってすごく有名な資格ですけど、ぶっちゃけ何をやってるんですか?(笑)

鈴木:ワインを扱う人の、役職というかクラスなんですよ。フランスではウエイターのことギャルソンっていうじゃん。同じように役職としてワインを扱うソムリエって人がいる。日本はワイン文化じゃないから、ワイン専門の役職にピンとこないと思うんだけど。

長塚:具体的にお客さんにどういうものを提案するんですか?最近よくペアリングとか聞きますけど、この料理に合ったワインを、ってこと?

鈴木:それが真骨頂だね。

長塚:ペアリングって、色んなソースとかテーマ食材とか要素がある中で、何を考えてるんですか?ペアリングする時。

鈴木:すごい深い質問だね(笑)。本当に結論言っちゃうと、より美味しくすることよ。

長塚:料理を引き立てるためにワインがあるのか、ワインを引き立てるために料理があるのか、それともどっちも美味しくなるために選ぶのか。

鈴木:それ、3つともお好きなものをお選びいただけます。ただベストは、どっちも美味しくするのがいいと言われてて。前に電話で「日本酒の古酒を何に合わせたらいいか」ってめちゃくちゃ難しい質問くれたじゃない。フェンネルとかを使ってフルーツとかフレッシュな要素を入れて構成したらって言ったけど、あれがまさに両方引き立てるということになるんじゃないかと。古酒ってフレッシュじゃないから、紹興酒のような。それにフェンネルはテッパンと言われているんだよね。それは日本酒だろうが紹興酒だろうが、持っている香りだから。枯れたニュアンスにフレッシュな要素を入れるとすごい良くて。結果、口に入れた瞬間に美味しいって思えば万々歳なわけですけど。

長塚:この話。マニアックすぎる(笑)。

1+1が10になることもある、その面白さがペアリングの魅力

長塚:ワインって赤とか白とかロゼとか、最近だとオレンジとかあるじゃないですか。あれって何が違うんですか?

鈴木:もともと使うブドウが黒ブドウか白ブドウか。ロゼは途中で皮を抜く。赤ワインのブドウで、白ワインぽく作る。赤ワインの色って皮の色なので、普通に潰すと皮の色がちょっとだけついたピンク色の液体が出るのよ。それがロゼ。皮をしばらく一緒に入れておくと濃いロゼができる。

長塚:なるほど。最近僕もワインを飲む機会が増えて、よく「ナチュール」って言葉を聞くんですけど、ナチュールってなんなんですか?

鈴木:あれはそのまま「ナチュラルワイン」、自然派のワイン。でも変な話、樽に潰したブドウ置いとけば出来ちゃうのがワインなのよ、元々。ウォッカとかジンみたいに頑張らなくても、何も足さないでブドウがあればできちゃう。でも、ワインは発酵して酵母の働きに委ねるとミスが起こる。必ず一方方向に進めるために、薬を使っちゃうことがあるんですね。

長塚:いわゆる酸化防止剤。

鈴木:まさに。それをあんまり使わないようにしているのが大枠で言うと「ナチュール」。

長塚:僕らWONKもすごくお酒が好きなんですけど、いいワインを飲んだ日はあんまり翌日残らないよねとか。それってそういう理由もあったりするんですか?

鈴木:そうだね。酸化防止剤ってSO2なんですよ。亜硫酸。体にどういう作用するかっていうと、肝臓の働きを一旦止めちゃう。アルコール飲んでるのに肝臓が働かない。

長塚:えっ!そういう影響があるから翌日残るんだ。じゃあ酸化防止剤が入ったものは極力飲まない方がいいと。

鈴木:うーん、そうだね。なるべくね。

長塚:そうなんだ……。僕がすごいと思うのは、やっぱりペアリングなんですよね。料理があって、それに選んでくれるワインが、たまにミラクル起きるじゃないですか。すげえって。体験したことある人もいると思うんですけど、料理の美味しさが1だとして、ワインが1だとして、足したら2になりますよね。でも1+1が10になることがあるじゃないですか。めちゃくちゃ美味い、ナニコレみたいな。

鈴木:余裕であるね。結局口に入れるものだから、美味しさって分かりやすい基準じゃない?アプローチが冒険的、例えば合わせたワインがめっちゃふざけてても、料理の中の要素を拾うことで2つがまとまったりするってのは、楽しいよね。

長塚:最近お茶とかコーヒーとかもありますもんね、ペアリング。流行ってるのかな。

鈴木:みんな気づいちゃったんじゃないの?ペアリングの相乗効果に!(笑)

WONK RADIO
放送局:interfm
放送日時:毎週水曜 23時00分~23時30分
出演者:WONK
番組ホームページ

メール:wonk@interfm.jp
ハッシュタグ:#wonkradio

※該当回の聴取期間は終了しました。

バイトで担当したブログ記事が“大バズり”!? 三宅香帆が“書評”の世界に入ったきっかけを語る

山崎怜奈(れなち)がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「山崎怜奈の誰かに話したかったこと。(ダレハナ)」(毎週月曜~木曜13:00~14:55)。1月20日(月)の放送は、文芸評論家の三宅香帆(みやけ・かほ)さんが登場! 書評の世界に入ったきっかけや“推し”について伺いました。


(左から)パーソナリティの山崎怜奈、三宅香帆さん



◆書評家と名乗り始めたきっかけは?

れなち:三宅さんは大学院在学中の2017年にデビューされ、2024年4月に出版された「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」(集英社新書)が「書店員が選ぶ ノンフィクション大賞 2024」の大賞作品に選出されたり、ほかにも「娘が母を殺すには?」(PLANETS)、「『好き』を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに『やばい!』しかでてこない」(ディスカヴァー携書)など、いろんな題材で本を書かれていますが、(題材は)どうやって選んでいるんですか?

三宅:例えば、飲み会だったり、X(旧:Twitter)とかに話題になりそうなものをとりあえず投げるんですよ。そこで盛り上がった話題を取り上げる、という方法を採用していまして。

れなち:ある意味、市場調査というか。

三宅:そうかもしれないです。例えば「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」は、ネットでちょっと話題に出したらすごい反響があって、“この話題ってみんな興味があるんだ”と思ってタイトルに採用しました。

れなち:なるほど。どうして、文芸評論や書評の世界に入ろうと思ったのですか?

三宅:私の場合、結構なりゆきなところが大きくて。大学院生のときに書店員のバイトをしていたんですよ。そこでブログの更新を担当していて、書店のブログだから本を紹介するじゃないですか。そうしたら、1つの記事がめちゃくちゃバズって、その記事を見た出版社の方が「本にしませんか?」って言ってくれて。

れなち:それは何の記事だったんですか?

三宅:「京大院生の書店スタッフが『正直、これ読んだら人生狂っちゃうよね』と思う本ベスト20を選んでみた。」という記事でした。それがもとになって(デビュー作の)「人生を狂わす名著50」(ライツ社)が出て、それが書評の本だったので、流れるように“書評家”って名乗り始めました。

◆“推し”のために京都に移住!

れなち:三宅さんはX(旧:Twitter)のプロフィールに「どう転んでも“根がオタク”」と書いてあったり、度々“オタク”という発言をしていますけど、主に何オタクなんですか?

三宅:女子アイドルと宝塚(歌劇団)オタクです! 本や漫画は、私にとって食べ物・睡眠とかと一緒だと思っているので“それはオタクと言うのかな?”って(笑)。

れなち:(笑)。そんな三宅さんが最初にハマったものは何ですか?

三宅:それはやっぱり、アニメ・漫画ですかね。私は出身が高知県なんですけど、コンテンツへの渇望があって。当時は(地元のテレビ局では)アニメとかを全然やっていなかったので、インターネットでどうにか探せないかと思いながら徘徊していましたね。

れなち:では、一番最近ハマっているものは何ですか?

三宅:最近は宝塚です。宝塚って東京都と兵庫県で観られるんですけど、兵庫の会場のほうが、ちょっとチケットが取りやすいんですよ。そのために京都府に移住したくらいなので。

れなち:え(笑)!?

三宅:だから、今は本当に兵庫で宝塚を観るのが日々の楽しみです。

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1月20日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年1月28日(火) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:山崎怜奈の誰かに話したかったこと。
放送日時:毎週月~木曜 13:00~14:55
パーソナリティ:山崎怜奈
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/darehana/

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