芥川龍之介生誕130年。声優界の重鎮・羽佐間道夫と日本テレビアナウンサー・井田由美が朗読

今年は芥川龍之介生誕130年の節目の年。これを記念してラジオ日本の朗読番組『わたしの図書室』では、7月21日から3週にわたり、芥川龍之介の短編小説4作品を紹介する。朗読は声優界の重鎮・羽佐間道夫と日本テレビアナウンサー・井田由美。

7月21日は「お時儀」、「尾生の信」。「お時儀」は芥川が横須賀の海軍機関学校で英語教師をしていたとき、主に身の回りに起きた出来事を題材に書かれた作品群の一つ。堀川保吉という男を主人公とした、いわゆる「保吉もの」と言われる作品。保吉は住まいのある避暑地の駅のホームで毎日のように顔を合わせる女に親しみを感じていた。この感情を恋というのか? しかし恋愛小説にあるような動悸の高ぶりはなく…。ある時また顔を合わせた瞬間、保吉はとっさにある行動に出る。「尾生の信」は中国故事に着想を得た作品の一つ。尾生という男は橋の下にたたずみ、女の来るのをひたすらに待ち続ける。女は現れるのか、それとも…。2編の朗読は羽佐間が担当。

7月28日は「あばばばば」を井田が担当。こちらも「保吉もの」。保吉はよく行くタバコ屋の、若い細君の恥じらいのある雰囲気を好ましく思っていた。女の応対はつねに初々しく場慣れしておらず、話しかけるとすぐに頬を赤らめる。しかしある時からぱったりと姿を見せなくなって…。芥川の私小説的な内容に加え、井田の演じるどんでん返しの結末は聴きもの。

8月4日は「舞踏会」。いわゆる「文明開化もの」の一つ。17歳の明子は生まれて初めて舞踏会に出かける。そこでフランス人の海軍将校に見初められてダンスを申し込まれ…。華々しい鹿鳴館の舞踏会で出会った男女の淡い恋物語。朗読は半年ぶりの共演となる羽佐間と井田の2人で送る。三島由紀夫も「短編小説の傑作」と褒めたたえたという作品で3週にわたる特集を締めくくる。

わたしの図書室
放送局:ラジオ日本 他2局ネット
放送日時:毎週木曜 23時30分~24時00分
※放送局によって日時が異なる場合があります。
出演者:羽佐間道夫(声優)、井田由美(日本テレビアナウンサー)
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