福岡・直方の“泊まれる新スポット”で文化芸術作品が生まれる日が来る!?

清水舞子さん(右)と荒木風花ディレクター ©RKBラジオ

北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBラジオによるコラボ番組『ローカる!』。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。7月31日の放送では、福岡県直方市にあるちょっくらじおのジャッキー岩尾こと、岩尾一豊さんと、もうすぐ誕生する「直方に暮らすように滞在できる宿泊施設」を訪れた。(報告・荒木風花ディレクター)

清水舞子さん(右)と荒木風花ディレクター

JR直方駅から歩いて向かった「古町商店街」の端にある「bouton」という飲食店を訪ねた。外観の青いタイルが印象的なかわいいお店だ。オーナーの清水舞子さんにお話を聞いた。

清水さん:この場所はもともとボタン屋さんで、60~70代の女性はボタンや刺繍糸を買うならここ!という象徴的な場所だったようです。数十年シャッターが閉まったままだったのですが、あるものを残しつつ、リノベーションで再生させようとしました。

岩尾さん曰く、とても再生できる状態ではなかったそうだ。しかし、清水さんがこの場所にこだわったのにはこんな理由があった。

清水さん:まずこの青いタイルの外観が好きだったんです。そしてこの場所は駅が近く、河川敷までも歩いていくことができます。商店街の中にあって、点在している地域の「いいな」という場所が徒歩圏内。ここが歩いて遊べるスポットの一つになると思ったんです。

 

清水さん:もともと私は宮若市出身で、宮若の山間部の廃校を再生するプロジェクトをしていました。しかしその場所は車がないと来られない場所だったんです。そこで次は人が足を運びやすい街中で、人と人が繋がるコミュニティの拠点を作りたいと思ったんです。そして筑豊にはなかなかないゆっくりと滞在できる場所も…と思っていたので、集まる場所・泊まれる場所が両方できたらという希望もありました。

現在、boutonではランチ営業に加え、料理を提供したいという人のためにレンタルキッチンも運営している。さらに、朗読会やライブなど「何かを企画して実行したい!」を叶える場所としても機能しているのだそう。

 

そんな清水さんが、念願の宿泊施設をboutonの隣に作った。ジャッキー岩尾さんと一緒に案内してもらおうとした時、もうひとつ清水さんが手がけたものを見るために、一旦boutonの外へ。バス停のそばにあるものが。

荒木:あ!バス停だ!

 

ジャッキー岩尾さん:ここはJR九州バス「殿町」乗り場なのですが、そこからちょっと進んだところに可愛らしい椅子もありますよね。もとからここにあったもの、のような雰囲気を醸し出していますが、昔は建物だったんです。その建物の壁を取っ払って清水さんがバスを待てるように整備したんですよ。

 

荒木:待合所のようになっており、屋根がついているので雨をしのげる場所になっているんですね。そして夜になったら電気がつくんですね。

 

清水さん:boutonの場所を借りたときに、バスを待っているおばあちゃんが建物の玄関前に座っていたんです。そして雨の中傘をさして立っている人も。その姿を見て、バスを待つときに座ってもらえるバス停を作りたいと思いました。

清水さんが設置したバス停のベンチ ©RKBラジオ

優しさが生んだバス待合スペース。そんな清水さんが作って、まもなくオープンする宿泊施設を紹介してもらった。

荒木:うわあ…懐かしい…おばあちゃん家みたい!そして玄関からも見えるのは「中庭」ですか!?

 

ジャッキー岩尾さん:直方の商店街のお店って、「中庭」があるところが多いんです。

清水さんによると、居住スペースとお店が生活の一部だったということを象徴しているのだそう。他にも床の間や土壁、懐かしさを感じる要素が散りばめられていた。清水さんのイチオシは、階段の裏に作られたあるスペースだ。ちょうどいい具合にソファが置かれている。

清水さん:もともと押し入れだったんです。中段を抜いて、ソファを入れました。このソファの置き場を選んでいる時に、一番に「ここに置こう!」と決めたんですよ。

座り心地も抜群。一度座ったら立ちたくないぐらい気持ちがいい。くつろいでいると、左斜め上からある視線を感じた。

山口百恵さんのポスターがそのままに ©RKBラジオ

荒木:山口百恵さんのポスターが!「MOMOE」って書いていますよ!

 

清水さん:もともと2階はボタン屋さんの息子さんのお部屋だったそうです。そのお部屋にあったものの、誰も手を付けられず…。2階を改装するタイミングでこちらにご移動いただきました。

清水さんの遊び心も感じるソファスペースだった。廊下に出ると、「読書室」と呼ばれる部屋があった。どんな部屋なのだろうか。

読書室のテーブル ©RKBラジオ

清水さん:本が並んでいますが、仕事も宿題もできるスペースになっています。といいつつ、ぼーっと本が読める部屋になったらいいなと思います。本棚はボタン屋さんだった時代に使っていた刺繍糸が並べられていた棚なんです。

その他に、ボタン屋さんの台所にあった蒸し器の一部を使ったドレッサーや、やけに急勾配の階段など、懐かしさを感じる要素がたくさん!2階は就寝スペースになっているという。一棟まるごと貸し切れるので、人目を気にしなくていいのも嬉しいポイントだ。布団を並べて寝られる部分と、プライベートが守られたベッド部分に部屋が分かれている。オープンに向けて奮闘している清水さんにはある思いがあった。

清水さん:この場所は駅も近く商店街の中なのに、静かなんです。ゆったりと時間が流れる場所で、何にもしない幸せを味わってもらいたいです。そんな思いも込めてつけた施設の名前が「忘覚庵」です。忘れることで、自分の本来持っている感覚を呼び覚ましてほしいという願いがあります。今、なにかとせわしい状況で、そんな場所から離れて、ここでぼーっとして…そんな時間って必要だと思うんです。

 

清水さん:この筑豊というエリアは面白いと思っています。とても賑やか!という訳ではないけれど、頑張っている人が多い。いい意味で隙間がある町・直方が動き出すと、その周辺も動くのかなあ…と期待しています。

さらに清水さんには「大きな夢」がある。

清水さん:筑豊、日本のみならず、世界中の人がこの場所を訪れてほしいです。例えば、忘覚庵に作家さんが滞在して、直方という町で作品が生まれる拠点とか。そういった形で名前が残せたらいいなと思っています。勝手な目標は作家の村上春樹がここで小説を書くっていう…(笑)宿泊できるということがこの町のコンテンツになったらいいなと思います。

忘覚庵で生まれた曲、絵、アイディア…直方から世界へ広がっていく日も遠くないかもしれない。

 

ちょっくらじおとのコラボで直方の魅力を肌で感じた1か月となった。8月はFM八女とのコラボ、八女の自然を体いっぱい感じつつ、花火を楽しむことができる「川の家」を紹介する。

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ローカる!
放送局:RKBラジオ
放送日時:毎週日曜 11時00分~11時15分
出演者:荒木風花
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※放送情報は変更となる場合があります。

東急のDXの取り組みとは?

株式会社L is Bの代表である横井太輔氏がパーソナリティを務めるラジオ番組

「L is B presents 現場DX研究所」(文化放送 毎週月曜日20:00~20:30)

5月20日放送には、「東急株式会社 URBAN HACKS VPoEの宮澤秀右氏をお迎えし、力を入れる取り組みなどについて詳しくお話いただいた。

松井佐祐里アナ(パーソナリティ)「まずは、企業プロフィールをご紹介させて頂きます。東急株式会社は 交通事業、不動産事業、生活サービス事業、ホテル・リゾート事業を事業分野とする東急グループの中核企業です。“まちづくり”を事業の根幹に置きつつ、 長年にわたって、東急線沿線を中心としたお客さまの日々の生活に密着した、さまざまな領域で事業を進めています。そして2021年、東急線沿線の顧客とビジネスのために、徹底した顧客視点でグループを横断するサービス開発、体験設計を実行するプロセス・組織体制“URBAN HACKS”を発足させました」

L is B代表・横井太輔氏(パーソナリティ)「URBAN HACKSとはどういう意味ですか?」

東急株式会社 URBAN HACKS VPoEの宮澤秀右氏「URBANというのは都市。HACKSというのは、技術を使って何か便利なものを作り出すっていう意味なんです。URBAN HACKSというのは、まち作りのDXを推進する組織という意味でこの組織にこの名前をつけさせていただきました。」

横井「今取り組んでいらっしゃるお仕事は具体的にはどんなものになりますか?」

宮澤「東急がしっかりとした地盤で沿線のお客様にリアルのビジネスを中心とした体験価値を提供できてきたこの100年間で、これからの100年間デジタルを使ってどういうふうにお客様に、便利な体験を提供していくかっていうところを考え始めました。そのことにおいての重要なポイントというのがやはりソフトウェアの技術をどういうふうに使っていくかということ。我々の今の組織が主にやっていることは、ソフトウェアの開発になります。最先端のソフトウェアの技術を使って沿線を中心としたお客様の暮らしをどういうふうに便利に豊かにしていくかっていうことを突き詰めていく組織なんですね」

横井「次の100年の礎を、ソフトウェアを踏まえて作っていくお仕事ですね」

松井「今力を入れている取り組みは何ですか?」

宮澤「東急の沿線を中心としたお客様の体験価値を向上させていくというところに力を入れています」

横井「詳しく教えてください」

宮澤「我々は、東急線アプリというアプリケーションを提供しています。例えば、バスに乗る時に、もう既に家を出る前から今バスがどこを走ってるのかがわかるようになっています。デジタルITが世の中に現れたことによって、お客様に対する便利さを提供できるようになってきたんですよね。これは世の中全体で起きていることで、我々東急だけがやってることではなく、いろんなデジタルの会社がそういったビジネスを展開しています。その中で今までリアルを中心とした鉄道、不動産みたいなものを東急が提供できてきたんですけど、世の中のそういったお客様の便利さを我々も追求していく必要がある。そのために我々も自分たちのリアルで提供しているもののサービスをデジタルを融合させることによって、どういうふうに価値を向上させていくかということをやっていかなきゃいけないということなんですね」

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