水膨れ不可避の2025年度政府予算案、元凶は壮大なバラマキへの切り込み不足!『町田徹のふかぼり!』

経済ジャーナリスト・町田徹が毎週注目すべき国内外のニュースを徹底解剖。日本経済が抱える問題の本質、激動の国際情勢の行方について、時に冷徹に、時に熱く、語ります。

経済ジャーナリスト町田徹が選んだ今週のニュース

番外 2月22日、中国のオーストラリアとニュージーランド近海での軍事演習について、オーストラリアのウォン外相が中国の王毅に懸念を表明。
番外 23日に投票が行われたドイツの総選挙で、最大野党CDU・CSU=キリスト教民主・社会同盟が第1党に返り咲き。第2党に躍進した極右政党「AfD=ドイツのための選択肢」ではなく、第3党に落ちた中道左派「SPD=社会民主党」との連立の模索に着手。
番外 26日、東電・柏崎刈羽原発の再稼働に暗雲、テロ対策施設の完成の遅れで、3年から4年は運転できない見通しに。
番外 27日、東洋経済オンラインが、過去3年間の自民党への政治献金が多い企業のランキングを公表。1位はトヨタ自動車と住友化学の1.5億円で、以下、上位には、キヤノン、日立製作所、日産自動車、野村ホールディングス、三菱重工業、大和証券グループ、日本製鉄などが顔を揃える。
番外 27日の厚生労働省の発表で、外国人も含めて、去年 日本で生まれた子が1899年以降で最少だったことが判明。
第5位 25日、DOGE=政府効率化省の技術系職員21人が連名で辞表を提出。マスク氏が進めるトランプ政権の省庁リストラへの反発が浮き彫りに。
第4位 25日、コメの価格高騰が続いており、ここへ来て1年前の1.9倍の高値に達したことが判明。
第3位 27日、旧安部派の会計責任者・松本淳一郎氏への参考人聴取を踏まえ、衆院の安住予算委員会委員長が、還流再開を求めたのは、下村博文氏か塩谷立氏の「どちらか」との見解を示す。
第2位 ウクライナの天然資源開発の権益を巡る暫定合意に署名か? 28日、ゼレンスキー大統領が訪米し、トランプ大統領と会談へ。
第1位 25日、いわゆる「高校授業料の無償化」で、自民、公明の両与党と日本維新の会の党首が合意したことを受け、維新の吉村代表が「本予算に賛成する」と言明。

今週のふかぼり「弱者への配慮が盛り込まれたとはいえ、やっぱり水膨れが避けられない2025年度の政府予算案。元凶は、租税特別措置などの壮大なバラマキへの切り込み不足だ!」

G7=先進7カ国どころか、世界的に見ても「最悪だ」と言われる日本の財政赤字がなぜ、来年度予算でも改善されないのか。今週は、衆議院で与野党が繰り広げた議論がどうしてこういう非生産的な結果しか生みださないのかを考えました。

町田徹のふかぼり!
放送局:ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週金曜 16時00分~16時30分
出演者:町田 徹(経済ジャーナリスト)、杉浦 舞(フリーアナウンサー)
番組ホームページ
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再放送:毎週金曜 23:00~23:30

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止まった時計に、また命を。関西から茨城へ移り住んだ68歳が紡ぐ時間

6月10日は「時の記念日」です。誰もが年齢を重ねるほど、時が経つのが早く感じるものです。最近は終活を意識して、人生に残された時間を考えている方も少なくないでしょう。今回は終活を始めたつもりが、忙しい毎日を送ることになった、時計屋さんのお話です。

湯川貴弘さん

それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。

東京駅から常磐線の中距離電車で1時間あまりの茨城県牛久市。JR牛久駅前のショッピングセンターにオレンジ色の看板の時計修理専門店があります。お店の名前は、「町の時計屋さん 匠」。開店4年あまりですが、その高い技術に、修理が1年2か月待ちになるほどの人気です。

ご主人の湯川貴弘さんは、兵庫県のご出身で、1957年生まれの68歳。シベリア抑留から引き揚げてきたお父様が開いた時計の専修学校「湯川時計学院」で、高校に通いながら時計の技術を学び始め、23歳からは自らも教壇に立っていました。

物心ついた時から時計に囲まれて育ってきた湯川さんですが、ものづくりに憧れたのは、車のプラモデルと、アニメ「チキチキマシン猛レース」がきっかけ。作るだけでは飽き足らず、自分で作ったプラモデルの車同士を思い切り衝突させて、どこに力が加わると、どう壊れるのかを調べることに興味を持ちます。

プラモデルを作っては壊し、作っては壊すことで、車の複雑な構造を把握した湯川さん、ものづくりの基本を、プラモデルを通じて体で憶えていきました。自然と興味・関心も時計へと向いて、お父様と一緒にお店と学校を支え、やがてお父様から受け継いでいきました。

「直した時計を手にすると、お客さんが喜んでくれるんです。その喜ぶ顔を見たいという気持ちだけで、修理を続けてきました」

町の時計屋さん匠

そんな湯川さんでしたが、60歳を過ぎた頃、体調を崩してしまったことをきっかけにいわゆる「終活」を始めることを決意、自分のお店を閉めてしまいました。そして、自宅を売り、長年使い込んだ時計の修理道具も一切処分してしまった湯川さんの脳裏に、ふと、こんな考えがよぎります。

『一度きりの人生、せっかくなら、全国から条件に合う住まいを探してみようか?』

2020年、湯川さんはインターネットで北海道から沖縄まで物件を探し始めました。検索条件は「雪があまり降らない」「コンビニ・スーパーが近い」「鉄道駅が近い」の3つ。予算内でこの条件をクリアできる街は、いったいどこか???パソコンの画面に現れた街は……なんと!茨城県取手市でした。

『茨城県ってドコ?大阪の茨木市しか知らんけど、牛肉より豚肉を食べる機会が増えるくらいで、まあ、何とかなるんじゃないか?』

湯川さんは、還暦を過ぎて初めてふるさと・関西を離れ、遠く離れた関東での暮らしを始めましたが、気になったのは、やはり時計です。近所の時計屋さんに電池の交換をお願いしましたが、その作業内容に、どうも納得がいきませんでした。

『お客様のためになる、ちゃんとした時計屋さんが、街に1軒ぐらいはないといけない!』

奮い立った湯川さんは、改めて時計の電池交換が出来る小さなお店「町の時計屋さん 匠」を、取手駅の近くで開きます。最初は電池交換を行う程度でしたが、茨城でも湯川さんの腕の良さが評判を呼んで次第にお客さんが増え、いろいろな時計が持ち込まれるようになっていきました。

「ほかの時計屋さんはどこも直してくれないんです。ご主人ならきっと、出来ますよね?」

そう頼み込まれると職人の血が騒ぐ湯川さん、改めて修理用の道具一式を揃えます。縁あって、取手から郊外の牛久に移転すると、さらに持ち込まれる時計が増えました。実は牛久周辺、まだまだ農家が多くて、昔からの蔵が残っているお宅も多いんですね。その蔵のなかで眠っていた古時計が、お店に運ばれてきたというわけなんです。

大正生まれの時計を修理する湯川さん

日々、100年物の、レトロなぜんまい仕掛けの古い時計と格闘する湯川さんですが、電池で動くクォーツ時計の修理にも対応するなど、時代に合わせ、腕も磨いています。時計メーカーに部品が無くなってしまったら、自らの3Dプリンターで、部品を手作りして、修理してしまいます。

「時計は、結婚の記念で買い求めたり、形見として親から子供に受け継がれたりする、まさに人生の相棒のような存在なんです。そんな大切な時計の針が再び動き始めると、皆さん、涙を流して喜ばれます」

そして湯川さん、時計の鐘が鳴り響くお店で、笑ってこう話してくれました。

「終活を始めたつもりが、前より忙しくなって、今は『時計』に追われてます」

関東・茨城でもまた、様々な人の思いが詰まった時計に、新たな命を吹き込み続けます。

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